足台は2世紀前の大革新 [2021年01月31日(Sun)]
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中世のリュート奏者は立って演奏したそうだ。左手でネックを握り、右手はリュートの底部を腕で押さえながら指を動かす。18世紀まではギターも同じような状況で、せいぜい足を組むか、机にボディのお尻を乗せて構えたり、ストラップで支える程度であったらしい。 【足台】が発明されてギタリストの技量は格段に進歩した。ソルやタレガの名曲は足台なしでは満足に演奏できなかったであろう。ただ、長く足台を使うと疲れやすい。様々な支持具が今はある。わたしには商品名と器具名が判然としないが、上げてみたい。 【フットレスト】 スポンジを革に詰めた三角の枕状のものを左足太ももに乗せ、ギターを傾けて乗せる。通称は枕。 【ギターサポート】金属と一体化させた三角状のものに吸盤があり、ギターボディのサイド下に吸い付けて左足太ももに乗せる。 【エルゴプレイ】 ギターサポートは小さい三角のためにぐらつきやすい。それを改良して大きな三角で支えるのがエルゴプレイである。ギターの側面の上下4ヶ所に吸盤がついている。 【ギターレスト】 ギター側面をネジで挟み込んで固定し(ギターは傷つけない)、その棒の先に太ももにフィットする弧形具が付いている。吸盤式もある。従来はギターレストが最も安定して楽な姿勢で演奏できるとされていた。 【ギターリフト】 ドイツで生まれた新技術である。ギターの裏板に直接大きなアクリル板を吸盤で取り付けて、太ももに乗せる。抜群に安定し、かつ無理なく体のセンターにポジションがくるという。ギターが膝から浮かんで見えて不思議な感じ。ただ、重いと思う。持ち運びするにも大きい。 ギターは演奏姿勢が左右非対称でねじれ気味になる。良い姿勢を保つよう努めても、足台を長時間使っていると足が疲れ痺れる。イスに座って両足を地面に置いて均等に構えると疲れにくいのは確かだ。 ただ、わたしは思う。ロダンの名彫刻「考える人」を考えてみよう。 肘が反対側の膝に乗って前傾した体がねじれて、深い思索人が登場する。哲学する人は少々ねじれているのがカッコいい。音楽は哲学である。 |



