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オアシスに水を求めて花束が [2017年07月31日(Mon)]

fumihouse-2017-07-31T20_38_06-1-thumbnail2.jpg水のない砂漠に忽然と現れるオアシス。湧き水があり樹木が繁茂する肥沃な一帯。集落や街ができて砂漠をわたる者たちへのくつろぎの場所となる。人々の憩いの場を通称してオアシスと言うようになった。

かつて富士通のワードプロセッサOASYSが一世を風靡した。親指シフト入力はローマ字入力より変換が速いと人気を博していたが、今やパソコンソフトとしてわずかに長らえているのみ。わたしの回りで使うひとを見たことはない。

オアシスを使った。小さな切り枝をよそに持っていく際、水気を失ってしなびることのないようオアシスを使った。花の吸水スポンジのことを、なぜオアシスというのか。フラワーアレンジメントの花や草木が元気を保つ様子が、砂漠で疲れ果てた旅人に安らぎを与えるイメージから、誰かが名づけたのではないかと想像していた。

ところが違うと知った。正式名称はフローラルフォーム。オアシスは商品名なのだ。アメリカのメーカー、スミザーズオアシス社の商品名がオアシス。ステープラーをホッチキスというが如し。

(花の少ない盛夏にあって、オアシスの泉の如く咲いていた大和撫子)
ジオパークミンミンゼミに盛夏あり [2017年07月30日(Sun)]

fumihouse-2017-07-30T22_19_17-1-thumbnail2.jpg隠岐はジオパークだけあって、蝉の鳴き方が健全だ。隠岐ではミンミンゼミの健在ぶりに胸がすく思いをした。

ミンミンゼミは結構大型で、黒地に緑がかった姿は凛々しい。強い声でミーン・ミンミンミンミンミン・ミーンと独特の調子で鳴く。ミンミンが何回続くか数えるのは楽しい。群れずに孤高の様子で鳴くミンミンゼミはミスターサマーと呼ぶにふさわしい。夏休みに入る7月後半から旧盆の前までの盛夏に本来は鳴く。

ところが本土ではここ10年、様相が違うのである。盛夏に鳴かない。夏休みも終わるような晩夏にやっとかしましくなる。このセミは暑さに弱いとも聞く。暑すぎる夏が影響しているのであろう。絶滅危惧種にならないよう願う。もちろんこの夏、出雲や松江では聞いたことがない。

一連の鳴き声は長くは続かない。体力がもたなくなると最後はグジュグジュ・・と消え入って終わる。勇ましく鳴く中盤までに比べると終わりかたはカッコよくないが、隠岐島であちらこちらにミンミンゼミの声を聞けて、隠岐島の夏を存分に感じられた2日間だった。

(隠岐・福浦トンネルの海端に咲いていたオニユリ)
学び方特別支援の教育で [2017年07月29日(Sat)]

fumihouse-2017-07-29T21_09_53-1-thumbnail2.jpg『学び方は十人十色であっていい〜特別支援教育の先にあるもの〜』(島根県教職員互助会主催の講演会)を聴いてきた。講師は新潟県で共育コーディネーターをされている南雲明彦氏。ご自身も学習障害をおもちで多くの難局を乗り越えてこられた。氏には学習障害の中でも読み書きに困難を伴うディスクレシアがあり、耳や目から入る情報を素早く正確に処理することが難しいのだそうだ。

21歳のときに学習障害があることがわかったとき始めて一つの答えが出てホッとされたそうだが、自分を語る言葉を丹念な学習によって蓄えて、今日のような講演の場で表現し、質疑にも丁々発止と応答できるまでには相当のご苦労をなさったことと思う。おっしゃったとおり「身の丈に合った使える言葉」を身につけてこられたのだ。

そうした体験からこうも言われた。発達障害者支援法の精神にあるように社会の側が理解すれば障害者は才能を発揮し社会に役立つ人生を送ることができるというのは一面的な見方で、障害者の側も社会的理解を高める言動を積み重ねていかねばならないと警鐘を鳴らされた。

