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本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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TOPの写真にある祠は、蓮田市(閏戸の高砂橋のたもと)に昔から伝わる「ネズミが村を救ったと言われる甲子様」を祀ったものです。
江戸時代初期の伝説ですが、今に通じるいわれがあります。見沼代用水を通った時には、是非お参りしてみて下さい。きっといいことがありますよ。
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●蓮田の伝説<甲子様>:中里忠博氏著より
むかしむかし、まだ新川という川はなくて綾瀬川が一本だけ曲がりくねって流れていたころの話だが、百姓たちはそのまわりの沼地を開墾しては小さな田んぼを造ってほそぼそと暮していたんだってさ。
そんなあるとき、百姓が田んぼに出て米のでき具合を見て歩いていたんだと。稲はたくさんの稲穂を付けて重そうに首をたれていたんだと。百姓は今年はこの分で行けば豊作だが、嵐が来なければいいがと独り言を言いながら畦道を歩いていると、足下のところをちょろちょろとかけて行く黒いものが見えました。百姓が立ち止まって足下をよく見ると、稲の穂をくわえたねずみが次々と山すそのほうに行くところでした。
百姓は今までこんなことは見たことも聞いたこともありませんでした。不思議に思ってそーっとついていったそうです。ねずみは百姓が見ていることには気づかず、次から次へと稲穂をくわえては、山すそにある大きなナラの木の根元の穴の中に入って行くところでした。運び終わったねずみは周りを見回してはまた田んぼの方に出かけていきました。この様子を百姓は、腰をおろしてしばらくじーっと見ていました。これはどうしたことかと頭をふりふり考えていましたが、やおら立ち上がって名主さんに知らせようと、大急ぎで名主さんのところに行きました。
百姓はいま見てきたことを一部始終名主さんに話しました。百姓から話を聞いていた名主さんはしばらく考えてから、
「昔おじいさんから、動物や生き物たちが何か異変が起こるときにはいち早く何か感じるものだと話を聞いたことがある。そして自分たちが生き延びるために、エサなどをどこかにかくしておくとか、子孫をたくさん残すためにたまごをたくさん生んだりするという。これは何か異変が起こるのかも知れないが」
と、言ってしばらく考えてから、ねずみがエサにするもみを隠していたとすると、このあと飢饉になるのかもしれない。
「そうだ、村の者を集めてくれ」
と、言って村の者を集め
「今はなんでもないようだが大嵐がくるかもしれないので、嵐がこないうちにいま稔りかけている稲を大急ぎで刈り取るように」
と、いいました。
村の者は名主さんの話を聞いて半信半疑だったが、一斉に田んぼに出て稔っている稲を刈り取っては高台に運び上げました。
大方のものが刈り取りのすんだ次の日の朝、眼をさますと雨まじりの風が吹いていて、やがて大嵐になりました。そして稲を刈り取った綾瀬川のまわりの田んぼには、泥水があふれていました。村の百姓たちはどろ海となった田んぼの水をみて、胸をなでおろしました。
この年よその村では米が一粒もとれず、たいへんな年になってしまったのでした。村の百姓はたちは名主様の話を聞いて助かったのでした。
年があけて翌年の春になって、名主様から
「みんながこうしていられるのももとはと言えば、ねずみがこの村のみんなを救ってくれたお蔭じゃ、どうじゃな、私はねずみは甲子様のお使いというから、あのねずみたちが稲穂を運んでいたあの穴のところに、甲子様をお祀りしてはと思うんだが」
と、村の者に話しかけました。村の者たちは、そうだそうだ私らの命の恩人だ、お祀りしよう甲子様を、お祀りしよう甲子様をと、口々に言いました。
名主さんは、みんなも賛成のようだな、それではナラの木のふもとのほら穴のところに祀ってはどうかな、ということでさっそく祠を建てて祀ったということです。
みなさんも新川(今の見沼代用水)のへりの甲子様の前を通ったら拝んでみてはどうでしょう、きっとなにかいいことがあるかも知れませんよ。