
【尻】が気になった。体の尻ではなく、[言葉尻をとらえる]といった尻の慣用句のことだ。実に多い。
[尻に付い]て、人の後ろについていくのは楽だ。考えなくてもすむが、一人残されると[尻に火が付く]。慌てて逃げて[尻に帆を掛け]ても困る。締めくくりがなくなって[尻も結ばぬ糸]では御粗末だ。
じっと動かなければ安全か。[尻が重い]のはつまらない。[尻を押す]、[尻を叩く]、それから[尻を上げる]のでは魅力はないね。他人の[尻馬に乗る]のは無分別。他人の振り見て[猿の尻笑い]などしては意地汚い。
かといって[尻が軽い]のも、すぐに忘れる[尻から抜ける]のも、人から信頼されない。[尻を落ち着ける]、[尻を据える]そんな態度がよろしかろう。[尻が暖まる]、[尻が長い]そんな人は訪問先では喜ばれないよ。上手く運んでいても[喜んで尻餅をつく]と失敗を招く。
[尻がこそばゆい]ような誉め言葉に踊らされて、誰かのしくじりの処理を任されて[尻が来た]んじゃたいへんだ。[尻ぬぐい]はごめんだが、ときには[尻を絡げる]頑張りが必要だ。[尻を持ち込ん]で、誰かの責任を声を荒らげて問うのも大人げない。
隠しごとをしてはいずれ[尻が割れる]ことになるし、[頭隠して尻隠さず]になりがちだ。油断すると誰かに[尻毛を抜か]れることになりかねない。[尻(けつ)をまくっ]て居直って、[尻が青い]なんて言わさせまい。[酒買って尻切られ]て、恩を仇で返されてもじっと耐え、[尻の持って行き場がない]と思ったら、家族に[尻をはしょっ]てもいいから端無を聴いてもらおうよ。
家では[尻に敷かれ]ておとなしく、[穴の穴が小さい]と言われても穏やかに笑っている。[軽い返事に重い尻]てなことでは当てにされないよ。たまには[帳尻を合わせる]こともあってよい。たいていは[頭でっかち尻つぼみ]になりがちだけどね。まっ家では[尻の毛まで抜かれる]ことなどないから、ごゆるりと。
尻は尻でもホントの尻は、年を取ると筋肉が落ちる。なかでも尻(太股も)は目立ってしまうからだ。無理せず筋トレでもしましょうかね。
(少し尻が重そうな葵の花。赤くてもアオイ、これ、不思議なり)