明日8月8日は「屋根の日」です。
漢字の「八」が屋根の形に似ていて、「八」を重ねると瓦が重なり合う姿に似ていることから、(一社)全日本瓦工事業連盟が屋根瓦をアピールすることを目的に制定し、(一社)日本記念日協会によって認定・登録されています。
さて、「屋根」と言えば住宅を思い浮かべますが、実は、江戸時代の河川や運河・水郷では「屋根船」が数多く活躍していました。
「屋根船」は、遊山や宴席を楽しむ大型の「屋形船」とは異なり、より小型で、交通や手軽な遊びに利用された船です。船型や水押(みよし)、屋根の造りにも違いがあり、一見して見分けることができました。

船舶模型「屋根船(日除船)(縮尺1/20)」
寸法:440×110×90
所蔵:船の科学館
「屋根船」は、正式には「日除船(ひよけぶね)」と呼ばれ、手軽な船遊びや交通手段に使われていました。
『川船年貢盛付証文』(享保6年)によると、その寸法は上口長さ24・25尺(7.3〜7.6メートル)、幅6尺(1.8メートル)、2〜4挺櫓となっており、猪牙船の幅を広くしたような四畳敷きの小船に簡素な屋形を設けた船でした。
武士以外は障子を立てることが禁じられ、庶民は簾(すだれ)を用いましたが、風紀上の問題から、雨や雪、荒波以外は簾を下げることは制限されていました。
「屋根船」の船賃は、江戸市中の水上タクシーと言われた「猪牙船」より高く、現代でいえば「ハイヤー」のような存在でしたが、それでも多くの人々に利用されました。

錦絵「両国大花火の図」
作:歌川芳艶
寸法:352×770(3枚続)
所蔵:船の科学館
この錦絵は、江戸時代末期の浮世絵師 歌川芳艶(1822-1866)が、両国橋の納涼・花火打ち上げを描いたものですが、屋根船や猪牙船など花火船の光景が描かれています。
江戸市民の船遊びは、屋形船に加えて、より手軽な屋根船も利用されるようになり、一部の富裕層だけでなく庶民にも広がっていったと考えられています。
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