【報告】2:第5回NPOの資金提供・助成の最適化に関する研究会
[2008年12月27日(Sat)]
A「日本財団の助成システム概要と導入効果、助成業務とCANPANの連動による可能性」
日本財団 システム統括グループ 荻上 健太郎 様
++++++++++++++++++++++++++++++
<業務改革の波が、助成事務効率化につながる>
・現在、社内業務総合システム「システムNIPPON」とネット申請システム、CANPANと助成サイトが連動して稼動している。
・社内業務システム「システムNIPPON」とは
→助成業務をはじめ、出張等の業務を管理する機能も。
→導入の背景には、不祥事発生をきっかけに、組織自身の情報公開ニーズがあった。
→将来的な競艇の売り上げ減少に向け、事務効率化、情報共有、成果向上を
目指そうとしていた。
→世間のIT進化、ネット普及という追い風。
待っていても多数の申請がある現状に、受身でいることによる危機感が内部にあった。
→新しい事業の開発は役員の仕事、一方で事務局の仕事までしてしまう役員もいる、
というこれまでの発想や状況の変革。
役員と事務スタッフの権限の明確化=担当以外の業務をやれないよう事務ルールを構築。
→書類、手続きの簡素化:業務フローの統一、一方通行化を目指した。
それぞれの部署で事務の進め方に違いがあり、当初は大きな反対があった。
<事務の効率化がもたらした成果>
・助成期間内に、以前は27工程あった事務が8工程に削減され、
37種類あった事務書類も14種類に。団体作成書類は、20種類から5種類(標準)に
効率化された。
・現場に出る頻度については、年間の出張件数で見ると、552件(2000年度)が
817件(2007年度)に増加した。
・電子申請システムでは、入力方法が統一化され、入力漏れの確認が自動化されたことで
不備チェックの負担が大幅に減った。
・「CANPAN」は当初、非営利活動向けの無料情報支援として開始したが、
発足2年後の2007年より、助成申請システムとの連動を開始した。
・CANPANを通して、助成事業のプロセスを日本財団のみならず、社会全体に向け
開示することを目指している。
・また、助成担当者がブログで担当事業を紹介しており、多くの授産品情報を網羅する例も。
職員による新規事業開発への効果がまだ少ないことは、今後の課題。
・CANPANでは今後、団体情報登録ユーザーへのカード決済機能のリリースを計画中。
情報開示度★5つの団体の利用を可能にするなど、CANPANとの連携で助成金+αの
支援を行っていきたい。
・中国ろうきんNPO寄付システムにCANPAN団体情報を提供するなど、他の助成機関
との連携も進めているところ。
公益活動を支援するセクターとしての社会的インフラとして、有効活用していただける
システムへの進化させていきたい。 ■質疑応答
Q.(せんだい・みやぎNPOセンターへ)自分が担当する助成プログラムでは審査の
情報は非公開としている。審査の評価を情報開示することを、事務局、審査会は
どう捉えているか。
また、書類作成が得意かどうかということが、評価に影響を及ぼすと考えているが、
筆の巧い人だけが得をしないしくみにしたいと思うが、ポイントは?
A.(審査点数の開示)審査時の点数や基準は、審査基準を開示しておけば意見が出る。
同時に、ご意見をいただくことは、事務局、審査会にとっても勉強になることと捉えている。
審査員の判断も、絶対的に正しいわけではないというスタンスで、意見を受けた場合は
共有し、次回の申し送り事項としている。
(書類作成について)みんみんファンドは、地域の顔の見える関係性の中で申請いただく
というスタンスのため、書類作成についても助言を実施している。
日頃の相談業務でも団体情報データベースは有効活用
している。
Q.(日本財団へ)大きな組織で、事務の効率化に関するシステムの導入や業務改革を
進める上でのポイントは?
A.システムの導入は、当初ボトムアップでの事務改善の提案があり、最終的に業務改革の実行として、トップダウンの指令が出された。
業務改善から業務改革にするには、やはり、トップがゆるぎない意思を示すことが重要。
実際のシステム導入はプロジェクトチームが担当。内部の反発もあったが、スタッフと
コミュニケーションを取りながら乗り越えた。
Q.(日本財団へ)情報開示やブログの使い方について、NPOへの技術サポートは?
