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2008年02月28日

ヘッジファンド(Hedge Fund)について

今回は市場の攪乱要因のひとつとして、必ずしも評判のよくなく、また、実態が把握しにくいヘッジファンドについて勉強したいと思います。

目次

 (1)ヘッジファンドとは
 (2)ヘッジファンドの種類
 (3)ヘッジファンド投資の利点
 (4)ヘッジファンド投資の注意点
 (5)個人投資家に適したヘッジファンド投資 

(1) ヘッジファンドとは

 ヘッジファンドとは買い持ちと売り持ちを同時に行ったり、鞘取り売買を行ったり、割安な証券の売買を手がけたり、オプション取引、債券取引を使って、リスクを抑えた形で、十分に高い利回りを実現することが期待できる投資機会にはいかなる形のものでも投資をするファンドの総称です。
 ほとんどの場合、主要な目的は、損失リスクを抑えて投資資金の保全を第1に考え、どんな市場環境においてもプラスの利回りを実現することです。
 
 特殊な投資技術を使うために、運用の自由度高める必要から解約にある程度の制約を設けるケースが多い(たとえば解約は1ヶ月とか3ヶ月に一回)

 また、運用報酬も高く、預かり運用資産(時価)の年間1%程度の固定管理報酬と20%程度の成功報酬(年1回〜4回)を取るものが一般的です。
 
最低投資単位も大きいので、富裕層や機関投資家が主な投資家です。




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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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2008年05月12日

(2)ヘッジファンドの種類

現在 約1万、資産総額:約1.4兆ドルのヘッジファンドが存在する。
毎年、約20%の増加率を続けている。
投資手法別には現在のところ約13に分けられる。

@ Aggressive Growth(急成長株投資)〜リスク:高
中小企業のように無配か低配当株で、一株利益の急成長が見込まれる会社の株式に投資する一方、利益成長の悪い企業の株式や株価指数を空売りして、リスクヘッジをする投資手法。空売りによる売り持ちより買い持ちに重点投資する場合が多い。

A Distressed Securities(超割安投資)〜リスク:低―中
倒産危機、再編の必要性に迫られている企業の株式、債券、手形に超割安で投資し、実体価値と市場価格との格差から利益を得る手法。

B Emerging Markets(発展途上国投資)〜リスク:非常に高
市場の値動きの激しい発展途上国の株式、債券へ投資する手法。

C Income(インカム投資)〜リスク:低
値上がり収入ではなく、確定利付き証券の利息収入をメインの目的として投資する。
借り入れやデリバティブを使って価格の上昇や利息収入の増大からリターンをアップさせる。

D Macro(マクロ経済投資)〜リスク:非常に高
世界経済の変化からリターンを得ようとする。典型的なものは通貨、株式、債券市場に影響を与える金利動向を動かす国の政策の変化に投資する。
投資対象は必ずしも同時にではないが、株式、債券、通貨、商品あらゆる市場のリターンを高めるために借り入れ、デリバティブを使う。
パフォーマンスにもっともインパクトがあるのは借り入れによる投資額の増大である。 

E Market Neutral-Arbitrage(マーケットニュートラル投資ー鞘取り)〜リスク:低
同じ発行体の異なった証券を組み入れることによって、市場リスクのほとんどをなくすことを目的とする。たとえば転換社債を買いもちする一方、株式を空売りする。また金利リスクをなくすために先物も使う。これによって、株式とも債券とも相関関係をほとんど持たないリターンを得ることのみを追求する。
この範疇のRelative Value Strategies(相対価値投資戦略)と呼ばれるものには確定利付き証券鞘取り取引、抵当証券鞘取り取引、資本構造鞘取り取引、クローズド投信鞘取り取引などがある。

F Market Neutral-Securities Hedging(マーケットニュートラルー証券ヘッジ取引)
〜リスク:低
同じセクターの発行体の株式を同額、買いもちと空売りを行う。市場リスクはほとんどなくなるが、いい結果を出すには効果的な分析と選別が不可欠。借り入れによってリターンの増幅をはかる。
市場との相関関係もほとんどなくなるが、場合によっては市場指数の先物を使い、市場リスクを完全になくす。
ベンチマークは米短期財務省証券のリターンである。

