本日、9月4日は「くじらの日」です。
「くじらの日」は、鯨と人との関わりや、鯨文化への理解を深めることを目的に、一般財団法人 日本鯨類研究所が平成24(2012)年に制定した記念日で、「く(9)じ(4)ら」の語呂合わせからつけられています。
さて、次の写真は、ザトウクジラが海中から水面に向かって勢いよく大きく飛び上がる「ブリーチング」を撮影したものです。
ブリーチングをする理由は、体表についた寄生虫や汚れを落とすため、仲間へ自分の位置を知らせるため、繁殖期の求愛や威嚇のためなど、さまざまな説がありますが、その迫力ある姿は、私たちに自然の雄大さと生命の力強さを感じさせてくれます。

「ザトウクジラのブリーチング」
撮影:船の科学館
しかし、日本では古くから、クジラは単なる海の生き物ではなく、人々の暮らしを支える「海の恵み」として敬われ、各地にさまざまな伝承や民話が残されています。
今日のブログでは「くじらの日」にちなんで、海ノ民話『クジラのお礼まいり』をご紹介します。
民話の舞台は、愛媛県今治市大島(宮窪町)。「日本最大の海賊」と呼ばれた村上海賊の本拠地・能島城跡を構成する鯛崎島(たいざきじま)に安置された地蔵にまつわる物語として、今も語り継がれています。

「鯛崎島の地蔵」
出典:写真AC
昔々、瀬戸内海の鯛崎島付近の浅瀬で、母クジラがうたた寝をしていると、潮が引いて動けなくなってしまいました。子クジラの泣き声を聞いたお地蔵様は、母クジラを助けるために海の生き物たちに呼びかけます。
母クジラは、集まってきた海の生き物たちによって救出され、海に戻ることができました。そして、母クジラは命を救われたことに感謝し、以来、仲間を連れて鯛崎島へお礼参りに訪れるようになりました。
この民話は、令和3(2021)年、日本財団『海ノ民話のまちプロジェクト』のアニメ作品『クジラのお礼まいり』として映像化され、潮の干満の知識や海への備えなど、海と共に暮らす知恵を次世代へ伝えています。
そして、この物語には、「人に施した善意は、いつか巡って返ってくる」という教えだけではなく、人と海、生きものが支え合って暮らしてきた瀬戸内海の人々の願いが込められていると思えてなりません。
時代は変わっても、クジラは人と海、人と自然を結ぶ象徴として、私たちに多くのことを語りかけ続けているのかもしれません。
あわせて読みたいおススメの記事












コメント
※現在、コメントに対する返信は対応しておりません。予めご了承ください。