10月31日は「ガスの日」です。
(一社)日本ガス協会が、明治5年9月29日(1872年10月31日)に横浜の馬車道において日本で初めてガス灯が点灯したことに由来して、100周年となる昭和47(1972)年に、10月31日を「ガスの日」としました。
ガス灯の点灯は、都市ガス事業が始まった日で、文明開化の象徴でもありました。
さて、現代社会において、暮らしや産業のエネルギー源は不可欠な資源です。
資源エネルギー庁『日本のエネルギー 2022年度版』によると、日本のエネルギー自給率は11.3%(2020年度)で、海外から輸入される石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料に大きく依存しています。
なかでも、天然ガス(LNG)は1次エネルギー供給の21.5%(2021年度)をしめ、年間約7,432万トンをオーストラリア・マレーシア・ブルネイ等の産出国から輸入し、専用船「LNGタンカー」で運んでいます。
天然ガスはメタンを主成分とし、常温・常圧では気体です。
地下のガス田から採取されたガスは、一般的には消費地までパイプラインで運ばれますが、生産地から遠く離れた日本には、ガス(気体)のままでは体積が非常に大きいので、LNGの沸点のマイナス162℃に冷却して液体にし、600分の1の体積にして運んでいます。
絵画に描かれている「LNGタンカー」は、ラクダのコブのように、球形のタンクが船上に並んでいますが、このタイプは「モス型(独立タンク式)」と言います。
どうしてタンクが球形なのか?と言うと、液化天然ガスを温まらないように運ぶとなると、超低温でタンク自体が収縮してしまうので、球形であれば均等に収縮するからでした。
タンクの内部は超低温液体に漬かっても強度が落ちないアルミ合金やニッケル鋼、ステンレス鋼などが使われ、魔法瓶のような構造になっています。そして、その球形タンクを支持材で支えて船体から浮かせ、タンクの外側を厚い鉄板のカバーで覆っています。
しかし、球形タンクは船体との間に無駄な空間ができる、ということで、船倉自体をタンクとする「メンブレン型」「SPB(Self-supporting Prismatic shape IMO type B)型」も開発されています。
LNGタンカーによって国内各所にある基地(LNGタンク)に運ばれた液化天然ガスは、気体に戻され、臭いをつけ、家庭やオフィス、工場等に届けられています。
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