• もっと見る
11月1日は灯台記念日。恵山岬灯台は明治23年11月1日に点灯。

本日11月1日は「灯台記念日」です。

我が国初の西洋式灯台「観音埼灯台」(神奈川県横須賀市)が起工された明治元(1868)年11月1日にちなんで制定されました。
次の錦絵「日本名勝図絵 観音崎」には、初代の灯台が描かれています。

錦絵「観音崎」.jpg

錦絵「日本名勝図絵 観音崎」
作:小林清親
寸法:366×238
制作年:明治30(1897)年
所蔵:船の科学館

さて、北海道函館市の南東部・亀田半島東端の恵山(えさん)岬の突端に建つ「恵山岬灯台」は、明治23(1890)年11月1日に点灯しました。
明治期の北海道開拓において、人の移動と物資の輸送は海上交通に頼らざるを得ず、船舶が安全に航行するための灯台が急がれての建設でした。

北海道の灯台建設は、明治5(1872)年に始まり、明治10(1877)年以降に本格的に始動しました。
明治10年から明治23年の間には9基が建設されており、明治23年に点灯した「恵山岬灯台」は、北海道の発展をもたらした灯台の一つなのです。

恵山岬灯台2.jpg

「恵山岬灯台」 出典:写真AC

恵山岬の沖合は、津軽海峡を東流してきた対馬海流(暖流)と太平洋岸を南下する親潮(寒流)が合流する場所で、風や潮流が強く、濃霧が発生することが多い航海の難所として知られています。

初代の灯台は、六角形やぐら型の鉄製灯台だったそうですが、第二次世界大戦時に空襲を受け、昭和24(1949)年に現在の灯台に建て替えられました。
以来、高さ19メートル、海面から44メートルの高さから17.5海里(約32キロメートル)を灯し、対岸(本州)の尻屋埼灯台と共に、津軽海峡の航行安全を守っています。

恵山道立自然公園.jpg

「恵山道立自然公園」 出典:写真AC

「恵山岬灯台」が建つ一帯は「恵山道立自然公園(面積約4,116ヘクタール)」に指定され、今も噴煙をあがる活火山「恵山」を中心に、波浪を受けて形成された海蝕崖などの景観を鑑賞することができます。
地名「恵山」の由来は、この付近はアイヌ語で「イエ・サン(溶岩の流れるところ)」と呼ばれていたことから、「恵山(えさん)」になったと言われています。

恵山裾野の海岸には、海と一体化した天然露天風呂「水無海浜温泉」があります。
この温泉、潮位によって入浴時間が変わるので、ご利用の際はご注意下さい。

水無海浜温泉.jpg

「水無海浜温泉」 出典:写真AC

恵山岬灯台は、第50回灯台記念日(平成10年11月1日)に行われた公募「灯台50選」において、人の心に残る日本の灯台50選に選ばれています。

そして、今日から11月8日までの1週間は「海と灯台ウィーク」です。
日本財団「海と灯台プロジェクト」を推進する(一社)海洋文化創造フォーラムが主体となり、共催の日本財団・海上保安庁、全国各地の参画自治体・団体等によって、灯台の魅力を発信するイベント等が開催されています。
詳細については、「海と灯台ウィーク2024」ホームページをご覧ください。

あわせて読みたいおススメの記事

この記事をシェアする

投稿者:メル カテゴリー:灯台・建築物 コメント:0

コメント

※現在、コメントに対する返信は対応しておりません。予めご了承ください。

カレンダー

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  •  
  •  
  •  
  •  

このブログについて