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NPOの情報開示&助成の最適化をすすめるブログ

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日本における助成の最適化と、NPOの情報開示の拡充に向けて
調査・研究を行い、提言を行っています。
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(1)「NPOへの資金提供・助成の最適化に関する調査報告書」
(2)「助成事業の成果向上と、事務の効率化・負担軽減に関する
調査報告書」
(3)「助成申請書の団体基本情報に関する、地域規模・全国規模
助成の比較調査報告書」
は、すべて売り切れとなりましたが、(1)と(3)につきましては、
隔月刊誌「NPOマネジメント」
https://blog.canpan.info/npomanagement/
に、概要をまとめた記事を掲載しております。

(1)は、第52号・第53号「助成する側・される側が『伝わりあう
関係』になるために〜『NPOへの資金提供・助成の最適化に
関する調査』報告(前編)・(後編)」
(3)は第62号「助成申請書の団体基本情報に関する、地域
規模・全国規模助成の比較調査」

その他、関連記事として、第47号「助成申請書および報告書の
設問に関する調査報告『信頼と支援を得る情報開示項目とは?』」
もぜひご覧ください。

★なお、PDFデータ版は、
DL-MARKETのサイトからご購入いただけます。
内容は冊子版とまったく同じで、プリントアウトも可能です。
ぜひ、ご利用ください。


【2006年度】2月3日:名古屋/開催記録 [2007年02月07日(Wed)]
情報開示セミナー:名古屋
市民・資金提供側がNPOに求める情報とは?
「NPOの資金調達と情報開示のためのセミナー」

実施記録です。

【日 時】2007年2月3日(土)13:30〜16:45
【会 場】ウィルあいち(愛知県女性総合センター) 2階特別会議室
【主 催】NPO法人地域の未来・志援センター
【参加者】NPOスタッフ18人
【報告者】川北秀人(IIHOE代表)、赤澤清孝(IIHOE客員研究員)、
荻上健太郎氏(日本財団)

【タイムテーブル】
13:30〜13:45 開会挨拶(地域の未来・志援センター 理事長 萩原 喜之さん)
13:45〜13:55 「助成申請書および報告書の設問に関する調査」の趣旨説明(川北)
13:55〜14:30 「助成申請書および報告書の設問に関する調査」報告(赤澤)
14:30〜14:55 参加者個人ワーク、質問・感想出し、回答
14:55〜15:10 休憩
15:10〜15:40 CANPANの紹介(荻上さん)
15:40〜16:30 意見交換「東海地域でNPOの情報開示を進めるために」

【内 容】
(1)開会挨拶(地域の未来・志援センター 理事長 萩原 喜之氏)
 今回の企画は、昨年11月5日に実施した「地域に価値を創造する助成」に続く第2弾。志援センターは、愛知・岐阜・三重において、企業・行政・市民のセクターを対象に個人・組織をつなぎ、持続可能な社会をデザインする戦略研究所で、助成のシステムはそのための1つのツールであると考えている。その視点で地域における情報開示のあり方を検討していきたい。
 
(2)「助成申請書および報告書の設問に関する調査」の趣旨説明(川北) 
 日本でも1人が1年間に寄附している金額は欧米に比べ遜色ないが、そのほとんどがご祝儀などの個人への寄附となっている。なぜか?団体が本気ではない、寄附をたのんでいない。信頼されるための情報を開示できていないことが原因であると考えられる。

 また、ネット上などにNPOの情報はあるが、資金提供する相手が求めている情報ではないのでは?お金を出す行為にNPOが必要最小限提供すべき情報は何かを探るために、助成機関がNPOに求めている書式を基に「助成申請書および報告書の設問に関する調査」を実施した。

(3)「助成申請書および報告書の設問に関する調査」報告(赤澤)  
 53機関、81プログラムの「募集要項」、「助成申請用紙」、「報告書」(報告書については62プログラム)を入手し、各設問項目の有無を集計し、分析を行った。
また、調査結果を踏まえて「情報開示7つのポイント」を提案した。