具体的には語彙である。ディスクレシアの人はどうしても読書量が圧倒的に少ない。自ずと語彙は少ないから、内面的描写が不得意で常に理解してもらえない不遇さを抱え込んでいる。語彙が増えれば気持ちや状態を相手に伝えることが楽になる。そのことをもっと障害者の側が理解するよう促していきたいとも言われた。

早いうちに学習障害があることをわかっていたらどうだったのか。楽になったかもしれないし、レッテルを貼られてしまって反対に障害者と健常者の枠組みに押し込められてしまってかえって不自由になったかもと想像されていた。腫れ物にさわるようにして障害へ配慮するよりは、それぞれの人間ごとにオーダーメイド的に気を配る社会でありたいと、私も思った。

(大きな葵のアメリカ芙蓉。ハイビスカスの仲間である。ともかく大きい。30センチはある。灼熱の真夏に元気いっぱい咲く)
ジオパーク隠岐の魅力を改めて [2017年07月28日(Fri)]

fumihouse-2017-07-28T23_59_51-1-thumbnail2.jpg隠岐世界ジオパークビジターセンターの職員さんと話をする機会があった。ほんの立ち話ではあったが、ジオパークの魅力から誤解まで。さらにもてなしの心とは何ぞや、と考えさるきっかけになったと思う。

その方は隠岐の島に生まれはしたものの、隠岐の自然や歴史についてはとんと無頓着であったようだ。同じく隠岐生まれの男性と結婚したあと、男性に連れられては隠岐の山野をめぐったり話を聞かされたりしたのだが馬耳東風、とんと頭には残らなかった。ところが縁あって隠岐自然館の職員となると、門外漢とは言っていられない。世界ジオパークビジターセンターへのリニューアルにあたっては、知らないではすまされない。初めて真剣に隠岐に向き合ってみるとその面白いことといったらありゃしない。彼女は変身し、今や隠岐ジオパークツアーデスクの座にある。

隠岐島の成り立ちは、4000万年前に大陸の一部だった頃にさかのぼる。湖の底へ、海の底へと変遷し、火山活動が活発になって島根半島と陸続きの時代があった。約1万年前に現在の島になっている。長い時間をかけて大陸から島へと環境が変わったことにより独自の地質や生態系が生まれた。これが今のジオパークへと繋がっている。

隠岐自然館が持つ使命、すなわちジオパークを分かりやすく案内するためには、否が応でも隠岐を自然を勉強せざるをえない。連動して歴史や現在の諸事情も知らければ、ジオパークの全体像は伝えられない。そうしてはじめて隠岐の魅力についてわかってもらえるのだ。

誤解というのは、テーマパークを求めて客が来るという嘘のような話である。どこに行けばアトラクションがあるのですか?と本気で聞いてくる観光客がいるらしい。USJに来たつもりの客をいかにジオパークの魅力に目覚めさせるか。ガイドたちの腕の見せどころであろう。きっとファンになってリピーターにしてみせると彼女はおっしゃった。

先日は再認定現地審査が行われたばかりだという。平成25年9月に隠岐が世界ジオパークに認定されて以来、初めての審査となる。特に今回は環境の保全や保護といった項目にもまして、ガイドの教育やツーリズムへの活躍ぶりが評価の対象となる。選ばれたガイドは口頭試問を受けて、その知識とホスピタリティを試される。そして発表はこの秋9月。

旅の重要な要素には、景色と食べ物と人の三つがあるという私の持論に同意してくださった。景色は気象条件に左右される。食べ物もときに残念なこともある。しかし出会った現地の人々の人柄に触れる。そして観光ガイドの深い知識と郷土愛に触れることができた旅は最高だ。幸いに今日一日の私は善きガイドさんに恵まれ、奥津戸海岸遊歩道に広がるアルカリ流紋岩の白肌に驚嘆し、壇鏡の滝にジオパークとしての意味を見いだし、手掘りの福浦トンネルに自然と生活との調和を知ることにあいなった。隠岐島の魅力を改めて知ることのできた一日だった。

