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2007年10月19日

株式の“売り”について

株式の売りは実に難しい。

事実、長年の株式投資で売却において、数多くの間違いを犯してきました。
人間の心理との戦いの要素もあり、完全に間違いをなくすことはできないだろうが、
将来的にすこしでも間違いを減らすことができればとの思いで、
従来、勉強してきた文献を参考に総まとめにしてみました。

株式の売りについて

目次
(1)株式投資は“BUY&HOLD”が基本だが、“BUY&FORGET”ではない
(2)株式を売る8つの理由
(3)「簡単銘柄ガイド」を使った株式の売りに関する分析法

 稲葉 喜一 Y&Yコンサルティング 代表
 http://www.yay.co.jp/index.html
posted by ふくろう at 13:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 株式

(1)株式投資は“BUY&HOLD”が基本だが、“BUY&FORGET”ではない

「株式投資は長期投資が基本である」というのが私の信条であり、それが資産形成の最短の道であると信じています。
つまり、“BUY&HOLD”方針を極力、貫く必要があります。しかし、時間が経つにつれて、当該会社の経営状況も業界も変わるし、政治も経済も変わります。
さらに、購入した時の判断が甘すぎたことがわかってくるかもしれません。

したがって、定期的に分析しなおして、”SELL OR HOLD”の判断をしなければいけません。
つまり“BUY&FORGET”ではいけないということです。
  
”SELL OR HOLD”の判断はむずかしく、正解はないに等しいといえます。
したがって、往々にして間違えます。
賢明な投資家はその間違いから学ぶ。それが大切なことです。

間違いから学んだ人は株式の売りについて、つぎのようなことを言います。

@ 業績がいいのに株価がなかなか上がらないという理由だけで売るな
A 評価損が出たからという理由だけで売るな
B 儲かったからというだけで売るな
C 悪いニュースが出たからという理由だけで売るな
D 持ち続けるのはつまらない、何かしたいということだけで売るな

こういうことは確かに正しいと思いますが、具体的に理解しないと実践的には参考になりません。
そこで、敢えて“株式を売る8つの理由”として体系的にまとめてみました。
次回から2回に分けてそれを勉強しましょう。
 稲葉 喜一 Y&Yコンサルティング 代表
 http://www.yay.co.jp/index.html
posted by ふくろう at 19:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 株式

2007年11月14日

(2)株式を売る8つの理由

@現金が必要
  最も単純な理由だが、最も判断が難しい。
  まず保有ポートフォリオを分析し、業種分散、銘柄別比率でリバランスの必要性があるか
  検討します。
  売却によるリバランスが可能な場合はその銘柄の全部あるいは一部売却を行います。
  ポートフォリオ分析からリバランスの必要性がない場合は、保有銘柄の予想収益(1年
  先程度)による期待収益率を比較して、期待収益率の低いものを売却します。
  (これについての簡単な分析法は後で勉強します)

A 節税対策として売却損出し 
  次の年の譲渡益課税を節税するために、特に年末に考慮する株式売却です。   
  評価損のある銘柄の期待収益率を比較し、低いものから売却します。
  ただし、売却した銘柄がポートフォリオ構成上必要な場合あるいは
  長期的には期待収益が高い場合は早期に買い戻します。 

B 会社のファンダメンタルが悪化 
  ファンダメンタル悪化の兆候が出た場合
  (1)売り上げ、利益の前年同期比減少または成長率の低下
    1四半期だけの数字ではなく、過去1年の移動平均を分析し、
    トレンドとして成長率が落ちてきた場合はその銘柄は売ったほうがいいでしょう。
  (2)プロフィットマージン(売上高経常利益率)の低下
    1四半期だけではなく、トレンドを注意深く、フォローし、
    続く場合は売ったほうがいいでしょう
 (3)長期負債の増加
    借り入れの増加、特に長期借入金が増加した場合は業績悪化の兆候であり、
    その後の推移を注視します。増加が続くようであれば、売りを検討すべきです。 
    (一般に自己資本の33%以上の負債は危険水域です。例外の業種もあるので
     注意が必要です。たとえば電力などの装置業種)
 (4)在庫の増加
    プロフィットマージンとEPSの低下の兆候です。推移を注視する必要があります。
 (5)売り掛け債権の増加
    これもプロフィットマージンとEPSの低下の兆候です。推移を注視する必要があります。
 (6)キャッシュフローの減少あるいは赤字
    現金勘定がある一定期間、減少や赤字の状態が続いた場合は、要注意です。
    キャッシュフローが弱いと倒産の危険すら出てきます。
    マイナスになったら、その会社は売り時です

 次回は(4)から(8)の株式を理由を勉強します。
 稲葉 喜一 Y&Yコンサルティング 代表
 http://www.yay.co.jp/index.html
posted by ふくろう at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 株式

2007年11月27日

(2)株式を売る8つの理由(続き)

C悪影響が出そうな変化が会社に起きた場合
  (1)経営体制の変化
     ・ 突然、財務担当役員(CFO)が辞任したときは要注意です。 
       その後に、財務上、会計上の問題が浮上する可能性があります
     ・ 重要な役員が数人、辞めたときも要注意です。
       内紛の可能性もあるし、欠員を埋めるのに時間もかかります。
  (2)新規参入による競争激化
     値下げを余儀なくされ、プロフィットマージンの悪化、収益の悪化につながる可能性
     があります。
  (3)小売業界などの同一店舗売り上げの減少
     顧客が以前ほどそのブランドの商品を買わなくなっている証拠であり、
     業績悪化の兆候です。   
  (4)プロダクトミックスの悪化
      ・ マージンの低い商品の売上増加
      ・ 商品の特許期間の終了
      ・ 少数の商品への依存
     これらの現象は近い将来、売り上げ、利益の減少につながる可能性が高いので
     売りを考えたほうがいい。
  (5)会計手続き上の問題
      ・ 監査法人の変更
      ・ 監査法人の留保意見
      ・ 当局の検査
      ・ 財務担当役員(CFO)の辞任、更迭
       などが発表された場合は、後日決算に関する問題点が出てくる可能性が高く
       早めに売りを検討すべきです。
  (6)レイティングの格下げ
       利払い等の増加、資金繰りの悪化にもつながる可能性が出てきます。

