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今日の海の日

「海とマンガ・アニメ」に関連する記事が38件あります

『美味しんぼ』から学ぶ、日本人と魚食文化

皆さんこんにちは!
船の科学館に勤める学芸員(ペンネーム:アクエリアス)です。

梅雨らしい気候が続いていますが、徐々に夏の気配を感じ始めています。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

突然ですが、皆さんは一週間にどれくらい魚を食べていますか?

焼き魚、お寿司、お刺身、煮魚……。

私たちの食卓には、ごく当たり前のように魚料理が並びますが、実は世界的に見ても、日本ほど魚を日常的に食べる国は多くありません。

そこで今回は、「食」をテーマにした名作マンガ『美味しんぼ』をご紹介します。

メバルの煮付け.jpg

メバルの煮付け
出典:写真AC

1983年から『ビッグコミックスピリッツ』で連載を開始した、雁屋哲氏(原作)・花咲アキラ氏(作画)によって描かれた本作品は、「究極のメニュー」をテーマに、日本各地の食文化を紹介するグルメマンガです。

料理そのものだけではなく、食材の産地や歴史、生産者の思いなどにも光を当て、多くの読者に「食とは何か」を問いかけてきました。

作中には、マグロやカツオ、アジ、サバ、イワシ、サンマなど、日本人にとって身近な魚が数多く登場します。
「おいしい魚を食べる」だけではなく、「どこで獲れた魚なのか」「どのような方法で運ばれてきたのか」にまで興味を広げてくれることも、本作品の魅力の一つです。

日本は四方を海に囲まれた島国であり、古くから海の恵みを暮らしに取り入れてきました。
縄文時代にはすでに魚や貝を食べていたことが分かっており、江戸時代には漁業や流通の発達によって、新鮮な魚が多くの人々の食卓へ届けられるようになりました。

現在では、冷蔵・冷凍技術や輸送網の発展により、日本全国、さらには海外からもさまざまな魚介類が運ばれています。
私たちが当たり前のように魚を食べられる背景には、漁に携わる人々、魚を運ぶ人々、市場で取り扱う人々など、多くの人々の営みがあるのです。

錦絵 大日本物産図会 土佐国鰹釣之図.jpg

「錦絵 大日本物産図会 土佐国鰹釣之図」
作:歌川広重(三代)
寸法:187×252
所蔵:船の科学館

近年、日本では魚を食べる機会が減少している一方、豊かな魚食文化を未来へつないでいくために、水産資源を守りながら利用する「持続可能な漁業」の重要性も高まっています。

『美味しんぼ』は、おいしい料理を紹介するだけではなく、魚が食卓へ届くまでの物語にも目を向けさせてくれる作品です。

次に魚料理を味わうときは、その魚がどこの海で育ち、どのような人々の手を経て届けられたのかを思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
海を知ることは、食を知ること。
そして、食を知ることは、海を未来へつないでいく第一歩なのかもしれません。

今回はここまで!次回をお楽しみに!

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投稿者:アクエリアス カテゴリー:海とマンガ・アニメ コメント:0
日本マンガ学会第25回大会に出席してきました!

皆さんこんにちは!
船の科学館に勤める学芸員(ペンネーム:アクエリアス)です。

6月も終わりを迎えましたが、梅雨らしい空模様の日が続いていますね。

さて今回は、先日6月20日(土)・21日(日)に開催された第25回日本マンガ学会の後日レポートです。

日本マンガ学会は、マンガやその周辺文化について研究する学会で、今年は設立25周年という節目の大会でした。
会場は学習院大学目白キャンパスで、6月20日(土)に研究発表・総会、21日(日)にシンポジウムが行われました。

日本マンガ学会第25回大会チラシ表.jpg 日本マンガ学会第25回大会チラシ裏.jpg

日本マンガ学会第25回大会 チラシ
引用:日本マンガ学会

「マンガ学会」と聞くと、少し意外に感じる方もいるかもしれません。
しかし会場では、作品研究にとどまらず、歴史、表現、教育、翻訳、ジェンダー、地域文化など、実に幅広い視点からマンガについて議論が行われていました

投稿者も、普段「海とマンガ・アニメ」というテーマで記事を書いている身として、大変興味深く参加してきました。

マンガ学習シリーズでおなじみ『マンガの認知科学』の翻訳者・中澤潤様にもお会いすることができ、とても貴重なお話を伺うことができました!

