天国と地獄を分かつ慎重さ [2018年01月31日(Wed)]
青野山のふもとを津和野から柿木村(今は合併して吉賀町)に向かって山道を走っていたときのこと。雪道で怖い経験をした。
雪はやんで平地ではだいぶん溶けていた。標高が高い道だから路側帯には残雪がある。わたしは慎重だった。だが見通しも良い、眺めも高台でよろしい。やがて注意深さを失ってスピードを出すようになった。油断大敵。小さな橋にかかると路面には圧雪があった。わたしが乗った公用車は轍にハンドルをとられて、あれよと思う間に道脇の積雪に突っ込んだ。後退もできない窮地に陥ったのである。 不注意の因果応報を呪ったが、あとの祭り。当時は携帯電話などない。途方にくれていると救世主が現れた。目的地の柿木村にある建設会社の車が通りかかったのだ。助けを求めると、そのかたはわざわざ牽引用のロープを取りに会社まで行って戻って来ると。30分ほどして帰ってきた氏は手際よく引っ張ってくださった。名前を教えてくださらなかったので、車に書いてあった会社宛にお礼状を送った。 雪道は思ったほど難儀するものではない。それは余裕をもってゆっくりと進み、急ハンドルや急ブレーキを使わないという条件のもとで成り立つ話であって、大丈夫と思って集中を途切らすと手痛いしっぺ返しを受ける。歩くときも同じこと。上の空になったり、歩きスマホをしたりすると大変な目に遭うだろう。土曜日から来週にかけて再び大寒波が襲来するという。油断召されるな、特に都会の人びとよ。 (野芥子が元気な黄色い花を咲かせる季節に早くなってほしい。いい加減、寒さはこれまでにしてほしい) |