西原町個人情報審査会答申に関係して、新聞報道で追加の記事が出ています。
問題となっている指導支援カルテの存在を世間一般に知らせ、問題提起をしているというところまではいいのですが、なんだか本題からずれているような感じになっています。
そもそも指導支援カルテを沖縄県教育庁義務教育課が作ることになったのは、文科省の提案でした。
でも、今の文科省の中にその当時のことを知っている人はいないのではないでしょうか。
カルテは必要だとか、残したいとか県教育庁側としては当然そう思うでしょう。
「指導支援カルテが必要だ」という根拠として、県内の非行児童生徒のサインをキャッチする必要があるという話があります。
そう言われたら、多くの人が「それは必要だ」と思うでしょう。
なぜなら、非行に走っている子どもたちが何をするかわからない恐怖を持っているから。
でも、冷静に考えてみてください。
本当に非行傾向と言われている子どもたちが重大事件をしょっちゅう起こしているのかどうか。
まず「非行」というのはどういう定義がされているのか。
新聞の中でも学校の先生や教育委員会の人たちが話している中でも明確に「これが非行です」と言っているでしょうか。
それぞれがそれぞれのイメージで話していませんか?
実態がどうかはわからないまま、先生たちの主観で「非行」とレッテルを貼られ、「沖縄は非行の児童生徒が多い」という結論が導き出されるのではないでしょうか。
毎年8月に学校基本調査の速報がでます。
その時になぜかセットにされて県内の非行傾向の不登校が増えているとかどうとか言われていませんか?
学校基本調査の調査項目の中に年間30日以上の長期欠席者の内訳で不登校をカウントすることはあっても不登校を非行かどうかカウントする項目はありません。
何を根拠に非行傾向の不登校が増えていると言っているのかというと、どうやら「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」のようです。
学校基本調査も学校の校長先生の指導のもと先生たちが記入するものなので、学校側の一方的な考えで記入されます。
学校基本調査については文部科学省のホームページでも項目や記入方法などが公開されています。
しかし、この「問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」は公開されているでしょうか?
このような調査があることをご存知でしたでしょうか?
この調査も学校の先生が記入するものです。
この調査では、具体的な事例も書き込むようになっていますので、非開示情報となっています。
沖縄県義務教育課の担当の方に「見せてください」と言ったらA4の用紙1枚のものが出てきました。
↓
※ 不登校に関する研究や支援するお立場の方へお願い
この調査結果のまとめを引用する場合は、この調査が学校の先生が記入するものであり、実態を正確に把握しているものではないことを考慮してください。
その中に、次のような記述があります。
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(3)公立中学校の状況
@「あそび・非行」の不登校・・・H19:486人(36.5%) ※H18から複数回答
※(H17まで単数回答)
H18:506人(39.1%)←H17:408人(32.8%)←H16:395人(34.9%)
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平成17年度までは、「この子は非行かなあ〜?それとも無気力かなあ〜?それとも・・・」と悩んで一つの項目を選んでいたのが、平成18年度から複数回答が可能になったので、迷わず「この子は非行と○○」と2つ選ぶことができるようになりました。
沖縄の学校の先生たちが、不登校は非行と短絡的に結びつける傾向があれば当然「非行」の項目に○をつけるでしょうから、必然的に複数回答になったら「非行」が多くなる。
単数回答から複数回答にすれば、当然数字が高くなりますよね。
でも、県教育庁がマスメディアの方に説明する時に、このことを伝えていますか?
単数回答と複数回答という調査内容に違いがあれば、単純に比較はできませんよね。
でも、調査内容が変更になったことを知らされなければ、マスメディアの方たちは県教育庁の発表を鵜呑みにして報道してしまいます。
知らせていないのは、意図的?
それとも知らせたけどマスメディアが無視した?
そうではなくて、とにかく沖縄は非行傾向の子どもたちが多いことを強調したい?
いずれにしても、情報の発信元はどこで、その情報は確かに伝わっているのか、報道の段階で正確な情報かどうか、情報を受け取る側がどう判断するかその責任も大きいと思います。