(五箇創生館の敷地内に咲いていたキョウチクトウ。よくある薄いピンクではなくて、鮮やかなマゼンタ色)
赤白とスカイブルーに隠岐だ夏 [2017年07月27日(Thu)]

fumihouse-2017-07-27T23_01_08-1-thumbnail2.jpg赤と白スカイブルーに隠岐の夏しぶき上って眼鏡が曇る

西郷湾浮かんだ赤いシンボルは西郷大橋いまに健在

ひさびさの会話弾んで楽しんでゆったり流れる隠岐の時間よ

(隠岐へ向かうフェリーおき夏夏夏夏夏夏)
耐えかねて残暑お見舞い申し上げ [2017年07月26日(Wed)]

fumihouse-2017-07-26T19_20_32-1-thumbnail2.jpg残暑お見舞い申し上げます。
まだ立秋はきていません。
それでも残暑のお見舞いを申し上げたいのです。

表を歩くと精根も尽きて残骸のようになる暑さ。熱中症の患者を次々とつくりだす残虐な暑さ。
空は湿気で霞み地面からは残忍な熱気が立ち上る暑さ。熱帯夜の夜明けに苦しみの残渣となる暑さ。鼻の奥に熱の固まりが無理やり押し込まれる残暴な暑さ。

残の字は、残る意味ではなくて、損なったり傷つけて滅ぼす残。悪人に殺される酷い残なのです。昨日大雨洪水警報が出るほど雨が降ったおかげで、今日は少し涼んだ風が吹いています。でも残酷な暑さは続くでしょう。くれぐれもご自愛くださいね。

(ひまわりは太陽の花。しかし残殺されるほどの暑さの中で花びらはしなびている)
入れ替えて逢魔時に魑魅魍魎 [2017年07月25日(Tue)]

fumihouse-2017-07-25T21_26_41-1-thumbnail2.jpg逢魔時(おうまがとき)は薄気味悪い。日が落ちて刻々と夜が訪れつつある夕暮れ時。昼間ではない、かといって闇夜になったわけでもない。大禍時(おうまがとき)とも。禍々しい(まがまがしい)厄災が起こる時分。蜩(ひぐらし)でも鳴いているときにはムードはさらに高まる。魑魅魍魎(ちみもうりょう)に出会いそうな予感。

逢魔時は黄昏時(たそがれどき)。「誰そ?彼」と薄明かりの向こうから来る人物は、知った彼かと思いきや、赤の他人? 無言で行き過ぎる人の横顔はオレか? 自分の中の魔物なのかとザワザワと怖い。振り向けばそこには誰もいない。誰そかれ?

映画『君の名は。』では、黄昏の逢魔時に時空の交換は起こった。三葉と瀧は運命すらも転換しあった。そして逢魔時のおかげで二人は運命を開いたが、相手の名前ばかりか、相手の存在すらも認識できなくなる。「誰そ?かれ」と思いを持ち続け、瀧と三葉とはつながることができた。逢魔時は大切な時間帯。

ところで今朝は必要があって古いカバンを持って行った。魑魅魍魎が出た。新しいカバンに入っている大切なものを置き忘れてしまったのだ。痛い思いをした。逢魔時は魔の時間が交差する。同様にカバンの交換にも魔が出来する。

逢魔時はマジックアワー。空の色は薄い橙から淡い萌葱色に、さらに薄灰色になる。変哲もなかった昼間が魔法のように色相を変えて、金色の雲が輝く。別名ゴールデンアワー。逢魔時は美しい。茹でダコになるほどの蒸し暑い逢魔時が早く穏やかになってほしいものだ。

(5月末の逢魔時に田んぼの脇に咲いていた綺麗な雑草)
7月26日 追記 マンテマという名前だと教えていただいた。幕末維新のころにヨーロッパから観賞用に持ってこられたものだとか。
意地っぱりお茶目なメアリ魔法の国へ [2017年07月24日(Mon)]

fumihouse-2017-07-24T22_14_04-1-thumbnail2.jpg巨悪がいるのではない。ただ制御しがたい不可解な力がある。となりのトトロの延長でカワイイがあるのではない。暴発するおどろおどろしさに子供がコワイと叫ぶ。映画『メアリと魔女の花』はそんな映画である。