G Market Timing(マーケットタイミング投資)〜リスク:高
ファンドマネージャーの経済、市場見通しに基づいて、資金を各種の資産に配分して運用する。ポートフォリオ配分の重点を大きく動かすことによって常に高い、プラスのリターンを狙う。市場動向は予測が難しく、買いと売りのタイミングも難しいのでリスクは大きくなる。

H Event-Driven(イベントドリブン投資)〜リスク:テーマによる
IPO、予想外の悪い決算発表による突然の株価下落、敵対的買収などのイベントからリターンを生み出そうとする。あらゆる投資手法を使う。

I Multi Strategy(マルチ戦略)〜リスク:手法による
ここにあげたような各種の投資手法を組み合わせて、長期的にも短期的にもリターンをあげようとする。
システム取引、高度な技術を使った投資手法を組み合わせる。
各種の投資手法のウェイトを変化させて、現状の投資環境に合わせる。

J Short Selling(空売り戦略)〜リスク:非常に高
時価よりも安い価格で買い戻せるという分析の基に、空売りする手法。
買いもち方針のポートフォリオのヘッジとして使われることも多い。

K Special Situations〜リスク:中
合併、敵対的買収、企業再編、借り入れによる買収などに際して、買収先の株式を買う一方、同時に買収元の株式を売って、鞘を稼ぐ。
デリバティブを使ってリターンを増幅させたり、金利リスク、市場リスクをなくすことも行う。リターンは市場の動向に左右されない。

L Value(バリュー投資)〜リスク:低〜中
実態価値よりも超格安に放置されている会社の株式に投資する。
実態価値がマーケットに認知され、株価が見直されるまで長期保有、忍耐、強い規律が要求される。
    

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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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2008年06月12日

(3)(4)Hedge Fund投資の利点、注意点

(3)Hedge Fund投資の利点
 
 
 ・ヘッジファンドの多くは株式市場、債券市場の上げ下げに
左右されずに常にプラスのリターンを上げる可能性が高い。

 ・ポートフォリオに組み入れることで、そのポートの
損失リスクを抑えると同時にリターンをあげることができる。
つまり、従来の資産にはなかった分散効果が得られる

 ・かなり多くの種類のヘッジファンドがあるので、投資家は
の選択の余地がひろい。目的にあったものを選べる。

 ・長期投資を目的としているので、売買のタイミングを
  はかる必要はない。



(4)Hedge Fund 投資の注意点

個別のヘッジファンドに投資する場合は以下のような点に
注意しなければならない  


★投資に際しての調査(Due diligence)

【ファンドマネージャーの能力評価(Investment skill)】

1)評判(Reputation)
2)意思決定プロセス(Decision-making Process)
3)ファンドの資産規模と新規資金のファンドへのインパクト

【パフォーマンス( Performance)】

1)資金流出、投資スタイルのブレ

【リスク管理( Risk management )】

1)ロスカット、借り入れについてのガイドラインなど

【運用報酬】

1)フィーとパフォーマンスのコンフリクト

【組織(Organization)】

1)組織変更
 ・キーパーソンリスク
 ・報酬

2)独立性(Independence)
 ・リスク管理部門
 ・計数管理部門(Pricing Department)

3)信頼性(Credibility)
 ・SEC、RSA登録など
 ・信託銀行
 ・監査人
 ・プライムブローカーなど

【サービス(Service)】

1)情報開示(Disclosure)
 ・透明性(Transparency)
 ・必要なら別途覚書を交わす
 ・情報開示の質の高さと頻度
 ・問い合わせへの対応の質と速さ

2)制約条件(Terms and Conditions)
 ・解約条件の適格性(Redemption Cycle)
 ・運用報酬(Fee Structure)


★投資後のフォロー(Monitoring)

【投資リスクのモニター】

1)投資方針と実際との一貫性
  (Consistency between Investment Policy and Practice)

2)リスク指標の変化
 ・ポジション
 ・借り入れ規模
 ・市場感応度(Market Sensitivity),
 ・ネットエクスポージャー(Net Exposure)など

【業務リスクのモニター】

1)組織変更(Organizational Changes)
 ・キーパーソン
 ・従業員数
 ・預かり資産規模
 ・事務処理機関(Administrator)など

【パフォーマンス】

【解約動向(Redemption)】
  
1)理由の確認
 ・投資戦略が市場動向に合致しなかったため
 ・自然解約が予想以上
 ・解約期間が予想より長引いている
 ・キーパーソンの離職
 ・解約条件や運用報酬の変更のため など

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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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