(※2016年5月6日現在、追加事項があります。)年度が変わると共に人事異動や事業内容の変更等がありますので、不登校を考える親と市民の会・沖縄の活動の一つとして、毎年県や那覇市等の行政の公文書を情報公開条例に基づいて開示請求しています。
それ以外にも、不登校のみならず子どもたちの教育に関係する公文書を開示請求する事も状況に合わせて行っています。
昨年、その中の一つに、「平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会」に関する公文書がありました。
この研修会では文科省の国立教育政策研究所職員が講師として招かれ、講演をしています。
テーマが「いじめ」に関する事であったため、どのような内容なのか関心があり、研修会終了後に沖縄県教育庁義務教育課に関連文書を開示請求しました。
しかし、
講演会のレジュメに関しては、私文書であり著作権があるという理由で不開示となりましたので、2015年10月8日、沖縄県教育庁義務教育課に対して異議申立をしました。その後、沖縄県情報公開審査会に諮問され、2016年4月28日に答申が出されました。http://www.pref.okinawa.jp/site/somu/somushi/johocenter/joho-toshin.htmlhttp://www.pref.okinawa.jp/site/somu/somushi/johocenter/documents/tousindai77gou.pdf2016年4月28日沖縄県情報公開審査会答申第77号.pdf・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※ 2016年5月6日現在、答申の内容に誤りがある事を発見しましたので、追加します。
沖縄県情報公開審査会から答申が出て、異議申立人に答申書が郵送で届いたのは2016年4月29日です。
沖縄県のホームページには、2016年4月28日の日付で公開されています。
受け取った答申の結果に目を通した後に、ざっと全体を読みましたが、違和感のある文章でした。
しかし、他に異議申立をしている件の意見書の提出期限が迫っているため、当ブログに詳細を載せた後は、そのままにしていました。
今日5月6日に念のためともう一度答申を読み返してみました。
すると、答申の1ページ目の「実施機関の決定」の記載が事実と違う事を見つけました。
答申には、講師の講演会レジュメは公開されていると書かれてあり、異議申立をした対象文書は「講演会レジュメを除く当日配布資料全て」となっています。
これは明らかな間違いです。
異議申立をした対象文書は、講師が作成した「講演会レジュメ」です。
講師作成の講演会レジュメがどの様な形のものなのか、タイトルがどうなっているのかは、文書自体が不開示になっているため異議申立人にはわかりません。
ですので、明確な文書名を「異議申立書」や「実施機関の理由説明書に対する意見書」の中に書く事はできません。
答申の中にパワーポイントが使用されたとありますが、異議申立人にはその事を知る事はできませんし、何が個人情報に当たるのかもわかりません。
その事を逆手にとって、答申書の中に故意に異議申立の対象文書が「講演会レジュメ」ではないように記載したのだとしたら、沖縄県情報公開審査会はかなり悪質です。
答申は事務方の職員の方が作成しますので、その職員の書き間違いだろうと思われる方もいるかもしれませんが、答申書には沖縄県情報公開審査会の公印が押されており、他の職員も目を通す事になっていますので、責任は審査会にあるものと考えます。
既に沖縄県のホームページには公開されていますので、答申の1ページを読んでその後のページを読み進むと全く違う内容と勘違いされる可能性があります。
公文書が公開されないという事は、いくらでも行政機関の都合のよいようにできるという事例です。
皆様、注意しましょう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
情報公開審査会の答申は裁判の判例のように、今後は全国の情報公開審査会で参考にされ、報道機関にも情報提供されます。
今回は、同日に3件の答申が出ている事や、連休の合間という事もあり、当答申について報道されるかどうかは不明です。
仮に報道されたとしても、沖縄県側が提供する情報では、報道が不十分になる可能性がありますので、当ブログに詳細を載せる事にしました。
沖縄県教育庁義務教育課宛てに出した異議申立書 ↓
2015年10月8日提出 沖縄県義務教育課宛て異議申立書(ブログ掲載用に加工済).pdf(※個人情報に当たる部分、沖縄県教育庁義務教育課担当者氏名、沖縄県総合教育センターで配布された非科学的な内容の文書は、当ブログに掲載するにあたり、黒塗り或は削除する事にしました。
この件の担当者は、既に異動している事と、担当者の方はできる範囲で開示に応じようとされていた事もあり、不開示の決定に関しての責任は無いと判断しています。
沖縄県総合教育センターで配布された非科学的な内容の文書は、当ブログをご覧になられた方が誤解され信じてしまわれないようにするため、当ブログには載せない事にしました。)