ジブリのキャラクターとダブる登場人物や風物。巨神兵やコオトヌシ、カオナシ、化け物、ポニョの波や魚…。世界観として、ハウルの動く城、魔女の宅急便、千と千尋の神隠し、天空の城ラピュタ、もののけ姫を連想した。ジブリスタジオなき後の後継スタジオポノックによる渾身の作品だと思う。

お茶目だが無鉄砲な少女メアリ。引っ越し先の友達とうまくやっていけるか不安に思いつつも、好き放題やっているメアリに最初は共感できなかった。しかしその野放図さ故に、危機を乗り越えることができた。

ピーターに意地を張ったばっかりに、本当のことを言い出せなかったばかりに、彼は魔女の捕虜になってしまったメアリ。一緒に帰ろう! とピーターとともに地上を目指す。たった一日の禁断の魔法を使って目指す。魔女の花、夜間飛行は今しか使えない。無鉄砲だからこそ故郷へ帰ることができた、ピーターとともに。最初はヤナ感じだったメアリに、わたしはやがて虜にされたのだ。
稲の田の酷暑咲きたる白い花 [2017年07月23日(Sun)]

fumihouse-2017-07-23T12_49_50-1-thumbnail2.jpg田んぼにカエルが戻ってきた。春の盛りほどのことはないが、中干しが終わって水が満ちた水田にカエルの鳴き声が聞こえる。

早稲以外の田は未だに水を抜いて中干し状態にある。中干しは過剰に茎が増えて根の酸素が不足しないように、あるいは水飢餓状態にして根が深く強く張るのを助ける目的がある。稲刈り時のぬかるみ過ぎを防ぐこともそうだ。

早稲の田んぼでは穂が出てきた。花が咲き始めた田もある。綿ゴミが付いたような地味な花だが、実りの秋を迎える大切なステップだ。稲も田も農業者も、日々酷暑と戦っている。
残り香にタンゴのステップ力あり [2017年07月22日(Sat)]

fumihouse-2017-07-22T22_08_35-1-thumbnail2.jpg『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』は1992年の映画。アル・パチーノが出るというから暴力シーンにドキドキするのかと思いきや、感動のドラマであった。

笑った、フランク(アル・パチーノ)が初めて笑った。あどけないが官能的な美女ドナがタンゴを踊ってみたいと応じたい時に見せたチャーミングな笑顔。それまでもフランクは笑った。しかし、ガハッと品なく大声を出し、相手を蔑む哄笑であり、自嘲するせせら笑いであった。そのフランクの笑顔に目を引かれた。ダンスは抜群。初心者のドナを鮮やかにリードしてホールの客やスタッフの喝采を浴びた。フランクは変わったのだ。二人の踊りを見守ったチャーリーの優しい眼差し。彼もフランクのために何かしたいと温かい気持ちになった。

事故で全盲となり退役した元軍人のフランク。記憶力は抜群で教養も深い。詩人でもある。女の唇とは、大きな砂漠を横断した後に飲む初めての赤ワインの味だと喩えた。ロマンと卑猥を兼ね備えた辛辣な詩人であるからして、あらゆる人を毒舌で不快にし、自ずと敬遠されて孤独な退役生活を送っていた。

懲罰委員会の場で窮地に立ったチャーリーをフランクは渾身の演説で救う。胸のすく論理展開、言葉は荒っぽいが適切な比喩、力強く淀みのない演説。一般生徒はもちろんのこと、懲罰委員会の教師らも虜にした。

青くなったのは金持ち息子とその親。懲罰を受けないよう画策した悪ガキども。そしてチャーリーだけを切り捨てて、名門校から退学させようとした校長。無事集会を乗り切ったチャーリーの顔が晴れ晴れしかったこと。

