平成8(1996)年7月20日は、国民の祝日「海の日」が施行され(平成15年から7月の第3月曜日)、「海の憲法」とも称される「国連海洋法条約」が発効された日です。
その後、平成19(2007)年7月20日には「海洋基本法」が施行され、日本が新たな海洋立国をめざすことを宣言しました。
出展:写真AC
さて、「海」に関連する条約は、二国間・多国間条約が数多く締結されていますが、最も包括的なルールが定められているのが「国連海洋法条約」です。
「国連海洋法条約」は、「海は全人類のものであり、国家は海洋に関して人類に対する義務を有する」との基本精神のもと、海洋の利用・開発とその規制に関する権利義務が全17部320条の本文から成り、9つの付属書がついています。
日本は、平成8(1996)年6月20日に批准書を寄託し、1ヶ月後の7月20日(国民の祝日「海の日」)に発効し、「国連海洋法条約」の締約国になりました。
令和5(2023)年5月現在、168ヶ国及びEUが締結しています。
「 国連海洋法条約」
前文 | |
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序 | (第1部) |
海域に関する規定 | 領海及び接続水域(第2部) 国際航行に使用されている海峡(第3部) 群島国(第4部) 排他的経済水域(第5部) 大陸棚(第6部) 公海(第7部) 島(第8部) 閉鎖海及び半閉鎖海(第9部) 内陸国(第10部) 深海底(第11部) |
機能に関する規定 | 海洋環境の保護及び保全(第12部) 海洋の科学的調査(第13部) 海洋技術及び移転(第14部) 紛争の解決(第15部) |
一般規定 | (第16部) |
最終規定 | (第17部) |
「国連海洋法条約」がもたらした変化と言えば、新たに「排他的経済水域(EEZ)」という自国以外の権力を認めない海域が設定されました。
また、「大陸棚」の範囲が領海基線から原則として200海里までと定められ、大陸棚外の海底を「深海底」として、そこにある鉱物資源は「人類の共同の財産」として国際管理下(国際海底機構:1994年設立)に置かれる、という新たな制度ができました。
さらに、同条約は紛争解決条項を有し、国際海洋法裁判所(ITLOS:1996年設立)の設置が規定されています。
※ 国連海洋法条約第7部(公海)の規定はすべて、実線部分に適用される。
また、航行の自由をはじめとする一定の事項については、点線部分にも適用される。
資料提供:海上保安庁
日本は四面を海に囲まれ、古くから海に生活の多くを依存し、多大な恩恵を受け続けています。
今日「7月20日」は「海」にとって特別な日です。この機会に「海」について考え、感謝しましょう。
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