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今日の海の日

北の海の巡視船となった『宗谷』、昭和45年3月17日に発生した史上最大規模の流氷海難事故で生存者救出に活躍

昭和45(1970)年3月17日、択捉島南方の単冠湾(ひとかっぷわん)で、操業中の沖合底曳漁船19隻が流氷群に前進をはばまれ、8隻が遭難し、乗組員114名のうち30名が死亡又は行方不明となる史上最大規模の流氷海難事故が発生しました。

この年の流氷は例年になく優勢で、オホーツク海から太平洋側へ南下し、発達した低気圧に伴って圧着・集積した海氷が単冠湾に流れ込んでいました。
この大時化を避けるため、沖合底曳漁船は単冠湾に錨泊していましたが、1隻は強風によって陸岸に乗り上げ大破、流氷によって2隻が転覆、3隻が沈没しました。

このような中、昭和38(1963)年に、南極観測船から海上保安庁 第一管区海上保安部所属の巡視船となった『宗谷』は、持ち前の砕氷能力を生かして、流氷群を押し分けて前進し、悪天候をついて捜索救助活動を行い、生存者の救出に活躍したのです。

p44巡視船になった宗谷.jpg

「巡視船となった『宗谷』」
所蔵:船の科学館

この流氷海難事故を契機に、第一管区海上保安部(北海道小樽市)では、「海氷情報センター」が開設され、毎年、流氷が到来する12月20日頃から翌年4月下旬頃までの間、オホーツク海やその周辺海域の海氷・流氷の分布情報が提供されているほか、流氷が航行ルートに近づいた場合には、航行する船舶に警報を出し、海難防止が図られています。

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投稿者:メル カテゴリー:船・潜水艦 コメント:0

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