春の訪れを感じる季節となりました。
ウェザーニュースが発表した「2026年第4回桜開花予想(2026年2月25日発表)」によると、今年の開花は、3月22日に東京からスタートし、続々と全国各地で開花を迎えるようですが、お花見のご予定はお決まりでしょうか。
さて、お花見の名所は全国各地にありますが、江戸の桜の名所として広く知られた「御殿山の桜」(東京都品川区)は、寛文年間(1661-1673年)に吉野山の桜が移植されるも火事による焼失があり、8代将軍・徳川吉宗によって増殖され、東海道第一の宿場「品川宿」の名所の一つになりました。
その「御殿山の桜」は、多くの錦絵に描かれていますが、船の科学館の収蔵品から錦絵2点をご紹介します。

錦絵「五十三次名所図会 二 品川御殿山より駅中を見る」
作:歌川広重
制作年:安政2(1855)年
寸法:364×246
所蔵:船の科学館
御殿山の南には目黒川が流れ、東には江戸湾(東京湾)を行き交う船が見え、海を望む桜の名所「御殿山」は、春には江戸中から花見客が集まり、大いに賑わったそうです。
しかし、江戸時代末期の嘉永6年、ペリーが浦賀に来航したことに慌てた幕府は、江戸湾の海防強化の検討に入り、品川沖に台場(海上砲台)の築造を決定しました。
築造の資材は、杭木は関東地方の御林から、石材は相模・伊豆・駿河から調達され、土砂は御殿山・八ツ山・泉岳寺山が切り崩されて運ばれました。

錦絵 彩色砂目石版画「品川御殿山」
作:薮崎芳次郎
制作年:明治29(1896)年
寸法:440×340
所蔵:船の科学館
現在の御殿山は、その後の開発等により高台は残るも山はなく、お花見の名所は縮小されていますが、「しながわ百景」の一つとして、格別の趣を見せてくれています。
江戸時代に思いを馳せながら、御殿山の桜を楽しまれてはいかがでしょうか。
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