昭和56(1981)年1月21日、三菱重工業(株)神戸造船所において、本格的な海洋開発の期待を担った深海潜水調査船「しんかい2000」の進水式が行われました。
この進水式では、支綱切断を行った中川一郎科学技術庁長官は、「海底には無限の可能性があり、今後予想される資源有限時代の日本経済のカギを握るもの」と、「しんかい2000」への期待を込めた挨拶をされています。
その後、進水(着水)した「しんかい2000」は、各種テストが行われた後、海洋科学技術センター(現・海洋研究開発機構)に引き渡され、昭和58(1983)年から平成14(2002)年まで、20年にわたって1,411回の潜航を行い、海底鉱物資源や深海生物などの調査・研究に多くの成果をあげました。
さて、今日は「しんかい2000」の内部構造をのぞいてみましょう。

船舶模型「深海潜水調査船 「しんかい2000」(1/5)」
寸法:1940×850×950
所蔵:船の科学館
深海潜水調査船 「しんかい2000」の概要
| 空中重量 | 24トン |
|---|---|
| 全長 | 9.3メートル |
| 幅 | 3.0メートル |
| 高さ | 2.9メートル |
| 喫水 | 2.5メートル |
| 耐圧球殻 | 内径2.2メートル |
| 乗組員 | 3名(操縦者2名・観測者1名) |
| 最大潜航深度 | 2,000メートル |
| 潜航時間 | 80時間(最大) |
| 水中速力(最大) | 3ノット |
| 主推進 | モーター(4KW×1) |
| 補助推進 | モーター(1.5KW×2) |
船体の前部にある球殻(内径2.2メートルの球形の部屋)が、2人の操縦者と1人の観測者を収容するコントロール室です。
このコントロール室には、全ての装置の操作・監視を行うコントロールコンソールを中心に、数多くの機器が整備されています。
コントロール室の下部には、直径12センチの観測窓が2つと水中サーチライトが6基あり、視認調査や撮影、マニピュレータ(潜水調査船の手)によるサンプル採取は、この観測窓から海中を見ながら行われました。
次の写真は、当館が平成18(2006)年に実施した企画展・展示資料として、引退した「しんかい2000」を搬入した時に撮影したものです。
撮影:船の科学館
人の大きさから、船体の大きさが判ると思いますが、「しんかい2000」は、支援母船「なつしま」の着水揚収作業が容易になるよう、また、運動性能を向上させるため、徹底した小型軽量化・高性能化が図られていました。
現在、「しんかい2000」は、深海研究・海洋開発の歴史を伝える存在として、新江ノ島水族館で常設展示されています。
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