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2007年08月04日

上場投資信託(ETF/REIT)について

国際分散投資についてのブログのなかで、ETF(exchange-traded fund)の効用について若干触れましたが、米国、欧州においては記録的な人気を博しております。
日本においても、上場している銘柄数はまだ少ないが、証券会社で扱う海外市場上場のETFを扱う種類も次第に増えてきており、新聞に取り上げられることも多くなり、認知度も上がってきました。

今回は、国際分散投資の続きとして、分散投資に役に立ち、また非常に便利な上場投資信託であるETFとそれに続いてREIT(Real Estate Investment Trust,上場不動産投資信託)についても勉強したいと思います。

以下のような項目を一週毎に順次、提供して行きます。

ETFについて
〔T〕 ETFとは
[U] ETFの種類
[V] ETFの便利な使い方
〔W〕ETF投資の注意点
〔X〕ETFを使った国際分散投資(Global Asset Allocation)

REITについて
〔T〕 REITとは
[U] REIT投資のメリット
[V] 個別REIT投資の注意点
〔W〕推奨できるREITの投資手法

〔T〕ETFとは

ETF(exchange-traded fund)は取引所に上場されたオープン型投資信託である。一般の株式と同じように価格が取引時間中、リアルタイムに刻々変化し、その価格で売買され、決済されます。



従って、個別株式と投資信託の両方の性格を備えており、以下のように、投資家にとって有利な点が多い。






1993年に米国のアメリカン取引所で最初にETFが取引されて以来、
年々急増し、過去5年の間に急速に人気化しました。
2006年末現在で700以上のETFが世界中の取引所に上場されております。
   
国別状況(2006年末現在)
 
    米国      347
    欧州      255
    日本       13 
    カナダ     20
    香港      8
    イスラエル   20 
    韓国      12
    中国       4
    台湾       3
    シンガポール  4
    インド      6
    オーストラリア  4
    ニュージーランド 6

計   713  (出所 モルガンスタンレー)


モルガンスタンレーの統計によれば、2006末には米国だけでも347ETFが上場されており、現在、倍増の340以上が申請中です。驚くべき成長です。
(2007年6月末現在515
世界の投資信託業界にとっては1972年に開発されたマネーマーケットファンド(MMF)以来の成長分野であるといえるでしょう。

日本を始めとしたアジアの取引所には前掲の表のように上場されているETFはまだ数も少なく、投資家の認知度もいまひとつです。
これは取引所の規制が厳しかったり、証券会社が、手数料減少を嫌って、積極的でないなどいろいろな要因が重なっております。

しかし、日本の投資家でも、いくつかの海外上場のETFを日本の証券会社で購入できますし、海外の証券会社やプライベートバンクに口座を開けば、ほとんどのETFが購入できます。






また、今年はアジアの証券取引所でも欧米の証券取引所との提携を通して上場されるETFが急速に増え、人気化することが予想されます。
日本でも証券取引所が年央以降、欧米の証券取引所との提携を通して、数多くのETFを上場する予定です。
上記のような世界各国の数多くのETFを手軽に購入できるのもそう遠い話ではありません。


2007年08月16日

〔U〕ETFの種類、 〔V〕ETFの便利な使い方

[U] ETFの種類

当初は、株式指数のETFが中心であったが、今では株式指数の空売り、
確定利付証券(債券類)、商品(貴金属、鉱産物、農産物)外国為替など多岐にわたっている。
                 
 
・株式指数
   世界市場株価指数
   各国別全体市場株価指数
   発展途上国株価指数
   業種別株価指数
   スタイル別株価指数
   高配当株価指数
   ファンダメンタル株価指数
   株価指数の損益率倍増ETF
   株価指数の逆損益ETF(いわゆる空売りETF) など

 ・債券指数
   長期国債指数
   中期国債指数
   短期国債指数
   民間債券指数
         など
 ・商品指数
   全体商品指数
   貴金属
   原油先物
   各種鉱産物
   各種農産物
         など
 ・外国為替



[V] ETFの便利な使い方

ETFの有利性と、上記のように続々と開発されている豊富な種類を活かして、以下のような便利な使い方ができる。

(1) 高い流動性を活かしたキャッシュマネジメント
   取引所が開いている間はいつでも売買ができるので、いつでも現金に換えられる
   利点を活かして、以下のような用途が可能である。
   ・現金性資金の効率運用   
   ・キャッシュフロー対策

(2) 効率的資産分散
   小額でも多くの資産クラスの指数のポートフォリオができるので、
   以下のような用途が可能となる
   ・低コスト分散
   ・幅広いリスク分散(幅広い国際分散投資)

(3) 戦術的取引
   業種別指数ETF、スタイル別指数ETFを使って、市場動向の変化に合わせて
   タクティカルにウェイト調整をするポートフォリオ運用が数少ない取引で可能となった。
 
