毎月10日は、全国水産物卸組合連合会が制定した「魚の日」です。
もともと10月10日の10(と)10(と)という語呂合わせに由来しますが、現在では毎月10日が「魚の日」とされています。
さて、沿岸の岩礁に棲む「栄螺(サザエ)」は、表面に1〜3列の突起が並ぶ巻貝(内海産は突起が小さく、全くないものもあります)で、古くから食用にされ、殻のまま火にかけて焼く壺焼きが定番です。

出典:写真AC
サザエは、市場には年間を通じて並びますが、特に初夏から夏にかけての産卵期に、栄養を蓄えて身が大きくなり、味も良くなることから、「春から夏」が旬とされています(地域によっては、資源管理のため禁漁期を設定する地域もあります)。
ところが、「新潟のサザエ」は、9月に旬を迎えます。
新潟県では年間を通じて漁獲されますが、県の「旬の情報」では9月の水産物として紹介されています。
今日のブログでは、現在、旬を迎えている「新潟のサザエ」にちなんで、サザエに導かれて命拾いする海ノ民話『サザエと弁天岩の女神様』をご紹介します。

「弁天岩」
出典:写真AC
民話の舞台は、新潟県糸魚川市の日本海に浮かぶ「弁天岩」。
「弁天岩」は、日本列島の中央部を南北に縦断する地溝帯「フォッサマグナ」が海だった頃、海底火山の噴火によってできた岩礁の一部です。岩の上には海の守り神が祀られ、その傍らには航行の安全を見守ってきた「能生港灯台」が立っています。
「能生港灯台」は昭和26(1951)年に初点灯し、平成28(2016)年に「恋する灯台」に認定されました。その後、平成29(2017)年に廃止され、現在は観光資源として活用されています。

「弁天岩」
出典:写真AC
そして、海ノ民話『サザエと弁天岩の女神様』は、岩場に取り残された小さなサザエを海に戻した漁師の物語です。この民話を通して、フェーン現象による気象の急変や時化への注意、漁業権などのルールを守ることの大切さを伝えています。
昔々、能生の村に住む平助という漁師が、海へ出ようとしたとき、岩場に取り残された小さなサザエを見つけます。平助は子どものサザエだと思い、かわいそうに思って海へ逃がしてやりました。
その後、平助と太郎兵衛がそれぞれ小舟で漁に出ると、急に天候が荒れて大しけになり、絶体絶命のピンチに陥ります。しかし、平助は、助けたサザエの頼みで現れた弁天岩の女神によって、無事に救出されました。
この民話は、令和2(2020)年、日本財団『海ノ民話のまちプロジェクト』のアニメ作品『サザエと弁天岩の女神様』として映像化され、海では天候に気をつけ、ルールを守って遊ぶことを次世代へ伝えています。
そして、この物語は、「人に施した善意は、いつか巡って返ってくる」という教えだけではなく、人と海、生きものが支え合って暮らしていることを、今も私たちに語りかけているのかもしれません。
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