そんな今回の大会で印象に残ったのは、マンガが単なる娯楽にとどまらず、社会や文化を考えるための大切な資料にもなっているという点です。

たとえば、ある時代に描かれたマンガを読むことで、その時代の人々がどのような価値観を持ち、何に関心を寄せていたのかを知ることができます。
また、作品の舞台となった地域や、そこに描かれる風景・生活文化を手がかりに、土地の歴史や人々の営みへと関心が広がっていくこともあります。

これは、海や船をテーマにしたマンガ・アニメにも通じるものがありますね。
投稿者自身も、作品を入口にして実物資料や歴史へと関心が広がっていく瞬間がとても好きです。

今回の学会で一番印象に残ったのは、1日目に行われた「マンガを活用した伝統文化理解の促進―日本刀文化における解説マンガの導入とその効果」という研究発表です。

■発表テーマ
マンガを活用した伝統文化理解の促進
 ―日本刀文化における解説マンガの導入とその効果

■発表者
都留文科大学大学院 早野慎吾氏
マンガ家      かまたきみこ氏

■発表概要
全国刀剣商業協同組合が発行する『やさしいかたな 刀に関する法律のQ&A』を題材に、伝統文化の普及における解説マンガの役割を検証した研究です。
引っ越しや遺品整理の際に刀が発見されるケースが増加していますが、その登録手続きは一般にあまり知られていないのが現状です。
近年の刀剣ブームや愛好者層の変化を受け、マンガ『KATANA』の作者・かまたきみこ氏による導入マンガを採用し、行政手続きを分かりやすく伝えるだけでなく、伝統文化への理解と普及を促す媒体へと発展した経緯が紹介されました。

発表では、このような「解説マンガ」は、物語を楽しむためだけではなく、複雑な制度や専門知識を分かりやすく伝える媒体としても大きな可能性を持っていることが示されました。
マンガを活用することで、法律や伝統文化への心理的なハードルを下げるだけでなく、日本刀文化への理解や普及にもつながっているという点が大変興味深く感じられました。

本ブログ「今日の海の日」も、「海」について皆さんと一緒に考えていきたいという想いから、日々海にまつわる情報発信をおこなっています。

学会に参加しながら、博物館資料とマンガ・アニメは一見すると遠いようでいて、どちらも「知る楽しさ」へつながる大切な存在なのだと改めて感じました。

特に今回は、日本マンガ学会設立25周年という節目の大会でもあり、マンガ研究がこれまで積み重ねてきた歩みと、これからの可能性について考える機会となりました。

海とマンガ・アニメの関係についても、まだまだ掘り下げてみたいテーマがたくさんあります。
今後も本ブログでは、作品紹介や訪問レポートを通じて、海や船の魅力を少しでも楽しくお伝えしていきたいと思います。

今回はここまで!次回をお楽しみに!

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投稿者:アクエリアス カテゴリー:海とマンガ・アニメ コメント:0
『ふしぎの海のナディア』と深海へのあこがれ―ノーチラス号から「しんかい2000」へ―

皆さんこんにちは!
船の科学館に勤める学芸員(ペンネーム:アクエリアス)です。

雨の日が続く季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
外に出かけるのが少し難しい日には、家でゆっくりマンガやアニメを楽しむのもいいですよね。

