日本とペルーは、明治6(1873)年8月21日、通商航海の自由を相互に認める条約「日秘和親貿易航海仮条約」に署名し、外交関係を樹立しました。
2023年の本年は、国交樹立150周年を迎え、様々な記念事業が行われていますが、8月30日から9月3日までの間、ペルー海軍の練習艦「ウニオン号」が日本に初めて来航しました。
ウニオン号は当館に隣接する東京国際クルーズターミナルに停泊し、船内では外相会談や一般公開が行われました。

写真「2023年9月3日朝 出航するウニオン号」
撮影:船の科学館
ウニオン号は、ペルー独立200年を記念し、海軍兵士の教育を目的として建造された帆船で、ラテンアメリカ最大・最速の帆船だそうです。
2023年6月にペルーを出航し、10ヶ月間をかけて5大陸16ヶ国を訪れる世界一周の練習航海の途中、日本は3ヶ国目の寄港国でした。
9月3日朝には、次の寄港国・韓国に向けて出航しました。

写真「2023年9月3日朝 出航時に手を振る学生」
撮影:船の科学館
ウニオン号には海軍士官学校3年生97人と乗組員149人が乗船しているそうですが、出航時、華やかで陽気なラテン音楽を流しながら岸壁を離れていったのが印象的でした。
ところで、日本ペルー国交樹立を契機に、ペルーに日本人移民を受け入れる環境が醸成されました。
明治32(1899)年に第一回契約移民790人が日本郵船「佐倉丸」でペルーに渡りますが、本格的な南米移民がスタートしたのは、日露戦争後の明治38(1905)年、東洋汽船が極東〜南アメリカ西岸航路を開設してからでした。
東洋汽船は、この南米航路の定期船に移民専用船「安洋丸」を新造することとし、三菱長崎造船所(現・三菱重工業(株)長崎造船所)で明治44(1911)年9月9日に起工、大正3(1914)年6月3日に竣工しました。

写真絵葉書:貨客船「安洋丸」
所蔵:船の科学館
「安洋丸」の概要
| 総トン数 | 9,534トン |
|---|---|
| 長さ | 140.21メートル |
| 幅 | 18.29メートル |
| 深さ | 9.94メートル |
| 主機 | 歯車減速タービン 2基 |
| 試運転最大速力 | 15.311ノット |
| 旅客定員 | 690名(1等32名、2等62名、3等596名) |
「安洋丸」は、移民船として設計された日本最初の貨客船で、かいこ棚式の二段ベットを備えた貨物倉兼用の大部屋客室は、後年の南米移民船に採用されました。
また、我が国初の歯車減速タービンを搭載した商船でもあります。
主機軸と推進軸の間に歯車装置を置くことで双方を連結し、「天洋丸」などの初期の直結式タービンに比べ、最も効率の良い速度で回転するようになりました。
大正15(1926)年に東洋汽船が日本郵船に吸収合併された際には「安洋丸」も移籍し、南米航路の就航を続けましたが、昭和5(1930)年、後継の新造船の就航により同航路を撤退しています。
あわせて読みたいおススメの記事

.jpg)






コメント
※現在、コメントに対する返信は対応しておりません。予めご了承ください。