その後、
2015年11月30日付で、沖縄県教育庁義務教育課は沖縄県情報公開審査会に諮問し、その際義務教育課が添付した「理由説明書」は次の通りです。 ↓
2015年11月30日沖縄県教育庁義務教育課が審査会に提出した「理由説明書」.pdf「沖縄県教育庁義務教育課が沖縄県情報公開審査会に提出した理由説明書」に対して提出した意見書は次のとおりです。
↓
1、 はじめに
異議申立をした件については、沖縄県教育庁義務教育課が主催した講演会の講師の当日資料が「私文書であるかどうか」という事と「著作権を理由に公開しない事が可能か」という二つの問題があると考えます。
沖縄県教育庁義務教育課の決定に従う事は、憲法違反と言われている法律が成立してしまう日本の現状の中で、公教育に関わる公務員を対象とした講演会の内容を非公開にできるという前例を作ってしまうという事でもあり、それに対して大きな懸念があります。
単に著作権の問題というよりも、著作権というもっともらしい理由をつければ情報が非公開にできてしまうという事実の方が問題だと考えています。
今回対象となる講演会の講師の方や沖縄県教育庁義務教育課の担当者の皆様が日々子どもたちのために誠実に職務を行っておられるだろうという事は充分承知しています。
しかし、国民の知る権利の保障と将来起こりうる可能性への危機感から講演会講師の資料を公文書として開示していただきたいと考えますので、理由説明書に対する意見を提出いたします。
2、 講演会講師資料の公開を求める理由
講演会の講師が私人としての見解を述べるのか、公人としての見解を述べるのか、その両者では聞く側の話の受け取り方はかなり違ってきます。
話を聞く側は、講師のプロフィールからある程度のバイアスを持って話を聞いてしまうものだと考えます。
講師の「肩書きが何であるか」は聞く側の思いに影響を及ぼします。
聞く側に最初から思い込みが発生しないように講師を紹介する時には、私人としての見解なのか公的機関に所属する公人の見解なのかについて説明する必要があると考えます。
しかし、私人なのか公人なのか説明する事はたいてい省略され、主催者が誰なのかという事で講師がどのような立場で話すのかが判断されるのが一般的だと考えます。
私人が話すという前提であれば、「話の内容はあくまでも個人の見解」ですので、信じるも信じないも自由という事が言えます。
それに対して公的機関が主催した講演会の講師の話は主催者である公的機関の意見を代弁しているのだと聞く側がとらえてしまう事があり、正しい情報だと受け取って信じてしまう事が起きます。
ただ、正しい情報だと思われているものの中には、明らかに間違っている情報も含まれている場合もあり、当事者からみれば人権侵害に当たる情報も含まれている場合もあります。
そこで、公的機関が発信する情報が正しいかどうかを確認するためにも、情報が公開される必要があり、「情報公開制度」を活用する事は非常に重要な作業だと考えています。
3、 情報が公開される事によって間違いが判明した事例 沖縄県主催児童虐待防止推進事業
沖縄県主催の児童虐待防止推進事業で行われた講演会が一般にも公開され、当日資料が配布された事により、間違いを指摘する事ができた事例があります。
その講演会での話は虐待防止が主ですが、「発達障害」との関連から児童精神科医が来県し、講師を務められました。
(添付資料1 : 平成25年度 沖縄県主催 児童虐待防止推進事業 事業実績報告書
平成26年2月2日)
「発達障害」と表現する場合、「政策上の発達障害」と「学術分野(医学分野)」の2つが存在します。
(添付資料4 : 文部科学省 特別支援教育について 「発達障害」の用語の使用について
平成19年3月15日)
また、日本はアメリカの診断基準を採用している事が多いのですが、その診断基準であるDSMが改定され現在はDSM-5となり、「発達障害」の診断も大幅な変更がありました。
日本国内の医学分野での「発達障害」については、医師によって異なる診断名がつく事は珍しい事ではなく、さらに「発達障害」の過剰診断が問題となっています。
DSM-5へと診断基準が変わった事でさらに児童精神科分野に混乱が起きているため、何が正しい情報なのかは、簡単に決める事ができないのが現状だと考えます。
(参考文献
・「精神疾患診断のエッセンス―DSM-5の上手な使い方」金剛出版 2014年3月10日発行
アレン・フランセス (著), 大野 裕 (翻訳), 中川 敦夫 (翻訳), 柳沢 圭子 (翻訳)
・第56回日本児童青年精神医学会総会抄録 2015年9月29日〜10月1日)
県主催の講演会でもDSM-5の紹介がされ、最新情報が話された一方で、講師の当日資料の「発達障害はどこまで拡がるのか」という話の中では「文科省調査(2012)通常クラスに6.5%」と紹介されました。
政策上の「発達障害」を採用している文科省の調査結果を学術分野の「発達障害」の数字と合算することにより、「発達障害はこんなに多い」という印象を与える表現です。
(添付資料2 : 平成25年度児童虐待防止推進事業 講演会
「子ども虐待から生じる発達上の障害〜その理解と対応〜」当日配布資料より抜粋)