今回は、1990年に放送が始まったアニメ作品『ふしぎの海のナディア』をご紹介します。
皆さんはご覧になったことがありますでしょうか。

本作品は、ジュール・ヴェルヌ氏作の小説『海底二万里』を原案として制作された作品で、謎の少女・ナディアと発明好きの少年・ジャンが、海を舞台に壮大な冒険を繰り広げる物語です。
総監督は、『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明氏が務めています。

■主な登場人物
・ナディア:不思議な宝石「ブルーウォーター」を持つ少女。
      自らの出生の秘密を知らず、自由を愛する心優しい性格。
・ジャン :発明好きで好奇心旺盛な少年。
      パリ万国博覧会でナディアと出会い、共に冒険の旅に出る。
・ネモ  :ノーチラス号を率いる謎多き人物。
      高い知識と指導力を持ち、ネオ・アトランティスと戦う。
・グランディス:ブルーウォーターを狙う女盗賊団のリーダー。
        当初は敵対するが、ナディアたちの良き仲間となる。
・ガーゴイル :秘密結社「ネオ・アトランティス」の指導者。
        古代文明の力を利用し、世界征服を企む。

■あらすじ
舞台は、1889年のパリ万国博覧会。発明好きの少年ジャンは、不思議な宝石「ブルーウォーター」を持つ少女ナディアと出会います。二人は宝石を狙う者たちに追われながら世界を旅し、潜水艦ノーチラス号と行動を共にする中で数々の冒険を経験します。 やがて世界征服を企むネオ・アトランティスとの戦いに巻き込まれ、ナディアの出生の秘密や古代文明アトランティスの真実が明らかになっていきます。 仲間たちとの絆を描く壮大な海洋冒険活劇です。

作中に登場する乗り物として印象的なのが、やはりノーチラス号ではないでしょうか。
海面だけでなく、海中を自在に航行する潜水艦ノーチラス号。
普段、私たちが目にすることのできない海中の世界へ連れて行ってくれる存在として、子どもの頃に胸を躍らせた方も多いかもしれません。

2021年には放送30年記念企画として「ふしぎの海のナディア展」が、2023年から2025年にかけては「ふしぎの海のナディア展 Petit」 が開催され、初期の企画書やキャラクター設定、絵コンテ、アニメ原画、フィルムなど、番組制作に関わる貴重な資料が展示されました。

そうした資料を見ていくと、ひとつの作品が生まれるまでにたくさんの人と数多くの工夫がされていることに気がつくと共に、アニメもまた、その時代の技術や表現、人々の価値観や想像力を今に伝える大切な「資料」であると感じます。

これは、博物館が船や海に関する資料を収集・保存し、次の世代へ伝えていくことにも通じるのではないでしょうか

さて、ここで少し現実の海の話に戻ってみましょう。

『ふしぎの海のナディア』では、ノーチラス号によって海中や未知の世界へと向かいます。
では、現実の世界で深い海を調べるためには、どのような技術が必要なのでしょうか。

船舶模型 深海潜水調査船 「しんかい2000」 (1/5).jpg

船舶模型 「深海潜水調査船 「しんかい2000」 (1/5)」
寸法:1940×850×950
所蔵:船の科学館

「しんかい2000」は、日本初の有人2,000メートル級深海潜水調査船として完成し、日本の深海探査技術を大きく前進させました。

深海は、暗く、冷たく、そして非常に大きな水圧がかかる世界です。
水深が10メートル深くなるごとに、周りから受ける圧力はおよそ1気圧ずつ増えていくため、水深2,000メートルの世界では、地上とは比べものにならないほど大きな圧力に耐えなければなりません。

「しんかい2000」には、乗員を守るための耐圧殻や、海底の様子を観察するための水中テレビカメラ、試料を採取するためのマニピュレータなどが備えられていました。

ノーチラス号は空想の中の潜水艦ですが、現実の深海調査船もまた、人類が「まだ見ぬ海の世界を知りたい」と願って生み出してきた乗り物です。
そう考えると、アニメの世界と現実の海洋技術は全く別のものではなく、どこかで繋がっているようにも感じますね。

