海外からエネルギーを運ぶ海上輸送は、日本の社会や経済を支える重要な基盤です。こうした役割を担う原油タンカーは、時代とともに大型化・高性能化を遂げてきました。
今日のブログでは、高度経済成長期を代表する超大型原油タンカー「日石丸」をみていきましょう。
「日石丸」は、石油の海上輸送の合理化と日本の石油安定供給を目的として、日本石油グループの東京タンカー(株)が、鹿児島県喜入町(現・鹿児島市)の原油中継輸送基地へペルシャ湾から原油を運ぶために建造したタンカーです。
石川島播磨重工業(IHI)呉造船所(現:ジャパンマリンユナイテッド(JMU)呉事業所 )で昭和45(1970)年11月に起工、翌46(1971)年4月に進水し、同年9月8日に竣工しました。完成当時は世界最大のオイルタンカーで、載貨重量37万2,698トンを誇るULCC(Ultra Large Crude Carrier)でした。

船舶模型「オイルタンカー 「日石丸」(1/100)」
寸法:3460×560×705
寄贈:石川島播磨重工業(株)
所蔵:船の科学館
オイルタンカー「日石丸」の概要
| 総トン数 | 184,855トン |
|---|---|
| 載貨重量 | 372,698トン |
| 全長 | 347.0メートル |
| 幅 | 54.5メートル |
| 深さ | 35.0メートル |
| 喫水 | 27.0メートル |
| 主機関 | 蒸気タービン1基 |
| 出力 | 40,000馬力 |
| 最大速力 | 15ノット |
私たちの暮らしを支えるエネルギーは、多くのオイルタンカーによって運ばれていますが、現在、中東地域をめぐる情勢の変化により、海上輸送の重要性が改めて認識されています。
日本の原油輸入量は、朝日新聞(2026年4月5日)によると1日236万バレル(約32万2,000トン)なので、約12,000キロメートルの航路を毎日、日石丸クラスのタンカーが1隻航行している計算になります。
「日石丸」は、昭和60(1985)年に解体されるまでの14年間にわたり、日本とペルシャ湾を84往復し、約3,000万トンの原油を輸送しました。その航海距離は地球をほぼ55周する長さに及びます。
高度経済成長期のエネルギー輸送を支えた超大型タンカー「日石丸」は、日本の原油海上輸送の歴史を象徴する存在として、大きな足跡を残しました。
あわせて読みたいおススメの記事