文科省の調査は教職員が回答しているもので医師の診断による回答ではありません。
(添付資料5 :「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする
児童生徒に関する調査結果について」平成24年12月5日文部科学省)
沖縄県主催の講演会で個人的見解が話されたとしても、参加者(児童福祉行政関係者、教育委員会、学校教職員、各種相談員、一般)にとって、個人的見解が話されたと認識できるでしょうか。
「発達障害」の過剰診断の陰には、教育現場や児童福祉現場で職員・相談員等による安易な決めつけがあり、その根拠に文科省の発達障害6.5%が使われています。
医学分野の「発達障害」の数字と政策上の発達障害の数字を混同しないように正確な情報の収集と共有が必要です。
この講演会の開催後に情報の誤りを指摘できたのは、当日資料が配布され、文書でも確認ができたからです。
もちろん、後日情報公開制度を利用して開示請求した時にも講師の資料は開示されました。
医学分野では、日々研究が進歩しています。
今この時間にも新しい説が生まれているかもしれませんし、これまで信じられてきた話が間違いだったという結果が出ているかもしれません。
日々情報が変化している中で、個人の見解だからと著作権を理由に講演会内容を非公開にする事は、学術分野の発展や正確な情報伝達を阻害することにもつながります。
分かっている事や考えている事を公開し、さらに意見を得る事で研究が進歩していきます。
専門的な内容になればなるほど、事後の検証は欠かせません。
この検証を妨げるために、著作権という理由をつけて講師資料を非公開にしているのではないかと受け取られても仕方がないと考えます。
4、 公的機関が公務員を対象にした講演会で、講師である文科省国立教育政策研究所職員が著作権を主張して私文書を配布する事は可能か?
私人が個人として講演会で話し、私文書を配布したという主張ですが、公務中の公務員を集めた講演会に私人を呼んで個人の見解を聞く必要がそもそもあるのでしょうか。
参加した生徒指導主事や各教育事務所職員の方々は、学校や教育事務所に帰って「今日は私人の話を聞いて私文書をもらったから、同僚である他の公務員に内容を知らせる事はできない」と言えるでしょうか。
公務として職場を離れ、沖縄県教育委員会主催の研修会に参加するのであれば、当然職場に帰ってから、研修会・講演会で得た情報を職場の職員と共有します。
参加者の中に「今日の講師の話は私人として個人の見解を述べている」と意識して聞いていた人が果たしているでしょうか。
(添付資料9 : 平成27年度第1回小中生徒指導主事研修会参加者アンケート個票より抜粋 20/76
添付資料10 : 「平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会の開催について(通知)」
那教第10618号 平成27年3月24日 沖縄県教育庁那覇教育事務所
添付資料11 : 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会 要項・説明資料
平成27年4月20日 沖縄県教育庁那覇教育事務所
添付資料12 : 平成27年度 第1回生徒指導主事等研修会 教育相談 資料 那覇教育事務所
添付資料13 : 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会開催要項 平成27年4月20日
添付資料14 : 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会 講師プロフィール
文部科学省 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター
生徒指導リーフより抜粋
添付資料15 : 平成27年度那覇地区小中学校生徒指導主事名簿 出欠表)
沖縄県教育庁義務教育課は、講師依頼をする際に「私人」として依頼していたのでしょうか。
講演会で私文書を配布する事を沖縄県教育庁義務教育課は同意していたのでしょうか。
文科省国立教育政策研究所職員が、私人としての研究成果を述べているから私文書であると主張するならば、それにも同意できません。
文科省国立教育政策研究所職員だからこそ、全国各地の情報を得る事が可能であると推測できます。
したがって、単なる個人として情報収集した結果を講演会で紹介したとは考えにくく、国研職員という立場で情報収集し、その情報をもとに研究しているのであれば、その研究成果は、幅広く共有されるべきものだと考えます。
研究内容そのものには著作権があり、その利用方法については制限があって当然だとは考えますが、著作権を理由にして非公開にする必要があるのかについては、疑問です。
今回の件は、公務員を対象に行った講演会であり、最終的には子どもたちの教育に大きくかかわるものだと考えますので、著作権を理由とした非公開の決定には同意できません。
5、著作物の取り扱いに慎重になる理由。沖縄県不登校対策リーフレットへの引用。
沖縄県教育庁県立学校教育課は、県立高校の不登校対策としてリーフレットを作成しました。
