(1) 必ずしもコストは安くない場合もあります。
ETFは一般の投資信託よりコストが安いということが、特徴のひとつであるが、ノーロードの投資信託に比べると証券会社の取引手数料がかかるし、買いと売りの差額が大きいETFもあります。
さらに、信託報酬は総じて一般の投資信託より安いが、最近開発されているような発展途上国や複雑なETFについては高く設定されているので注意が必要です。
(2) リスクの高いETFも多い
ETFは低コスト、低リスクの商品として投資経験の少ない個人投資家
に最適であると薦められることが多い。
しかし、最近、開発されている投資対象を絞ったETFはリスクが大き
く、注意が必要です。
(3) 取引量も残高も少ないETFには注意
最近、開発されているETFの中には取引量も少なく、残高も少ない
ものも出てきています。中には早々に上場廃止になるものもあります。
新しく、奇抜なETFにはすぐ飛びつかずに状況を見極める必要です。
〔X〕 ETFを使った国際分散投資(Global Asset Allocation)
以上のような使い方の中でもっとも注目すべきなのは、ETFの利便性と豊富な種類を活かして、個人投資家でもそれぞれのリスク許容度に応じて、幅広い分散投資が可能になったことです。
分散投資の基本はお互いに利回りの相関関係の少ない資産を組み合わせることですが、最近は世界の株式の連動性が顕著になってきているし、債券の利回りが低下しています。
したがって、伝統的な運用手段である株式や債券だけでは高い利回りが期待できない上に、リスクコントロールがむずかしくなっています。
しかし、各種ETFが出現して、個人でも国際的かついろいろな資産への分散投資が可能になり、利回り向上とリスクコントロール(利回りの安定性)がしやすくなりました。
機関投資家の典型的な国際分散投資
国内株式: 25%
外国株式(先進国) 10%
新興国株式 5%
内外債券(先進国) 30%
不動産 20%
商品 10%
上記のような幅広い国際分散投資が最大でも7つのETFで組成できます。


今回でETFについての勉強は終了です。次回からREITについて勉強します。
ETFについての質問がございましたら、遠慮なくお寄せください。
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稲葉 喜一 Y&Yコンサルティング 代表
http://www.yay.co.jp/
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