8月1日は「水の日」です。
水の日は、平成26年(2014年)、水資源の有限性、水の貴重さ、水資源開発の重要性への関心を高め、理解を深めるために制定されました。
今日は「水の日」にちなんで、船内の水について、ご紹介したいと思います。
船では、塩分が入っていない真水「清水(せいすい)」と「海水」を、用途を分けて使用しています。
「清水」は、一般家庭の水道水と同じように、飲料水・調理・風呂・洗濯などの生活用水に使われるほか、エンジンを冷却するために使われます。清水の調達は、港に停泊中、岸壁に設置されている給水栓からタンクに補給したり、船内の造水器で海水を沸騰・蒸発させて水を作っています。
一方、デッキ等の屋外清掃や、エンジンを冷却するための水を冷やす水、バラスト水(大型船舶が航行時にバランスをとるために船内に貯留する水)、火災時の消火水などは、「海水」を使います。
1860年、咸臨丸(かんりんまる)が初めて太平洋を横断し、サンフランシスコに向かう船内で、「飲料水」にまつわる事件が起きたそうです。
咸臨丸の水タンクにも限りがあり、水は厳重に管理されていました。航行中、水が乏しくなり、ハワイへの寄港が検討されましたが、勝艦長はサンフランシスコに直行を決め、「水は、飲料以外は使ってはいけない」と倹約命令を出しました。
ところが、水先案内として乗船していたアメリカ人水夫が、その貴重な水で洗濯しているところを日本人事務官が見つけ注意したところ、双方がピストルと日本刀を構える騒動が起きました。
その場に駆けつけたキャプテン・ブルックが、日本側に対して、「よろしい、斬って下さい。」と、共同生活の掟を破った者に対して進んで処刑を求めたことで、事件が収まったと言われています。
船内の「清水」使用については、船員法第21条(船内秩序)第6号に、『船内の食料又は淡水を濫費(らんぴ)しないこと』と規定されています。
「清水」がどれほど貴重なものかが分かりますね。
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