A.テクニカルサポート窓口の対応と、助成先訪問の際、個別にレクチャーを実施している。
また単発的な方法だが、各地の中間支援組織と連携してブログ講座を開催している。
一般に、団体ウェブサイトは更新が面倒で情報が古くなってしまっている事が多いが、
ブログは更新も簡単で、小さな団体でもブログの活用で鮮度の高い情報が発信可能。
Q:職員のブログ運営について。検閲はなくて大丈夫か?職員向けの意識づくりのための
研修を実施するのか?
A:検閲や研修はない。日本財団の場合、組織のトップが「ブログを検閲すると意味がない。自由にやっていい。問題が発生したら責任は取る。」と宣言した。
最初は職員も恐る恐る、という雰囲気だったが、「習うより慣れろ」ということで、
自由に取り組む職員をお手本に、それぞれのやり方で運営している。
現在、日本財団の職員がやっているブログは50近くある。
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■グループワーク
テーマ「助成事務の共通点・相違点の共有と、効率化・IT化の進め方」
(1)審査期間が長い(3ヶ月半以上)/短い(3ヶ月半以下)でチーム分け
(2)個別ワーク:各自の助成プログラムについて、募集から評価まで事務プロセスにおいて、「取り組んでいる内容」「課題」「他の機関と連携できそうなこと」を書き出す。
(3)グループワーク
・個別ワークの内容を共有する。
・「よそと違う点、特徴」「課題」「共同で取り組めそうなこと」を発表。
(4)発表
■審査期間が長いグループ
「よそと違う点、特徴」
・内部審査方式では、募集・相談の段階である程度の評価をしている例も。
・事務局はプログラムオフィサー的な役割を果たす。
・件数が少ないので丁寧なフォローをしている。
・中間報告会の場で、取り組み課題を共有し、互いに励ましあう場づくりを設定。
「課題」
・中間報告、最終報告のフィードバックをすべきと思いつつ、取り組めていないことが課題。
・出会いたい、ストライクゾーンの団体と出会うためのマッチング(広報など)の方法に課題。
・東京から地域のよいNPOと顔の見えるお付き合いをするには限界も。
「共同で取り組めそうなこと」
・地域の中間支援組織との戦略的な連携も。そのためには複数の助成機関で連携することも必要。
■審査期間が短いグループ
「よそと違う点、特徴」
・申請を電子データでもらうか紙でもらうか、入力かPDFか、それぞれにメリットもあり、審査方式により適切な運用方法があるのでは。
・事業評価方法として、自己評価シートを設けて団体に記入してもらっている事例があった。評価のノウハウを共有したい。
「課題」
・締め切り間際の申請の集中をどう避けるか。早く申請した団体に早割り的な特典も検討したい。
・助成が終わったあとのフォローアップ、成果の周知をどうしていくか?
・公募の広報が効率悪い。もっと効率よく広報できるとよいのだが。
「共同で取り組めそうなこと」
・一斉配信を請け負う事務サービスがあるといい。
○ワークのまとめに際して(川北よりコメント)
・募集でよりストライクゾーンに近い申請を獲得するためや事業の精度を高めるために時間を割くには、審査や事務にかかる時間を合理的に減らすことも必要。
・事務のIT化には3段階ある。
第1段階:広報、考えを伝えるためのIT化。
第2段階:申請データの入力などのIT化。
第3段階:審査結果や事後評価、情報公開などのIT化。
・申請情報のデジタル化作業を省力化したいというニーズがたいへん高いが、もし事前
登録された団体情報DBを活用することができれば、団体情報の入力が削減できる。
例えばCANPANの団体DBでは、団体情報が網羅されている。このDBの精度が
高ければ、活用度が高い。実際、中国ろうきんへは、CANPAN団体情報をCSVで
提供するなど、共有が始まっている。
・NPOにITを使わせることで、NPO側の情報発信の可能性を広げられる側面もある。
ITを使う機会を助成事務局が提供することで、NPOを鍛えることができる。
++++++++++++++++++++++++++++
■意見交換
○共通する事務のアウトソーシングの可能性と方法とは
・労力を削減するためのアウトソーシングのニーズがあるならば、助成機関向けキンコーズ(事務代行業)的な取り組みを福祉施設と連携して取り組むというのも良いのでは?