D 株価の上昇が著しい場合

  (1) 著しく高いPER
      PERが過去5年間の平均PERを著しく、上回っている場合はいずれ
      平均PERに下がる可能性があります。したがって、売りを検討するべきです。
      しかし、分析の結果、PERの水準訂正を正当化する理由が見つかれば、
      売る必要はありません。具体的にはPERが過去5年の平均PERの1.5倍を
      上回れば株価はがりすぎていると考えたほうがいい
  (2) 将来の値上がり期待収益率がMMFや定期預金金利以下になった場合は売りを
      検討したほうがいい
  (3) 株価評価が同一産業の平均や同業他社のそれをはるかに超越している場合は
      それを正当化する理由を調査し、何か投機的な動きがあれば売るべきです。
  
E ポートフォリオ分散が必要な場合
  (1) 当該銘柄のポートフォリオ全体に占める割合が10〜20%以上に増加
      一部売却を検討するか、他の銘柄を買い増す。
  (2) 当該銘柄がポートフォリオ全体の5%以下に低下した場合、売却するか買い増す 
  (3) 当該銘柄が会社の規模、産業、グローバル投資等の観点で分散の意味が
      なくなった場合は売却を検討すべきです。
      
F 買収された場合
     買収元の会社を分析し、自分の基準に合わなければ売却すべきです。
 
G 株価下落が著しい場合
     この場合は、分析するというよりも、心理的な要素が大きい
     人によって異なるかもしれませんが、大体の人は買値から15%
     〜25%株価が下落すると動揺するはずです。
     したがって、15%下がったら要注意銘柄として注視し、さらに
     下がり続けて25%下がったら、見切り売りすることをお勧めします。
     精神的な悪影響を考えるとそのほうがいいのではないでしょうか。
    
次回は簡単銘柄ガイドを使って「株式の売り」のための
分析方法を勉強したいと思います。

 稲葉 喜一 Y&Yコンサルティング 代表
 http://www.yay.co.jp/index.html
posted by ふくろう at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 株式

2007年12月26日

(3)簡単銘柄ガイドを使った株式の売りに関する分析法

(2)の株式の売りを簡便に分析するために、当社のホームページからも入手できる
簡単銘柄ガイドをご紹介します。

この簡単銘柄ガイドは、私が米国のセミナーで勉強したパソコンによる株式投資分析
ソフトのエッセンスのみをエクセルに組み込み、日本語版として作ったものです。

基本的な目的は、第1には
「5年で株価が2倍になるような、経営のしっかりした銘柄をその企業の過去の基本的な
財務データ情報と株価データをもとに見つけることです。」
第2に
「投資したあと、(2)株式の売りの理由で説明したいろいろな事象が出てきたときや決算
発表時にデータを更新し、売りか保有持続かあるいは買い増しかを判断することです。」
  
したがって、株式の買いと売りの両方の場合に使えます。

ステップ1(入力)
自分で入力するのは基本的な業績データのみです。
その会社の中長期の業績動向を実感するためにも自分で入力することを
お勧めします。
(自動入力も可能です。しかしチェックすることが必要です)




(入力項目)
売上高、経常利益、当期利益、配当金、一株当たり利益、高値、安値、現在値、出来高
※株式分割が行われた場合は、それより過去のデータを修正する必要があります。

(自動計算項目)
売上高伸び率、一株当たり利益伸び率、発行済株式数、PER(Max)、PER(Min)、売上高
経常利益率、配当性向、法人税率(概算)


ステップ2(企業価値判断)
ステップ1で入力したデータが全て、自動的にグラフで表示されます。
個人が投資するに値する会社は、売上高、利益、売上高経常利益率のグラフが、
あまりぶれずに右肩上がりで、売上高、利益の伸び率が高ければ高いほどいい。
こういう企業は「企業価値が高い」といえます。
しかし、「企業価値が高い」からといって、すぐ投資してよい訳ではありません。
次のステップ「投資価値判断」をしてからです。


(自動表示グラフ)
★売上高・経常利益の推移      ★売上高・一株当たり利益の伸び率
★配当金・一株当たり利益の推移   (直近1年間、5年間、全期間)
★売上高経常利益率の推移      ★株価高低の推移


ステップ3(投資価値判断)

通常、「企業価値が高い」会社の株価は高いので、ステップ3は投資したあとの株価
下落のリスクを極力抑え、しかも十分な収益があげられる株価水準を判断しようとする
ものです。

投資価値ありの株価水準を判断したら、時価がこの水準にくるまで、忍耐強く待つことが
成功率を高めるコツです。




ステップ4(決算動向)
半期、四半期ごとの決算が発表されたときに、直近の売上高、利益の増減率をチェックし、
企業価値判断や投資価値判断を変更する必要がないかフォローするためのものです。
前項であげた売りの判断をする場合に非常に役に立ちます。



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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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posted by ふくろう at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 株式