以前、ひでちゃんと大雲小雲取り峠を越えた時、野宿場所で二人でトラのような鳴き声を聞いてしまった事があった。まあイノシシだと思っているが、イノシシでなかったとしたらクマだろう。
それがあってから私は小型スポットライトを持つようにしている。ヘッドライトでは遠くまで光が届かないからだ。
潜水橋を渡った所にあった道標。

夜になってしまったが、幸い月夜だったのがテント設営にラッキーだった。また本当に運よくその時だけ風は弱まってくれた。
月夜のラッキーさが後で2つの仇となったが、その2つの出来事はここでは伝えられない。大したことではないが、悲しく残念なことだから。
ともかく寒い。早くテントを張ってシュラフにもぐり込みたいと焦る。レザーマンツールナイフのハンマーではペグが打てない。余裕あればなんとかなるのかと思ったが、強風でペグが抜けたらアウトだし寒いから石で素早く打った。それでも刺さらない。そりゃそうだ、ガチガチに踏み固められ整地された川原だからだ。
肝心の風上側のペグは折れてしまうか?と言うぐらい叩いた。幸い半分刺さった。もうそれを信じるしかなかった。ジュラルミンペグには感謝だ。
やっとの思いでシュラフにもぐり込めた。これなら寒くない。満腹だしもう飲まない方がよいし、まずは一寝しようと7時に寝た。
寒くて寝れないようなら神のダウンパーカを着ようと思ったが着るまでもなく。また、前回の失敗からテントライトは点けずにしたが、ラジオはつけていた。
12時ぐらいに目が覚める。この時はまだ気付かなかった地獄。
また寝る。3時ぐらいにまた目が覚める。
地獄の始まりだ。
シュラフカバーに違和感あった。ザラッとしてる。そう強風で土埃がテント内に舞い込んでいたのだ。それも半端ない量。
テントの床が砂で所々波模様になっていた。
くじけた…。強風はまだ続いている。どう対処しようもない。 テントの選定を失敗したか?。今回はフライがモスグリーンの色の濃いMSR 。

このテント、インナーにメッシュ部分がある。

マスクは電車はもちろん歩く時も寝る時もしていた。幸い喉は痛くない。
キャンパーさんならこの現実は理解してもらえるか。ともかく雨漏りよりは良いが、すごい量。ただ粘り気のない粗めの土埃だったのがまだ幸いだった。
冷静に冷静にと自分に言い聞かせていた。今のボクには土埃よりも足の痛みの方が危機なことだから!と言い聞かせながらもぐり込んで寝るしかない現実…。
思えば遠くへ来たもんだ〜ではなく、思えば伊勢神宮を出て初日の野宿は森の中で半端ない強風にさらされた…。三日目はどしゃ降りの洗礼を受け…。ある時はテントがガチガチに凍りつき…。今度は砂嵐…。
なんだかね〜なんでこんな辛いことしいよるんやろ〜と。
いや、前向きにとらえたい。この体験がボクを進化させると(笑)。
うん。mont-bellの山岳テントのステラリッジ。なぜあのような仕様なのかよく理解できた夜だった。山岳キャンプでも場所により同じ現象が起こり得るんだなと。
寒い時は特にステラリッジにするべと。
また、自分への記録のためだが、ワンポールテントの場合、あの気象条件でもしペグが抜けたとしたら怖いなと。また、ペグはせめて一本は余分に持つべし!と。折ってしまう場合もあるだろうと。
極寒の強風はかなり手強い。
歩く旅の野宿。本当に恐い世界だ。思い知らされた。
つづく〜(⌒0⌒)/~~
by 理事長