・例えば障害者の作業所に、募集要項等の印刷、申請受付、申請情報のデータ入力、発送作業、データ管理など、助成に共通する業務の標準化、ノウハウやシステムの開発を行い、複数の助成機関がアウトソーシングするならば、障害者の就労支援にもなる。
・価格や納期にもよるが、文書の管理、印刷、発送は、パッケージ化しやすい。そのアウトソーシングで事務が標準化され、ノウハウ化することも望めるのでは?
・今後大規模な助成機関ができるというよりは、「遺産を寄付に」というような小規模な助成や地域での展開も増えるだろうから、そういう小規模な助成機関の事務代行のサービスもニーズがあると考えられる。
・審査を依頼された際、2週間で450件の案件を確認しないといけない場合もあった。申請書はPDFにしてもらわないと、持ち歩けないし、書き込めない。その上、紙のコストも大変。
・PDF等のデータに書き込んだ審査コメントをエクセルで自動集計できるような機能があれば、後で資料を見直したい場面で非常に便利だ。
・事後フォローをやってくれる機関や、二重登録防止を確認できる組織、信用保証機関のような場があるといい。
○助成プログラムのテーマの最適化も必要
・地域の支援センターが力をつけて、全国レベルの助成財団と組んで助成事業のフォローを担うことが必要。
・助成プログラムの社会への最適化も課題として取り組んで欲しい。今、日本で、どの分野にどんなお金が出ているかを調べる必要がある。
助成する側が単に「出したいから出す」のではなく、「社会で今何が足りないか」を考えてそこへ助成するように働きかけたい。
支援が届かない分野は、社会的にもリスキーだが、同時にぜひ支援してほしい分野でもある。
○テクニカルアシスタンスの必要性 の議論を
・パナソニックのファンドは団体の基盤強化に助成するため、事業全般をとおしてフォローが求められ、外部のテクニカルアシスタンスが必要だが、人材が少ない。
助成機関同士の連携、外部のアドバイスできる人材のデータベースづくり、そういった人を育てる取り組みも必要。
・助成の精度を高め、成果を最大化するために、事前、事後でコンサルする方式がしくみ化されることが重要では。
そこに地域の中間支援センターの参画や、ニーズアセスメント、プロセスデザインができる人材が説明会に同席しているような環境づくりも必要になる。
以上です。
日本財団 システム統括グループ 荻上 健太郎 様
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<業務改革の波が、助成事務効率化につながる>
・現在、社内業務総合システム「システムNIPPON」とネット申請システム、CANPANと助成サイトが連動して稼動している。
・社内業務システム「システムNIPPON」とは
→助成業務をはじめ、出張等の業務を管理する機能も。
→導入の背景には、不祥事発生をきっかけに、組織自身の情報公開ニーズがあった。
→将来的な競艇の売り上げ減少に向け、事務効率化、情報共有、成果向上を
目指そうとしていた。
→世間のIT進化、ネット普及という追い風。
待っていても多数の申請がある現状に、受身でいることによる危機感が内部にあった。
→新しい事業の開発は役員の仕事、一方で事務局の仕事までしてしまう役員もいる、
というこれまでの発想や状況の変革。
役員と事務スタッフの権限の明確化=担当以外の業務をやれないよう事務ルールを構築。
→書類、手続きの簡素化:業務フローの統一、一方通行化を目指した。
それぞれの部署で事務の進め方に違いがあり、当初は大きな反対があった。
<事務の効率化がもたらした成果>
・助成期間内に、以前は27工程あった事務が8工程に削減され、
37種類あった事務書類も14種類に。団体作成書類は、20種類から5種類(標準)に
効率化された。
・現場に出る頻度については、年間の出張件数で見ると、552件(2000年度)が
817件(2007年度)に増加した。
・電子申請システムでは、入力方法が統一化され、入力漏れの確認が自動化されたことで
不備チェックの負担が大幅に減った。
・「CANPAN」は当初、非営利活動向けの無料情報支援として開始したが、
発足2年後の2007年より、助成申請システムとの連動を開始した。
・CANPANを通して、助成事業のプロセスを日本財団のみならず、社会全体に向け
開示することを目指している。
・また、助成担当者がブログで担当事業を紹介しており、多くの授産品情報を網羅する例も。
職員による新規事業開発への効果がまだ少ないことは、今後の課題。
・CANPANでは今後、団体情報登録ユーザーへのカード決済機能のリリースを計画中。
情報開示度★5つの団体の利用を可能にするなど、CANPANとの連携で助成金+αの
支援を行っていきたい。
・中国ろうきんNPO寄付システムにCANPAN団体情報を提供するなど、他の助成機関
との連携も進めているところ。
公益活動を支援するセクターとしての社会的インフラとして、有効活用していただける
システムへの進化させていきたい。 ■質疑応答
Q.(せんだい・みやぎNPOセンターへ)自分が担当する助成プログラムでは審査の
情報は非公開としている。審査の評価を情報開示することを、事務局、審査会は
どう捉えているか。
また、書類作成が得意かどうかということが、評価に影響を及ぼすと考えているが、
筆の巧い人だけが得をしないしくみにしたいと思うが、ポイントは?