『ふしぎの海のナディア』の魅力は、単なる海の冒険だけではありません。

未知の世界に向かう勇気や科学技術への期待、そして海の奥深くにはまだまだ知らない世界が広がっているという想像力。
そうしたものが、物語の中にたくさん詰まっています。

『ふしぎの海のナディア』を見たことがある方も、まだ見たことがない方も、この機会にぜひ、海へのあこがれと深海探査の世界に思いを馳せてみてください。

ノーチラス号の向こう側には、現実の海へとつながる学びの扉が開いているかもしれません。

今回はここまで!次回をお楽しみに!

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投稿者:アクエリアス カテゴリー:海とマンガ・アニメ コメント:0
マンガ学習C『マンガの認知科学』から学ぶ「物語カテゴリー」

皆さんこんにちは!
船の科学館に勤める学芸員(ペンネーム:アクエリアス)です。

関東地方も梅雨入りし、肌寒い日が続いていますね。

今回は、マンガ学習シリーズの第4弾をお届けします。
本シリーズでは、ニール・コーン氏(著者)・中澤潤氏(訳者) 『マンガの認知科学―ビジュアル言語で読み解くその世界―』(北大路書房、2020年) をもとに、マンガを認知科学の視点から学んでいます。

今回は、第4章のテーマ「物語の文法」について勉強していきましょう。

ところで皆さん、突然ですがクイズです!
次の4コマを想像してみてください。

@ 港に停泊している船
A 船が大波の中を進んでいる
B 乗組員が出港準備をしている
C 無事に港へ戻った船

並べ替えクイズ.jpg

作:船の科学館(AIにて生成)

さて、このまま読んで物語は理解できるでしょうか?

・・・

なんとなく内容は分かりますが、「順番がおかしいな?」と思いませんか?

多くの人は、
@ 港に停泊している船

B 出港準備

A 大波の中を進む船

C 無事に帰港
という順番に並べ替えたくなるはずです。

実はこれは、「物語構造」と深く関係しているのです。

船が出港するときであれば、
@準備をする
A出港する
B航海する
C帰港する
という流れ。

レストランなら、
@入店する
A注文する
B食べる
C会計する
という流れですね。

認知科学では、このような経験パターンを用いながら人は出来事を理解していると考えられています。
つまり私たちは、マンガを読むときも「次はこうなるはず」と予想しながら読んでいるのです。

船には船長や機関長、航海士など様々な役割があるように、実はマンガのコマにもそれぞれ役割があります。
これを「物語カテゴリー」と呼びます。
主なカテゴリーは、下記のとおりです。

〈物語カテゴリー〉
船定位(Setting)
港や海など、物語の舞台を説明するコマ

船 開始(Initial)
出来事が動き始めるコマ

船 ピーク(Peak)
物語の最大の見せ場

船 解放(Release)
出来事が終わった後の場面

船長だけいても船は動きません。
機関長だけでも動きません。
それぞれが自分の役割を果たし、互いに協力することで、一隻の船は目的地へ向かうことができます。

マンガも同じです。
定位だけでは物語にならず、ピークだけでも意味が伝わりません。
それぞれの役割を持ったコマが集まることで、一つの物語になるのです。

これが「物語カテゴリー」と「構成のまとまり」の関係です。

今度、海や船を題材にしたマンガやアニメを見るときは、「このコマは物語のどんな役割だろう?」と考えてみてください。
港を映したコマは「定位」かもしれませんし、嵐のシーンは「ピーク」かもしれません。
無事に帰港する場面は「解放」かもしれません。
そんな視点で読むと、これまでとは違った楽しみ方が見つかるかもしれませんね。

今回取り上げた内容を一枚の画像にまとめましたので、参考にしてみてください!

第4章まとめ.jpg

作:船の科学館(AIにて生成)

今回はここまで!次回をお楽しみに!

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投稿者:アクエリアス カテゴリー:海とマンガ・アニメ コメント:0

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