国の助成政策「優秀船舶建造助成施設」を利用して建造された日本郵船の貨客船「新田丸」は、昭和15(1940)年3月23日に竣工すると、三菱長崎造船所から神戸・横浜を経由して東京港に回航され、4月6日から14日まで芝浦の岸壁で公開披露されました。
公開披露には皇族や政財界の名士が招かれ、その後の関西への披露航海では、梅原龍三郎・川端康成・辰野隆・大沸次郎らの文化人による「閑談会」も開催されたそうです。

写真「微速で前進する就航直後の「新田丸」」
所蔵:船の科学館
竣工時の「新田丸」の外観は、2本マストと傾斜した太く短い煙突(ファンネル)、前方に伸びた船首と巡洋艦型の船尾などが、「近代的で均整のとれた堂々たる風格」と評価されています。
船体塗装は、従来船より黒塗装を1.5メートル下げて白塗りを増やし、国籍識別の日の丸が大きく描かれました。
また、搭載エンジンは、重油を焚いてお湯を沸かし、発生した蒸気を羽根車に吹きつけて回転力を得る蒸気タービン2基を装備し、常用で21,000馬力、最大出力は28,359馬力に達する当時の日本客船の最大パワーを有していました。

絵画「新田丸 船橋鳥瞰」
作:野上隼夫
寸法:333×220
所蔵:船の科学館
あわせて読みたいおススメの記事







