「中学校夜間学級の設置促進に向けた実態把握のための「夜間中学に関するアンケート」の実施について」、前回のブログ記事で紹介しました。
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https://blog.canpan.info/futoukou-oki/archive/488前回のブログ記事を読まれた方は、肝心のアンケート用紙の内容が載っていない事にお気づきでしょうか。
この「夜間中学に関するアンケート」は、政府のパブリックコメントでもなく、インターネットやFAX・電話で回答する事ができない調査になっていますので、インターネット上に回答用紙が存在しないのです。
そこで、沖縄県内でこのアンケート用紙が設置されている所に探しに行ってきました。
沖縄県庁1階はこんな感じで設置されていました。
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那覇市教育委員会の設置状況は次の通りです。
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では、実際のアンケート用紙はどうなっているでしょうか。
実際のアンケート用紙は葉書きになっています。
(画像の上をクリックまたはタップすると、画像が大きくなります。)
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(PDFデータはこちら↓)
文科省「夜間中学に関するアンケート」葉書き表2017年3月.pdf(PDFデータはこちら↓)
文科省「夜間中学に関するアンケート」葉書き裏2017年3月.pdfこのアンケートについて、興味深い記述を見つけました。
それは、「全国夜間中学校研究会」のホームページにある「お知らせコーナー」の次の記述です。
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http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.htmlNo046
埼玉県でも夜間中学ニーズ調査がはじまりました。3月24日までの調査と
なっています。埼玉在住でなくとも、アンケートに答えることができます。
用紙は埼玉県の市役所や関連施設にあるようです。用紙が見つからない方は
〇〇(090-〇〇〇〇-〇〇〇〇)までご連絡ください。
文科省に聞いたところ、ニーズ調査は5か所、埼玉、宮城、愛知、福岡、沖縄で
同時に行われているようです。この調査を受託したサーベイリサーチセンターには
あと、600部用紙があると聞きましたので、100部くらいの単位で送付していた
だこうと考えています。必要な方は私の方へ返信メールを早急に送ってください。
ニーズがあるかないかは夜間中学開設にとって重要な一歩になります。ぜひ
アンケートに答え、設置の必要性を訴えてください。
(※ 文中の〇〇の所には個人名と電話番号の記載があるため、当会の判断で消しています。)
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沖縄県教育委員会は公式ホームページで「夜間中学に関するアンケート」について紹介していますが、那覇市教育委員会の公式ホームページでは見つける事ができませんでした。
沖縄県教育委員会や那覇市教育委員会が「夜間中学」の設置に消極的に見えたとしても、それは沖縄県内の教育委員会が「夜間中学」を沖縄県の実情に合わないものだと判断しているのではないかと推測されますが、実際のところはわかりません。
夜間中学が必要な地域もあるでしょうが、公共交通機関がバスと超短い区間のモノレールしかない沖縄本島の交通事情や多くの離島を抱える沖縄県で、1校だけ公立夜間中学を作ってもあまり意味がありません。
公立夜間中学を作る事で、教育委員会の負担が増え、実際通う事になった利用者の方の家族の負担が増えて、その負担分を文科省が資金援助してくれるのだろうかという疑問があります。
何より、誰が夜間中学設置を望んでいるのか?
