原子力潜水艦「ノーチラス」が北極点に到達した日
1958年(昭和33年)8月8日、アメリカが建造した世界最初の原子力潜水艦「ノーチラス」が北極点に到達しました。
北極圏の厚い氷の下を潜航し、北極点を通過したことで、その性能の高さを世界に知らしめました。
今日は、船の科学館が所有する水彩画『原子力潜水艦「ノーチラス」』をご紹介します。
絵画:原子力潜水艦「ノーチラス」
画:山形欣哉
画を一見して潜水艦の大きさを想像することは難しいですが、実は長さ99メートルもあります。
流線形の艦体のシャープさがよく伝わってきます。
ところで、潜水艦に求められるのは「長時間の潜水行動」「航続距離」「静粛性」、つまり相手に察知されることなく長期間行動できる能力です。
原子力潜水艦は、海水を蒸発させて真水を、真水を電気分解することで酸素を作ることができ、食料補給の問題を脇に置けば半永久的な航行が可能です。
自国から離れた海域での行動を重視した場合は、原子力の優位性が高まります。
一方で、原子力潜水艦の「静粛性」は劣るといわれています。高速タービンや炉心冷却材を循環させるためのポンプも騒音を発生させるようです。
かたや原子力以外を動力とする潜水艦は、相手に気づかれないように「無音」で行動できるよう、補助動力(蓄電池)によって水中航行できます。
「ノーチラス」は、20ノット以上の水中速力と50,000kmの航続性能がありました。
「原子力が潜水艦の動力として実用可能と証明された点で、ノーチラスの北極点到達は、大きな影響を与えました。
現在においても原子力潜水艦建造能力のある国は限られており、高度の軍事機密とされています。
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