A.(審査点数の開示)審査時の点数や基準は、審査基準を開示しておけば意見が出る。
同時に、ご意見をいただくことは、事務局、審査会にとっても勉強になることと捉えている。
審査員の判断も、絶対的に正しいわけではないというスタンスで、意見を受けた場合は
共有し、次回の申し送り事項としている。
(書類作成について)みんみんファンドは、地域の顔の見える関係性の中で申請いただく
というスタンスのため、書類作成についても助言を実施している。
日頃の相談業務でも団体情報データベースは有効活用
している。
Q.(日本財団へ)大きな組織で、事務の効率化に関するシステムの導入や業務改革を
進める上でのポイントは?
A.システムの導入は、当初ボトムアップでの事務改善の提案があり、最終的に業務改革の実行として、トップダウンの指令が出された。
業務改善から業務改革にするには、やはり、トップがゆるぎない意思を示すことが重要。
実際のシステム導入はプロジェクトチームが担当。内部の反発もあったが、スタッフと
コミュニケーションを取りながら乗り越えた。
Q.(日本財団へ)情報開示やブログの使い方について、NPOへの技術サポートは?
A.テクニカルサポート窓口の対応と、助成先訪問の際、個別にレクチャーを実施している。
また単発的な方法だが、各地の中間支援組織と連携してブログ講座を開催している。
一般に、団体ウェブサイトは更新が面倒で情報が古くなってしまっている事が多いが、
ブログは更新も簡単で、小さな団体でもブログの活用で鮮度の高い情報が発信可能。
Q:職員のブログ運営について。検閲はなくて大丈夫か?職員向けの意識づくりのための
研修を実施するのか?
A:検閲や研修はない。日本財団の場合、組織のトップが「ブログを検閲すると意味がない。自由にやっていい。問題が発生したら責任は取る。」と宣言した。
最初は職員も恐る恐る、という雰囲気だったが、「習うより慣れろ」ということで、
自由に取り組む職員をお手本に、それぞれのやり方で運営している。
現在、日本財団の職員がやっているブログは50近くある。
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■グループワーク
テーマ「助成事務の共通点・相違点の共有と、効率化・IT化の進め方」
(1)審査期間が長い(3ヶ月半以上)/短い(3ヶ月半以下)でチーム分け
(2)個別ワーク:各自の助成プログラムについて、募集から評価まで事務プロセスにおいて、「取り組んでいる内容」「課題」「他の機関と連携できそうなこと」を書き出す。
(3)グループワーク
・個別ワークの内容を共有する。
・「よそと違う点、特徴」「課題」「共同で取り組めそうなこと」を発表。
(4)発表
■審査期間が長いグループ
「よそと違う点、特徴」
・内部審査方式では、募集・相談の段階である程度の評価をしている例も。
・事務局はプログラムオフィサー的な役割を果たす。
・件数が少ないので丁寧なフォローをしている。
・中間報告会の場で、取り組み課題を共有し、互いに励ましあう場づくりを設定。
「課題」
・中間報告、最終報告のフィードバックをすべきと思いつつ、取り組めていないことが課題。
・出会いたい、ストライクゾーンの団体と出会うためのマッチング(広報など)の方法に課題。
・東京から地域のよいNPOと顔の見えるお付き合いをするには限界も。
「共同で取り組めそうなこと」
・地域の中間支援組織との戦略的な連携も。そのためには複数の助成機関で連携することも必要。
■審査期間が短いグループ
「よそと違う点、特徴」
・申請を電子データでもらうか紙でもらうか、入力かPDFか、それぞれにメリットもあり、審査方式により適切な運用方法があるのでは。
・事業評価方法として、自己評価シートを設けて団体に記入してもらっている事例があった。評価のノウハウを共有したい。
「課題」
・締め切り間際の申請の集中をどう避けるか。早く申請した団体に早割り的な特典も検討したい。
・助成が終わったあとのフォローアップ、成果の周知をどうしていくか?