強がりばかりで孤独な人生を自殺で終わらせようとしていたフランク。チャーリーには気の利いた言葉はないが、彼を自殺させまいとする必死さが胸を打った。

 どうやって生きていける、チャーリー?
 足が絡まっても踊り続けて

美しいドナにフランクがタンゴを教えようと申し出るシーン。ドナは間違えるのが怖いと躊躇する。そこでフランクは「間違えて足がもつれても、踊り続ければいい」と言った。だからチャーリーはその言葉をフランクに思い出させたのだ。だから大きな岐路に直面したチャーリーを助けたいとフランクは思ったのだ。

セント(scent)とは香り。女が立ち去った後も残り香がある香水。フランクはいつもブランドを嗅ぎ当てる鋭い嗅覚を持つ。セントは勘や直覚力。フランクは不純や不正、醜いものへの鋭い嗅覚を持っていた。許せなかった。フランクはそれらを悪しざまに罵った。何のために? それは反骨の態度で敵対する相手を打ちのめしたい自身の我欲のためだったのだ。しかしフランクはお金を使うこと、話を聴くこと、演説すること、はったりを利かすこと……自分のためにではなく、誰かのために力を尽くすことを学んだ。フランクは変わったのだ。

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』とは、あのタンゴシーンが象徴的に表している。心騒がせるステップを踏むために不断の努力を続けよう。苦しくても楽しげに軽やかに動いて聴いて喋っていこう。漂う香りも楽しもうと思わせる映画であった。

午前10時の映画祭8はゆめタウン出雲のTジョイにて上映中。ぜひ観てほしい映画です。
熱中症油断召さるな日傘さす [2017年07月21日(Fri)]

fumihouse-2017-07-21T18_08_55-1-thumbnail2.jpg埼玉県庁が18日、「日傘男子広め隊」をお披露目した。男性の日傘利用をすすめるグループである。埼玉県内では去年熱中症で救急搬送された人の7割が男性だったそうで、男の熱中症予防の一翼を担う。

今日は暑い(@_@)、この夏一番の暑さかもしれない。先週1週間、全国で7600人余りが救急搬送され、うち6人が死亡したそうだ。消防庁は適切に冷房を使いこまめに水分をとるべしと毎度同んなじことを呼びかけるが、日中を歩く際は傘をさすよう勧めるべきだ。帽子もいいが頭に熱がこもる。ツバの日陰は限定的である。

今日午後の研修会はバスの便がない会場だったので、駅から2キロほど歩いた。昼過ぎの炎天下はたまらない。私も日傘男子になった。日傘には体感温度を約5℃下げる効果があるというが、本当だ。頭、顔、首筋、肩、背中の一部を太陽から遮るだけで楽になった。歩くうちに汗は吹き出てきたが、日傘の効果を感じる(ふつうの雨用傘だが)。少々気恥ずかしくても命が大切だ。

(白い夾竹桃は爽やかだ。出雲・二京町公園にて)
働いて幸福になるは何のため [2017年07月20日(Thu)]

fumihouse-2017-07-20T22_49_35-1-thumbnail2.jpg屋台骨は揺らいでいるが、安倍内閣の重要課題は働き方改革である。一億総活躍社会を実現するために、多様な働き方を可能とする。長時間労働を是正し、一見対極にある労働生産性も上げて、適度な経済的成長で好循環社会をつくる。誰もが豊かに誇り高く生きれば、海外の人からもうらやましがられる。そんな日本の勤労社会を作ろうというのが働き方改革である。だが、長時間労働の問題は解決の糸口が見えない。人口減少による働き手不足はますます顕著だ。

何のために私たちは働くのか。自分と家族のために給料をもらって…。力を尽くして成果を上げて…。会社のなかで出世して…。社会的名声を得て…。製品やサービスが誰かの役に立つことを知って…。私利私欲であろうが、世のため人のためであろうが、人は誰も幸せになるために働く。