(添付資料7 : 不登校対策リーフレット 「不登校への初期対応、未然防止―高等学校に
おける取組―」平成25年12月24日 沖縄県教育庁県立学校教育課)
これは、平成24年6月に国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センターが作成した「不登校・長期欠席を減らそうとしている教育委員会に役立つ施策に関するQ&A」をもとに作られたとの事です。
(添付資料8 :「不登校・長期欠席を減らそうとしている教育委員会に役立つ施策に関するQ&A」
平成24年6月 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター
添付資料6 : 平成26年第1回沖縄県教育委員会会議報告事項(1) 「不登校対策リーフレット」
県立学校教育課)
県立学校教育課が作成したリーフレットの中には、国立教育政策研究所が作成した「不登校・長期欠席を減らそうとしている教育委員会に役立つ施策に関するQ&A」で使われている表や図などの画像がそのままコピーされて使われていますが、説明文等は変えられているなど、引用とは言えないものになっていると考えます。
引用元の国立教育政策研究所の許可を取って作成していないことは、担当職員の説明から判明しています。
許可をとっていないだけではなく、内容も変えていることから、これは明らかな著作権侵害だと考えられます。
この事例から国立教育政策研究所職員が沖縄県教育庁に対して著作物の取り扱いに慎重に対応するようになったのではないかと推測できます。
著作権や著作物の取り扱いについては、慎重になるべき問題だと考えます。
その上で、著作権と情報公開のどちらが優先される問題なのか、公的機関での取り扱いについて考える必要があります。
6、 著作権法での扱いについて
著作権について、著作物がすでに公表されているものかどうかで扱いが変わってきます。
すでにどこかで公開されている場合は、どこで公開されて誰が著作権を持っているのかが明らかになっているので、公開されている場所をしめせばよいのだと考えます。
公開されていないもので、地方公共団体主催の講演会で使用した場合、著作権法第18条第3項第3号には次のように書いてあります。
第十八条
3 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものとみなす。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
三 その著作物でまだ公表されていないものを地方公共団体又は地方独立行政法人に提供した場合(開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 情報公開条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)の規定により当該地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。」と書いてありますが、沖縄県教育庁義務教育課が主張する「特段の意思表示」とはこの「別段の意思表示」の事でしょうか。
講演会の講師がなんらかの意図をもって資料の非公開を望むのであれば、一般市民が理解できるような説明をしていただきたいと考えます。
公的機関の主催で行われ参加者が公務中の公務員である講演会で配布された文書を公文書扱いではなく私文書として扱い、著作権を譲渡していないというのであれば、非公開にする理由としては説明不足です。
7、 講演会の講師資料が公文書か私文書か判断ができないという事について
公的機関主催の研修会とセットで行われた講演会の参加者に対して、公文書か私文書かが不明な文書を配布する事が適当かどうかという問題があります。
公的な場で私人を呼んで話させ私文書を配布し、その内容を非公開にできるのであれば、情報公開の意義は失われ、民主的な教育行政の運営が難しくなるのではないかと考えます。
8、 講師自身が著作権を理由に講師資料を非公開にすることを主張していることについて
日本はかつて戦争をするために「学校」という場で、子どもたちに「国のために命を捧げる事が素晴らしい」と教え、軍国少年少女を作った歴史があります。
その過去の経験から、戦後の日本では教育現場に政治が介入できないように制度を作ってきたと認識しています。
誰が政権をとったとしても、「学校教育」に大きな影響が与えられないという前提のもとでは、教育委員会主催又は教育委員会の委託事業で行われる講演会の講師が著作権を理由に講師資料を非公開にする事はあってもいいのかもしれません。
しかし、特定秘密保護法や憲法違反だと言われている安保法が成立している現在の国の状況を考えると、教育現場で話されている内容が講師の著作権を理由に非公開にすることができるのであれば、国民に知られずに国にとって都合のよい教育が行われる可能性があると考えます。
今回の講演会の講師の所属は文科省国立教育政策研究所です。
地方自治体の教育委員会は文科省からの予算配分によって多くの事業を行っていると考えられるので、現実問題として地方自治体は文科省と対等な関係とは言えません。