「夜間中学に関するアンケート」は誰でも回答可能としておきながら、実際はインターネットやFAXは使えず、アンケート用紙の葉書きを手にする事ができる人だけが回答可能です。
非常にレアなアンケート用紙の葉書きを手にする事ができるのは、よっぽど夜間中学に関心を持っている人だけになり、そのような強い関心を持っている人たちが回答すれば、当然「設置を望む」声が多くなります。
このアンケートは、夜間中学設置ありきの、「設置のニーズがありました」を作りたいための後付けデータに利用されるのではないかと思うのですが、皆様はどのように受け止められたでしょうか。
ちなみに、全国夜間中学校研究会のホームページに興味深い記述が載っています。
http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/default.html
http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/houan.html参考資料として「2014年7/31文部科学省 要望書回答と話し合い」というものが載っています。
この話し合いの中に、夜間中学が不登校・ひきこもり対策として活用できるという内容が出ています。
この資料は、PDF形式で載せられておらず、文字をコピーする事もできないようになっています。
通常、多くの人に知らせたい・利用してもらいたいと思えば、データのコピーや印刷が簡単にできるようにすると思うのですが、この資料は簡単にコピーができないようになっています。
うがった見方をすれば、あまり多くの人に見せたくないという気持ちの現れなのか?と思うような感じです。
でも、ホームページに公開しているので、印刷は可能です。
印刷したものをPDFデータにしたものはこちら
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2014年度全国夜間中学校研究会要望書 2013年12月7日.pdfhttp://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/youbou.html「2014年7/31文部科学省 要望書回答と話し合い」の画像
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http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/houan.html#a1印刷したものをPDFデータにしたものはこちら
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7月31日(木)文科省要望書回答と話し合い 全国夜間中学校研究会.pdfいや、もう、全国夜間中学校研究会と文科省とは、「不登校対策としての夜間中学」設置で意見が一致しているじゃありませんか。
「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(略称:教育機会確保法)」を国会で通すまでの過程で、フリースクール議員連盟と夜間中核議員連盟が一緒になって法律成立推進をしたのは、夜間中学も不登校対策だったからですね。
「不登校」を問題と思っていない人は「不登校対策」なんて言葉は使いません。
「不登校は問題」だと思っているからこそ、「対策」という言葉が出てくるのです。
「ひきこもり」も同様です。
問題だと思っているから、どう対策するのかという話になるわけです。
これは、一人ひとりを尊重するとか、命を守るという話とはかけ離れた話になってしまいます。
なぜ全国一律に一つの県に一つ以上の夜間中学を作らなければいけないのかという疑問がどうしても消えません。
本当に夜間中学は、一律に一つの県に1つ以上作らなければいけないものですか?
今回の「夜間中学に関するアンケート」の中には、かろうじて1問目に「あなたは、夜間中学がお住まいの都道府県内にあったらよいと思いますか。」という項目があり、回答のなかに「3、なくてよい」と答える選択肢があります。
(「なくてよい」が3番目に来ているところがみそです。人は最初にある項目に〇を付けやすいものですから。)
他の設問を見ると夜間中学設置ありきの質問ばかりです。
しかし、「夜間中学はなくてよい」に〇を付けて葉書きを出すという事も、これまた正確なニーズを把握する上で重要だと思います。
「夜間中学は必要ない」と思う方は、ぜひ「必要ない」という意思表示をされてみてはいかがでしょうか。
くれぐれも誤解の無いようにお伝えしますが、教育を受ける場や機会の選択肢の一つとして夜間中学がある事を否定しているわけではありません。
不登校をしているからといって、文字が書けないわけはなく、むしろ家庭で様々な方法で学ぶことができますので、学校に行っている子どもたちと比べて学力的に劣っているわけではありません。
小学校・中学校の進級・卒業については日数の規定はなく、出席日数に関係なく、進級・卒業できる事が常識となっています。
それは、義務教育期間修了後の進路に不利にならないように配慮するためです。
そのような状態で、不登校を義務教育未修了とみなす事に違和感があり、おかしなことだと思います。
夜間中学が年齢・国籍等様々な背景を持っている方々のニーズや学びの欲求にきめ細かく対応できるのであればいいですが、教育の質や環境面の充実には多額な予算が必要になってきます。
そのような充分な予算が、今の政府の元で配分されるか非常に疑問です。
以上の事から、夜間中学設置について、綺麗な言葉やもっともらしい言葉を使って、中途半端なもの・必要かどうかわからないものに税金が使われようとしているのではないかという懸念があります。
不登校をしている子どもたちを更に追い詰める不登校対策であれば、なおさら「夜間中学」は要りません。