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【活動報告】 がん薬物療法セミナー [2012年02月03日(Fri)]

がん薬物療法セミナーを企画したのは、
主に調剤薬局の薬剤師さんに、がんのこと、がん治療のこと、
がん治療薬のことを勉強してもらいたいという理由からです。

最近、薬剤師の極端な二極化が進んでいます。
すなわち、一方で病院薬剤師、他方で調剤薬局薬剤師。
それで、癌化学療法は、どんどん外来へ移行しているため
抗がん剤などの点滴を受けた患者さんの制吐剤、抗生物質、
皮膚の保湿剤とかは、調剤薬局での処方となります。

痛み止めのオピオイド、非オピオイドもしかり。
また、経口抗がん剤のTS1,ゼローダ、エンドキサン、
ホルモン剤のタモキシフェン、トレミフェン、アリミデックス、
フェマーラ、エキセメスタン、フルタミド、ビカルタミド、
メドロキシプロゲステロン、エストラサイト、レナデックス、
最近では分子標的薬剤も急速に増えてきて、
イレッサ、タルセバ、タイケルブ、アフィニトール、トーリセル、
グリベック、スプリセル、タシグナ、ネクサバール、
スーテント、サレド、レブラミド、ベサノイド、アムノレイクなども、
調剤薬局で処方しなくてはいけません。

しかし、考えても見てください。
院外処方セン一枚を通じて、
患者さんの病状を把握することができるでしょうか?
場合によっては、診断名もわからず、
どんな治療を受けているかもわからず、
家族が代わりにとりに来たりすれば、
副作用がどんな状態なのかもわからず、
それでも、お大事に―、処方しなくてはならない調剤薬局の薬剤師さんは、
果たして仕事にプライドを持てるものでしょうか?

上記のような癌に関連した薬剤は、院内調剤に戻す、
という退行的解決を検討、という話もありましたが、
私たちは、前進的解決を図るため、
浜松オンコロジーセンター薬剤師部長の
宮本先生を担当理事として
このセミナーを開始したのです。

2011年度のテーマは乳癌で、
1月21日に第四回、緩和医療を取り上げました。

講演は、聖隷浜松病院薬剤部長、
単身赴任中の塩川満先生、
引き続き、6グループに分かれて、
実症例の院外処方センを題材に、
処方内容で不明確、不適切なことはあるか、
オピオイドの副作用として注意することはなにか、
疑義照会をかけるポイントは何か、などを論じ合いました。

最後に浜松医療センター薬剤部の坪井久美先生からの
調剤のポイントをわかりやすく解説がありました。

来年度のテーマは、大腸癌です。

調剤薬局および病院勤務の薬剤師の皆さん、
大腸癌の手術のこと、ストマのこと、術後薬物療法のこと、
いろいろ工夫して、4回のセミナーを企画していきますので、
是非、ご参加くださいませ。