文科省国立教育政策研究所職員が著作権を理由に講演会の資料を非公開にするように言えば、地方自治体の教育委員会は逆らう事はできないと考えられます。
講演会の内容が個人的なもので、当日配布される資料が私文書であることをあらかじめ説明し、参加対象となっている生徒指導主事や各教育事務所職員に対して「参加は任意であり、公の場ではない。」と明らかにしているのであれば、講師が何を話そうと自由であり、講師の当日配布資料について情報公開制度を使って開示請求することはしません。
話す側も聞く側にも思想・信条の自由があり、それをチェックする必要はないからです。
しかし、今回の講演会は公的機関である沖縄県教育庁が公務中の公務員である教職員を集めた研修会とセットになっている講演会であることから、職務命令にも近いものでほぼ強制的に集められた中で行われたと考えるのが自然です。
講演会講師資料が非公開にされた事も、そして文科省国立教育政策研究所職員の主張をそのまま受け入れた沖縄県教育庁の対応そのものについても、これらがまかり通るのであれば国にとって都合の良い人間を作るための教育を行うため、現場の教職員を作り替える事も可能になるのではないかと考えます。
単なる講演会講師資料の非公開という話ではなく、今後の学校教育に大きな影響を与える前例になってしまうため、講演会講師資料を公文書として認め速やかに公開していただきたいと考えます。
9、 情報公開と著作権はどちらが優先されるかについて
情報公開・国民の知る権利を最大限保障し、今後起こりうることを想定しながら考えていく必要があると考えます。
著作権を理由にして公文書を私文書扱いにする事が可能で公開しなくてもいいという前例ができてしまえば、今後国民に知られずに子どももたちの教育に関わる人たちを研修する事が可能になります。
政府が憲法の解釈を都合よく変えて法律をいくらでも作る事ができるかのような現在の日本の状況の中で、一般市民の知らないところで子どもたちの教育内容が変えられていく可能性はゼロではないと考えます。
だからこそ、いつでも一般市民が公教育の内容をチェックできるように教職員の研修・講演会内容等が公開される事が必要であり、その仕組みを保っていくことが重要だと考えます。
以上が沖縄県教育庁義務教育課の公文書不存在による不開示決定に係る「理由説明書」に対する私の意見です。
<添付資料>
添付資料1 : 平成25年度沖縄県主催児童虐待防止推進事業 事業実績報告書 平成26年2月2日
(添付資料1 平成25年度沖縄県主催児童虐待防止推進事業 事業実績報告書 平成26年2月2日.pdf)
添付資料2 : 平成25年度児童虐待防止推進事業 講演会
「子ども虐待から生じる発達上の障害〜その理解と対応〜」当日配布資料より抜粋
(添付資料2 平成25年度児童虐待防止推進事業 講演会 当日配布資料より抜粋.pdf)
添付資料3 : 文部科学省 特別支援教育について 1、はじめに
(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/001.htm
添付資料3 文部科学省 特別支援教育について 1、はじめに.pdf)
添付資料4 : 文部科学省 特別支援教育について 「発達障害」の用語の使用について
平成19年3月15日
(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/002.htm
添付資料4 文部科学省 特別支援教育について 「発達障害」の用語の使用について.pdf)
添付資料5 :「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする
児童生徒に関する調査結果について」平成24年12月5日文部科学省より抜粋
(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1328729.htm
添付資料5 発達障害調査結果 平成24年12月5日 文科省.pdf)
添付資料6 : 平成26年第1回沖縄県教育委員会会議報告事項(1)
「不登校対策リーフレット」県立学校教育課
(添付資料6 平成26年第1回沖縄県教育委員会会議報告事項(1) .pdf)
添付資料7 : 不登校対策リーフレット 「不登校への初期対応、未然防止―高等学校における
取組―」平成25年12月24日 沖縄県教育庁県立学校教育課
(添付資料7 不登校対策リーフレット 沖縄県教育庁県立学校教育課.pdf)
添付資料8 :「不登校・長期欠席を減らそうとしている教育委員会に役立つ施策に関するQ&A」
平成24年6月 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター
(添付資料8 不登校・長期欠席Q&A 平成24年6月国立教育政策研究所.pdf)
添付資料9 : 平成27年度第1回小中生徒指導主事研修会
参加者アンケート個票より抜粋 20/76
添付資料10 : 「平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会の開催について(通知)」