(4) マーケットニュートラル戦術
    ・値下がり予想の指数ETFの空売り
     ポートフォリオのヘッジに通常、先物契約やオプションを使うこと考えるが先物や
     オプションには最低単位や期限がある。
     その点、ETFの空売りには最低単位もなければ、期限もない、
     ポートフォリオのヘッジには最適である
    ・業種別指数・スタイル別指数ETFを使ったロング/ショート戦略(値上がり
     予想の業種・スタイルETFを買い持ちする一方、同時に値下がり予想の
     業種・スタイルETFを空売りする)

 (5) 時間稼ぎ
     ポートフォリオ戦略の策定(含むマネージャーサーチ)やポートフォリオ変更
     には時間をかけて、ブランクをETF運用で埋める


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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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2007年08月25日

[W] ETF投資の注意点、[X] ETFを使った国際分散投資

〔W〕 ETF投資の注意点 

(1) 必ずしもコストは安くない場合もあります。

ETFは一般の投資信託よりコストが安いということが、特徴のひとつであるが、ノーロードの投資信託に比べると証券会社の取引手数料がかかるし、買いと売りの差額が大きいETFもあります。
さらに、信託報酬は総じて一般の投資信託より安いが、最近開発されているような発展途上国や複雑なETFについては高く設定されているので注意が必要です。
      
(2) リスクの高いETFも多い

ETFは低コスト、低リスクの商品として投資経験の少ない個人投資家  
に最適であると薦められることが多い。
しかし、最近、開発されている投資対象を絞ったETFはリスクが大き 
く、注意が必要です。

(3) 取引量も残高も少ないETFには注意
    
最近、開発されているETFの中には取引量も少なく、残高も少ない
ものも出てきています。中には早々に上場廃止になるものもあります。
新しく、奇抜なETFにはすぐ飛びつかずに状況を見極める必要です。



〔X〕 ETFを使った国際分散投資(Global Asset Allocation)

以上のような使い方の中でもっとも注目すべきなのは、ETFの利便性と豊富な種類を活かして、個人投資家でもそれぞれのリスク許容度に応じて、幅広い分散投資が可能になったことです。

分散投資の基本はお互いに利回りの相関関係の少ない資産を組み合わせることですが、最近は世界の株式の連動性が顕著になってきているし、債券の利回りが低下しています。
したがって、伝統的な運用手段である株式や債券だけでは高い利回りが期待できない上に、リスクコントロールがむずかしくなっています。

しかし、各種ETFが出現して、個人でも国際的かついろいろな資産への分散投資が可能になり、利回り向上とリスクコントロール(利回りの安定性)がしやすくなりました。

機関投資家の典型的な国際分散投資 

 国内株式:       25%
 外国株式(先進国)  10%
 新興国株式       5% 
 内外債券(先進国)  30%
 不動産         20%
 商品           10%

上記のような幅広い国際分散投資が最大でも7つのETFで組成できます。






今回でETFについての勉強は終了です。次回からREITについて勉強します。
ETFについての質問がございましたら、遠慮なくお寄せください。

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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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2007年09月12日

REIT(上場不動産投資信託)について

                  REIT(上場不動産投資信託)について

昨今、世界的に不動産投資商品としてREITという証券化商品が急成長しています。今後もさらに多くの国が導入を計画しており、ますます広がりを見せるでしょう。
その背景には世界的に見られる次のような要因があります。

1. 世界の投資家は、ここ数年の株式市場の低いリターンに満足していない
2. また、低インフレの中で、債券投資のリターンも低い
3. 人口の高齢化で、年金不足が心配され、それを補う商品が求められる。

〔T〕REITとは  
                      
REIT(Real Estate Investment Trust)とは小口投資家でも各種の不動産に投資できるようにした商品です。

形式には信託型と会社型の二つがありますが、日米とも多くは会社型で上場されています。株式と同じように証券取引所上場され、証券会社を通じて売買が可能です。このほか社債の発行を行うこともあります。このほか銀行など金融機関から融資を受けることもあります。

このようにして証券市場を通じて投資家から集めた資金と銀行など金融機関から借り入れた資金を、オフィスビルを始めとする不動産などに投資し、売買益や賃借料などの収益を投資口を購入した投資家に分配する形態をとります。
信託を導管(SPVと呼ばれる)として二重課税を回避する仕組みをとっています。







われわれ日本人は証券投資よりも不動産投資の方が馴染み深かったです。
しかし、従来の不動産投資にはいろいろ欠点があったが、証券化によるREIT登場のおかげで証券投資と同様に手軽にできるようになりました。





REITは1960年にアメリカ合衆国で、また日本では2001年に導入されました。
日本におけるREIT市場は2001年に2銘柄でスタートし、その後ほぼ順調に拡大し、2007年2月末現在で41銘柄、時価総額は5兆円に達しています。


世界のREIT市場(国別上場数、時価総額)
1.米国            190 47兆3,800億円
2.オーストラリア      67 12兆800億円
3. フランス          29  5兆5,700億円
4. 日本            39  4兆円
5. カナダ           31  2兆8,400億円
6. オランダ          8   2兆6,600億円
7. シンガポール      13  1兆3,100億円
計              377              (2006年9月末)



