今回のルートの道では想定を越えた壮絶なドラマが二つあったと思っている。
一つ目は稲葉根王子手前の下り坂。写真ではその凄さが伝わらないから却下してたのだが、ここは本当に熊野古道か!?と言うような道だった。弥山の道を思い出したくらい急な下り坂。まあ当時はもっと違う道の作りをしてたはずだと思うのだが。
さて、壮絶なドラマパート2が迫ってきた。
先の危険な入り口を雨の中軽やかに入って行くと道の雰囲気は急転した。
写真ではその危険さがわからないな。あまりの危ないところでは写真撮ってる場合ではなかったし。
伊勢から弥山も含めて道として一番の恐怖を感じた場面だった。
もし、まりちゃんとでも歩いていたら引き返していたかも。
道の下はほぼ垂直に落ちる崖。その下は富田川。そして雨。そしていやになるぐらい滑るウバメガシの落葉のじゅうたん。そして一人だと言う事……。
この条件…、これはかなりヤバイと。怖さがわからなければ普通の登山道。臆病な私には身の毛も凍るほどの危険を感じていた。
般若心経を唱えながら一歩一歩慎重に歩いていた。
いや、空になっている場合ではなかった。
もし落ちたら…。下は川なので溺れない限りは死ぬことはないが、落ちる途中でどこか強打したら泳げない。
氷の上を歩いているつもりで歩いた。
ウバメガシの葉っぱがなくて晴れならば鼻唄の道なのだが…。
これまでで一番の壮絶なドラマだ。私は今そのドラマの中の主人公だと。
その一歩を間違えると死だと。
これまでで二番目に怖かった道はまりちゃんと歩いた那智駅の手前の歩道の狭い国道だ。
私は後ろを歩き、まりちゃんとは距離を取った。そう後ろからはねられる可能性があったからだ。
二人に距離がないとはねられた場合二人一緒になるからだ。
危険は何げないところに潜んでいる。
どんな立派な山で死のうが、ささいな場所であろうが死は一緒だからな…と、そんな事を考えていたな。
向こうに見えるはR311の道の駅ふるさとセンター大塔の裏側だ。
こんな手すりもあるとこにはあったが過信しないようにだ。
これは道が川側に割れているのだ。長い年月こうなっているようだったので安心はしてた。
すると、うん!?オメー折れないでくれよな!と思わず橋に向かって語りかけていた。
すると、こんな空間が。これだけお金かけるんだったら道をちゃんとしてくれよな!と願わずにはいられなかった。
やっとここまで来た。道の駅ふるさとセンター大塔からR311は富田川を渡りこちら側に来る。その橋の下だ。
橋の下でしばし休憩した。焚き火の跡があった。天気がそうしているのだが、気持ちよい場所ではなかった。誰か落ちてしまってるのではないか?と下を見てたりしてた。
こんな雰囲気。雨に加え霧もあった。でも崖道ではなく山道になるとリラックスた。
雰囲気よいでしょ!。
庚申さんや石仏やお墓がたくさんあった。
ここで私は少しだけ般若心経を唱えた。この無事に感謝して。
すると雨が上がった。
つづく〜(⌒0⌒)/~~
by理事長