那教第10618号 平成27年3月24日 沖縄県教育庁那覇教育事務所
(添付資料10 那教第10618号 平成27年3月24日 沖縄県教育庁那覇教育事務所.pdf)
添付資料11 : 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会要項・説明資料
平成27年4月20日 沖縄県教育庁那覇教育事務所
(添付資料11 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会要項・説明資料.pdf)
添付資料12 : 平成27年度 第1回生徒指導主事等研修会 教育相談 資料 那覇教育事務所
添付資料13 : 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会開催要項 平成27年4月20日
(添付資料13 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会開催要項.pdf)
添付資料14 : 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会 講師プロフィール
文部科学省 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター
生徒指導リーフより抜粋
(添付資料14 平成27年度第1回小中生徒指導主事等研修会 講師プロフィール.pdf)
添付資料15 : 平成27年度那覇地区小中学校生徒指導主事名簿 出欠表
添付資料16 : 教義第770号「公文書開示決定通知書」平成27年9月4日
(異議申立書に添付した文書と同じ)
添付資料17 : 国立教育政策研究所長宛て 平成27年度沖縄県生徒指導主事等研修会の
講師派遣について(依頼) 教義第2462号 平成27年3月31日 沖縄県教育委員会
(異議申立書に添付した文書と同じ)
添付資料18 : 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター総括研究官
滝充様宛て
平成27年度沖縄県生徒指導主事等研修会講師派遣について(依頼) 教義第2462号
平成27年3月31日 沖縄県教育委員会
(異議申立書に添付した文書と同じ)
添付資料19 : 沖縄県教育委員会教育長宛て 講師の派遣について(回答)
27教研指導第1号 平成27年4月6日 国立教育政策研究所長
(異議申立書に添付した文書と同じ)
添付資料20 : 教義第771号「公文書部分開示決定通知書」平成27年9月4日
添付資料21 : 旅費精算請求書 国立教育政策研究所 滝充
(異議申立書に添付した文書と同じ)
添付資料22 : 費用弁償 支給内訳書 国立教育政策研究所 滝充
(異議申立書に添付した文書と同じ)
添付資料23 : 支出負担行為兼支出調書 債権者 滝充 執行課 那覇教育事務所
(異議申立書に添付した文書と同じ)
添付資料24: 控除内訳書 所得税
(異議申立書に添付した文書と同じ)
<参考文献>
・「精神疾患診断のエッセンス―DSM-5の上手な使い方」
金剛出版 2014年3月10日発行
アレン・フランセス (著), 大野 裕 (翻訳), 中川 敦夫 (翻訳), 柳沢 圭子 (翻訳)
・第56回日本児童青年精神医学会総会抄録 2015年9月29日〜10月1日
・「検証・安保法案 -- どこが憲法違反か」長谷部 恭男 (編集)
有斐閣 2015年8月22日発行
<資料提供>
・平成27年度第1回小中生徒指導主事研修会 参加者アンケート個票 全76枚以上です。
そして、最初にお伝えしたように、2016年4月28日に沖縄県情報公開審査会から答申が出ました。
この答申の内容については、複雑な話をしているわけではなく、当然の判断であるという印象です。
いろいろ説明しなくても、沖縄県主催で教職員対象の講演会なのだから、講演会レジュメは公文書であり、著作権を主張するのは無理があると思うのですが、この件について沖縄県情報公開審査会は5回も審議を続けました。
情報公開審査会は、皆さんの税金で運営されています。
文科省や教育委員会が黒を白と言えば、白として通るという事が起きていて、それに多くの人が「おかしい」と言えないという状態が現実に起きています。
この事実から、多くの保護者や市民は学んでいく必要があると思います。
さて、この答申を受けて沖縄県教育庁義務教育課がどの様な判断をするのかは、また別の話です。
日頃から子どもたちの問題行動を必要以上にアピールし、規範意識を持てとか言っている文科省や教育委員会が、公文書を私文書だと言ったり、著作権法を都合よく解釈している所を見ると、説得力が無いばかりか、今後も子どもたちからますます信頼されないと思います。
「人の振り見て我が振り直せ」という言葉があります。
文科省や教育委員会がどんなにおかしい事をしても、自分はどうなのかを考える、そして、目の前の子どもたちの事を信じてみる事から始めてみませんか?
これからは、いかに情報を的確に得て、間違った情報に振り回されないようしていくかという事が重要な時代だと思います。