藤村忌
8月22日は、日本における詩人・小説家「島崎藤村(1872ー1943)」の命日です。
島崎藤村といえば『破戒』『夜明け前』などの小説が有名ですが、昭和11年(1936年)に発表された国民歌謡『椰子の実(やしのみ)』は、今も歌い継がれています。
『椰子の実』の歌詞は、親友「柳田國男(1875-1962)」から聞いた話にヒントを得て、詩を詠んだと言われています。
柳田國男は、東京帝国大学2年生の夏、愛知県の伊良湖岬に滞在中、海岸に流れ着いた椰子の実を見つけ、「椰子の実は黒潮に乗って、長い年月の旅の果てに伊良湖岬に流れ着いた。日本民族の故郷は南洋諸島だと確信した。」との思いを、島崎藤村に話したそうです。
日本の民俗学を確立した柳田國男。
日本人はどこからきて、どこへ行くのか。
黒潮に乗って流れ着いた椰子の実から、『海上の道』という構想が膨らんでいったのでしょうか。
歌詞『椰子の実』 作詞:島崎藤村
名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実一つ
転載:「世界の民謡・童謡」
故郷の岸を 離れて 汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)
旧(もと)の木は 生いや茂れる 枝はなお 影をやなせる
われもまた 渚(なぎさ)を枕 孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ
実をとりて 胸にあつれば 新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい)
海の日の 沈むを見れば 激(たぎ)り落つ 異郷の涙
思いやる 八重の汐々(しおじお) いずれの日にか 国に帰らん
「恋路ヶ浜2」
田原市公式HP画像ダウンロードサービス「たはらスタイル」より
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