皆さんこんにちは!
船の科学館に勤める学芸員(ペンネーム:アクエリアス)です。
関東地方も梅雨入りし、肌寒い日が続いていますね。
今回は、マンガ学習シリーズの第4弾をお届けします。
本シリーズでは、ニール・コーン氏(著者)・中澤潤氏(訳者) 『マンガの認知科学―ビジュアル言語で読み解くその世界―』(北大路書房、2020年) をもとに、マンガを認知科学の視点から学んでいます。
今回は、第4章のテーマ「物語の文法」について勉強していきましょう。
ところで皆さん、突然ですがクイズです!
次の4コマを想像してみてください。
@ 港に停泊している船
A 船が大波の中を進んでいる
B 乗組員が出港準備をしている
C 無事に港へ戻った船

作:船の科学館(AIにて生成)
さて、このまま読んで物語は理解できるでしょうか?
・・・
なんとなく内容は分かりますが、「順番がおかしいな?」と思いませんか?
多くの人は、
@ 港に停泊している船
↓
B 出港準備
↓
A 大波の中を進む船
↓
C 無事に帰港
という順番に並べ替えたくなるはずです。
実はこれは、「物語構造」と深く関係しているのです。
船が出港するときであれば、
@準備をする
A出港する
B航海する
C帰港する
という流れ。
レストランなら、
@入店する
A注文する
B食べる
C会計する
という流れですね。
認知科学では、このような経験パターンを用いながら人は出来事を理解していると考えられています。
つまり私たちは、マンガを読むときも「次はこうなるはず」と予想しながら読んでいるのです。
船には船長や機関長、航海士など様々な役割があるように、実はマンガのコマにもそれぞれ役割があります。
これを「物語カテゴリー」と呼びます。
主なカテゴリーは、下記のとおりです。
〈物語カテゴリー〉
定位(Setting)
港や海など、物語の舞台を説明するコマ
出来事が動き始めるコマ
物語の最大の見せ場
出来事が終わった後の場面
船長だけいても船は動きません。
機関長だけでも動きません。
それぞれが自分の役割を果たし、互いに協力することで、一隻の船は目的地へ向かうことができます。
マンガも同じです。
定位だけでは物語にならず、ピークだけでも意味が伝わりません。
それぞれの役割を持ったコマが集まることで、一つの物語になるのです。
これが「物語カテゴリー」と「構成のまとまり」の関係です。
今度、海や船を題材にしたマンガやアニメを見るときは、「このコマは物語のどんな役割だろう?」と考えてみてください。
港を映したコマは「定位」かもしれませんし、嵐のシーンは「ピーク」かもしれません。
無事に帰港する場面は「解放」かもしれません。
そんな視点で読むと、これまでとは違った楽しみ方が見つかるかもしれませんね。
今回取り上げた内容を一枚の画像にまとめましたので、参考にしてみてください!

作:船の科学館(AIにて生成)
今回はここまで!次回をお楽しみに!
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