回想法ってどんなことをするの? [2009年02月07日(Sat)]
みなさん、こんにちは。
前回は、回想法の概略を簡単に書いてみました。回想法の全体像はなんとなく捉えられましたか。すでに回想法をご存知の方は、身内の方が高齢者施設などですでに回想法を経験している、という場合が多いかもしれません。今まで回想法は、ホスピス、認知症高齢者、施設高齢者対象にそれぞれの施設で介護職員が担当してきたという流れがあるからです。 しかし最近は、元気な高齢者向けに(介護認定を受けていない)回想法を実施し、もっと元気になってもらう、認知症予防に、介護予防に、脳トレに・・・という動きも出てきています。 回想法を出雲市の病院で行っている鈴木正典先生が、1995年に南オーストラリアにあるホスピスに研修で見たことが、帰国してから回想法を始める大きな動機になったと言われています。 そのホスピスでは、医師、看護師、全てのスタッフが患者の人生に最大の関心と共感を寄せていたことに感心した。患者の歩んだ道に最大の敬意を払い、それを常に興味関心を持って伺う、そこから生まれるケアの個別性、それぞれの人生への敬愛をとても大事にしていた。そのホスピスではそれぞれの患者がご自分の人生についての小さな小冊子を持っていた。 鈴木先生は帰国後、緩和ケアの仕事柄、がん患者さんが多かったので、回想を介して悲嘆や心の痛みを緩和できないかを考え実践し、効果が実感できた、という。 回想法の効果は? グループ回想法(個人で回想法のセッションを受ける個人回想法があります。)の効果 個人内のおもな効果としては、感情や意欲の回復、社交性の向上。対人的効果としては、会話の活性化や楽しみの共有、そして参加者同士の絆の形成がおもななものとしてあげられます。 そのほか、介護スタッフにとっては高齢者についての見識が深まり、普段のケアでは気付かなかった高齢者の新たな一面が理解できるようになった、という声が多くあり、とくに認知症高齢者など、コミュニケーションの取りづらさをスタッフが感じている場合に、いっそう効果的であるようです。 人は自分を語ることによって他者から理解され、認めてもらいたいという自己承認欲求を持っています。他者に受け入れられることで、自己肯定につながり、他者も肯定できるようになるのです。これは高齢者に限らず、皆そうなのではないでしょうか。 やはり良い聞き手がまず必要ですね。 by こころとからだの元気ラボ メンバー 産業カウンセラー YOKO |
Posted by
元気Lab.
at 21:57