以上が代表的なREITが上場されている国とその上場数です。世界では450社ほど上場しています。
日本は時価総額の規模で、米国、豪州、フランスに次ぐ規模になっていますが、対GDP比ではシンガポールや香港等よりも依然低い水準にあり、今後も市場拡大の余地は大きいものとみられています。

欧州は出遅れており、2007年に入ってイギリスで解禁となり、このあと、ドイツ・イタリアと続く予定です。
このような海外のREITを利用して、海外の不動産投資も気軽に出来ます。


次回は「REITのメリット」について説明します。


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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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2007年09月27日

[ II ] REIT投資のメリット

〔U〕REIT投資のメリット

   前述した従来の不動産投資に比べた利点のほかに、以下のような
   メリットが挙げられます。

   ●安定した(リスクの小さい)、高い利回りが期待できる。
    投資家への配当は主として不動産からの賃貸収入となるので、
    比較的安定した収入源となります。
    高齢化社会が進む世界において、一つは.退職後の収入源 もう一つは年金に対する
    不安への対策として、REITの持つ魅力は大きい。
    国内のREITであれば、配当利回りは最低2%〜最大5%超、海外のREITならば、 
    もう少し高い利回りが期待できます。





    ●ポートフォリオの分散効果を高める
     REIT の価格は、株式や債券などの伝統的な証券の価格動向との
     相関が低いので、株式、債券とともにポートフォリオに組み入れると
     利回りの安定化に寄与します。
     つまり、ポートフォリオリスクが低下します。





    ●グローバルに分散投資すれば、地域分散の効果が株式や債券に比べて
    大きい    
    世界の株式、債券市場がグローバル化する中で、価格の連動性が高まっており、
    地域別に分散投資しても、分散効果があまり期待できない現象が起きています。 
     しかし、REITの場合は地域間での相関関係が小さいことから、グローバル分散投
    資がより利回りの安定に効果的です。



















次回は、個別REIT投資の注意点及び推奨できるREIT投資手法について説明します。


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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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2007年10月04日

[ III ]個別REIT投資の注意点、[ W ]推奨できるREIT投資方法

〔V〕個別REIT投資の注意点

    a. 経営母体:REITの経営母体は国内の大手不動産会社、外国の不動産会社、
      銀行、生保などいろいろであるが、組み入れる物件の取得能力、チェック体制等
      を考慮して、安定した株主構成が望ましい。

    b. 投資物件の種類:オフィスビル・商業施設・ホテル・マンション物流施設・住宅な
      どREITによって重点投資対象はいろいろであるがやはり安定した賃料収入が得
      られる物件に投資しているREITが望ましい。
      現在は、オフィスビル、商業施設、ホテルと思われます。

    c. 投資地域:現在は東京及び各都市圏が良いと思われます。
 
    d. 借り入れ比率(金利敏感度) :借り入れが無いREITもありますが、基本的に借り
      入れ比率は高い。
      借り入れ比率が高いほど、金利動向に敏感です。
 
    e. 流動性分析:市場で売買できるため、流動性に優れていることが大きなメリット
      のひとつです。中には流動性の低いREITもあるので、日々流動性が高い銘柄を
      選ぶように注意が必要です。

    f. 配当実績: REIT投資の基本は、値上がり期待というよりも分配金(配当)の利
              回りです。
              通常は国債の利回りよりも1%ほど高くないと、投資の意欲がわか
              ないといわれています。
              従って、金利水準が上昇してくると、REIT投資は敬遠されます。
              昨今、日本の国債利回りが2%に近づいてきたために、配当利回り
              が平均で3%を割っているREITが嫌気され売られています。
              このように、REIT投資をする場合は、配当利回りと国債の利回りの
              金利差に注意しなければなりません。


           
〔W〕推奨できるREIT投資手法

   ●個別REIT選別の例
    
     ステップ1:J-REIT 41銘柄
     ステップ2:投資安定度の観点から東京都内投資割合70%以上
            の銘柄に絞ります(20銘柄程度へ)
     ステップ3:運用会社安定度(チェック機能)の観点から一社で
            50%以上の株主先を除きます(10銘柄程度へ)
     ステップ4:流動性の低いものを除きます(6銘柄程度へ)
     ステップ5:最後に配当実績、利回りをチェックし、4〜5銘柄を選定します

   ●ファンド投資

     不動産市場は株式、債券に比べて、各国市場が連動することが少ない。その
     ため、グローバルな地域分散によるリスク分散効果が大きい。従って、グロー
     バルな投資手法を推奨します。
     国内にグローバルREITファンドがあるので、そのファンドを通じて世界のREITへの
     投資が可能です。



以上でETFとREITの勉強を終了します。
次回は「株式の売り」について勉強したいと思います。

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稲葉 喜一  Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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