(4)参加者個人ワーク、質問・感想出し、回答
◆報告書P.5〜7の助成申請書・報告書の設問項目一覧(多数順)に、@自分たちが開示できる情報、A自分が資金提供者であるとして、NPOに開示してもらいたい情報 を、参加者各自がチェック。
◇問題提起:自分たちが提供できる情報・提供したい情報と、資金提供者が欲しい情報にへだたりがあるのではないか。
◇提案:例えば設問項目一覧のうち、50%以上の助成プログラムで要求されていた項目は、常に開示できる準備をするなどの参考にして欲しい。理事会や総会の資料作成の際にも活用できる。

◆調査報告についての質問・感想を、参加者各自が用紙に書き出しフリップとして、グループ内で共有

◆フリップのうち、自分が特に質問したいもの、感想を全体で共有
◇質問:「受益者数はどう数えたらよいのか?」→例えば国際協力団体の事業では、プログラムを必要としている人数の仮説を立てる。事業実施中に様々な要因で仮説にズレが生じた場合は、その要因の説明をすればよい。状況が変わる可能性があるなら、その場合のプランを提示して、大体プランを含めてプログラムの了解を得ておく。

◇感想:「独りよがりな情報公開はいけない」

(5)CANPANの紹介(荻上さん) 
 日本財団の公益コミュニティサイトCANPANの機能、CANPANが目指すことの説明。
●NPOへの支援となるしくみとしては、団体情報の登録、ブログの提供、公益図書館(助成を得て実施した公益事業の報告書の公開の場)、決済システムの提供、助成申請のサポート等の整備を行っていく。

●ブログは更新が容易で、HP的な活用も。トップだけHPで項目をクリックするとブログへ飛ぶ…という活用をしている団体も増えてきた。(川北)

(6)意見交換「東海地域でNPOの情報開示を進めるために」
[地域にどう情報公開のしくみを落としていくか]
●せんだいみやぎNPOセンターの「NPO情報ライブラリー」を紹介。「サポート資源提供システム」の資源を得るために、事前にライブラリーへの登録するシステム。現在ネット上に117のNPOの情報が集まっている。
●資金を提供する側に、提供するしないの判断材料となる情報公開する必要がある。独りよがりではなく、相手の不安材料を解決しうる情報が開示できるレベル。→通常のNPOダイレクトリーからさらに踏み込んだ内容。

[情報開示の視点とアイディア]
●IIHOEは法人格を持たないNPOであるが、アメリカで当たり前であるレベルの情報開示をしている。すなわち、上位1/3のスタッフの給与、収支(波があるので5年間分、0の項目は表示しないのではなく0を表記)、CO2排出量など。
●名刺も情報開示のツールの1つとして活用すべき。最初の接点で求められる情報を提供できる。
●Q&A方式で情報提供するのも、知りたい人の目線で説明できるので、ミスマッチを減らすのに有効。

[日常の情報開示が日本で進まない理由](参加者の意見も)
●お金の話、特に人件費については、公開に抵抗のあるメンバーもあるのでは。タブー視する傾向がある。
●会員が会計書類について知識不足、関心が少ない。
●行政側がNPOの事業に関する人件費に対する認識が低く、設定金額が低すぎる例があった。行政が合理的な判断ができるように、NPO側から情報を提示することも必要。

[アメリカとの違いは?社会的なインフラについて]
●アメリカでは、寄附控除を受ける団体が80万以上。そのために、団体はform990で情報開示をすることが当たり前となっている。税制が違うことが大きいが、税制の改正を待っていても社会は変わらないので、民(NPO側)が先に自発的に情報発信を。
●社会的なインフラの整備=情報開示をするしくみをデザインするためには、地域の人たちとの連携、中間支援だけでなく、助成機関や行政ともつながる場がもっと必要だ。

以上です。
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