・公募の広報が効率悪い。もっと効率よく広報できるとよいのだが。
「共同で取り組めそうなこと」
・一斉配信を請け負う事務サービスがあるといい。
○ワークのまとめに際して(川北よりコメント)
・募集でよりストライクゾーンに近い申請を獲得するためや事業の精度を高めるために時間を割くには、審査や事務にかかる時間を合理的に減らすことも必要。
・事務のIT化には3段階ある。
第1段階:広報、考えを伝えるためのIT化。
第2段階:申請データの入力などのIT化。
第3段階:審査結果や事後評価、情報公開などのIT化。
・申請情報のデジタル化作業を省力化したいというニーズがたいへん高いが、もし事前
登録された団体情報DBを活用することができれば、団体情報の入力が削減できる。
例えばCANPANの団体DBでは、団体情報が網羅されている。このDBの精度が
高ければ、活用度が高い。実際、中国ろうきんへは、CANPAN団体情報をCSVで
提供するなど、共有が始まっている。
・NPOにITを使わせることで、NPO側の情報発信の可能性を広げられる側面もある。
ITを使う機会を助成事務局が提供することで、NPOを鍛えることができる。
++++++++++++++++++++++++++++
■意見交換
○共通する事務のアウトソーシングの可能性と方法とは
・労力を削減するためのアウトソーシングのニーズがあるならば、助成機関向けキンコーズ(事務代行業)的な取り組みを福祉施設と連携して取り組むというのも良いのでは?
・例えば障害者の作業所に、募集要項等の印刷、申請受付、申請情報のデータ入力、発送作業、データ管理など、助成に共通する業務の標準化、ノウハウやシステムの開発を行い、複数の助成機関がアウトソーシングするならば、障害者の就労支援にもなる。
・価格や納期にもよるが、文書の管理、印刷、発送は、パッケージ化しやすい。そのアウトソーシングで事務が標準化され、ノウハウ化することも望めるのでは?
・今後大規模な助成機関ができるというよりは、「遺産を寄付に」というような小規模な助成や地域での展開も増えるだろうから、そういう小規模な助成機関の事務代行のサービスもニーズがあると考えられる。
・審査を依頼された際、2週間で450件の案件を確認しないといけない場合もあった。申請書はPDFにしてもらわないと、持ち歩けないし、書き込めない。その上、紙のコストも大変。
・PDF等のデータに書き込んだ審査コメントをエクセルで自動集計できるような機能があれば、後で資料を見直したい場面で非常に便利だ。
・事後フォローをやってくれる機関や、二重登録防止を確認できる組織、信用保証機関のような場があるといい。
○助成プログラムのテーマの最適化も必要
・地域の支援センターが力をつけて、全国レベルの助成財団と組んで助成事業のフォローを担うことが必要。
・助成プログラムの社会への最適化も課題として取り組んで欲しい。今、日本で、どの分野にどんなお金が出ているかを調べる必要がある。
助成する側が単に「出したいから出す」のではなく、「社会で今何が足りないか」を考えてそこへ助成するように働きかけたい。
支援が届かない分野は、社会的にもリスキーだが、同時にぜひ支援してほしい分野でもある。
○テクニカルアシスタンスの必要性 の議論を
・パナソニックのファンドは団体の基盤強化に助成するため、事業全般をとおしてフォローが求められ、外部のテクニカルアシスタンスが必要だが、人材が少ない。
助成機関同士の連携、外部のアドバイスできる人材のデータベースづくり、そういった人を育てる取り組みも必要。
・助成の精度を高め、成果を最大化するために、事前、事後でコンサルする方式がしくみ化されることが重要では。
そこに地域の中間支援センターの参画や、ニーズアセスメント、プロセスデザインができる人材が説明会に同席しているような環境づくりも必要になる。
以上です。