太平洋航路の女王「浅間丸」は、昭和4(1929)年9月15日竣工
現代は航空機が世界中を飛び交っていますが、航洋汽船が登場した19世紀半ばから第二次世界大戦後までの間は、ヨーロッパとアメリカを結ぶ北大西洋航路、極東とアメリカを結ぶ太平洋航路が世界の幹線ルートの役割を果たし、旅客交通の主役は客船でした。
日本も昭和初期から第二次世界大戦までの時期は客船の全盛期で、船の大きさ、スピード、旅客設備、船内サービスなどの面で、欧米客船と厳しい競争にさらされていました。
そのような中、日本郵船は太平洋航路に客室内装、安全設備、船内サービスの面で世界一流、17,000総トン型、速力20ノット級の客船3隻の建造に着手し、三菱長崎造船所において、第1船「浅間丸」が昭和4(1929)年9月15日に竣工しました。
船舶模型「貨客船「浅間丸」 (1/65)」
寸法:2760×380×780
所蔵:船の科学館
「浅間丸」の概要
総トン数 | 16,947トン |
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長さ | 170.68メートル |
幅 | 21.94メートル |
深さ | 12.95メートル |
主機 | ディーゼル 4基(16,000馬力) |
速力 (最大) | 20.7ノット |
旅客定員 | 839名(1等239名、2等96名、3等504名) |
浅間丸は、当時の日本最大の客船で、イギリスの古典様式を取り入れた優雅さは「太平洋航路の女王」の名に恥じないものでした。
また、大型ディーゼル客船としては世界初でもあり、好評を博したそうです。
絵葉書「浅間丸」
寸法:100×150
所蔵:船の科学館
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