多くの勤労人は組織で働く。業績を上げ年齢が高くなれば、組織マネジメントをまかされて、プレーヤーでありつつも管理者となる。自己の仕事の管理に加え、部下の管理と成長をまかされる存在となるのだ。組織を動かし指導する立場となるのである。組織が成し遂げるべき目標を明快にし、組織を発展させる役割が重要となってくる。個人のがんばりに加えて、制度を整え、組織内の気運を高める役割がある。

しかし、そこにはコンプライアンスが立ちはだかる。コンプライアンスとは単に『法令遵守』という意味ではなく、法律や規制事項を守るのみにあらず。日本では、常識や企業倫理、さらには人間としてのマナーを守って諸活動を行うことも含めた、広大な意味を持たされている。はっきりルール化されていないのが厄介だ。飲酒運転しないこと、ちゃんと接客すること、周りからとやかく言われないこと、利害関係者が不快にならないこともコンプライアンスという倫理に含まれる。漠然とした倫理を根拠に、マスコミが企業や組織の悪を糾弾し、行政や警察の怠慢を世に曝す。さらにネットでは暴力的な言辞がまき散らされる。これもコンプライアンス問題なのだ。はたまた日本的おもてなし、見返りを求めない気配りを期待されたのでは身がもたない。

そういう風潮にあって、風通しのよい職場をつくるためにはどうしたらよいのか。職員の健康を保ち、仕事のパフォーマンスを上げるためにリーダーは各部署でどのようして業務管理に心を砕いたらいいのか。実に難しい問題だ。

日常的な工夫として考えられるのが、@情報共有、A雰囲気づくり、B適正な業務管理といえよう。この三者は別々に存在するのではない。密接に絡みあって仕事のパフォーマンスを左右する。私と同じ学校の事務方にも様々に問うてみた。これだ!という結論は導けないのだが、一つ言えるのは、より良い職場を作りたいという意志が第一に必要だ。その上で、構成員が相談してきたら、何はさておき耳を傾ける態度が最重要である。マネージャーもプレイヤーとしてやるべきことは数多くある。パニックになりそうなほど締め切りがひしめいていることもあろう。それでも「何に困ってる?」と余裕綽々に聞いて、場合によっては話を整理して解答を与えたり、相手に応じてヒントを出すに留めることもあろう。

私たちは幸福になるために仕事をしている。チーム学校という思考のもと、事務職も学校のステークホルダーたる生徒を守り育てる教師をサポートする立場にある。ワーク・ライフ・バランスが重要なことは言うまでもない。組織も構成員も仕事も環境も、同じであり続けることなどない。だからもがき続ける中で感じる日々の小さな達成感を大切にしていきたい。と、今夜はやたらと見えない結末。

(ザクロの花も今ごろはすっかり終わって、実が着々大きくなっている)
梅雨明けの宣言だした慎ましく [2017年07月19日(Wed)]

fumihouse-2017-07-19T23_19_21-1-thumbnail2.jpg今日は梅雨明け。中国地方、関東甲信、東海、近畿で梅雨明けが宣言されました。気象庁の物言いは「梅雨明けしたと見られる」と引いた感じなのはやむを得ないとしても、酷暑が私たちを痛めつける夏が本番です。明日が終業式の学校も多いでしょう。

今朝方雨が落ちましたが、通勤時間帯にはおさまり、暑い日差しが照りつけました。昼間に外を歩き回ると、焼けつく暑さにため息が出ました。汗がダラダラ吹き出しました。

熱中症が心配です。夏太りも心配です。心配というほどのことはないのですが、夏はアイスクリームを食べ過ぎてカロリーオーバーになり体重が増える傾向にあるのです。私は夏バテ知らずで食欲も落ちませんから、少しだけ食生活に注意したいと思います。

(サルスベリも濃いピンク色でもって暑い夏を彩る)
字引きとは文明批評か安らぎか [2017年07月18日(Tue)]

fumihouse-2017-07-18T22_43_15-1-thumbnail2.jpg天才にして努力の辞書編纂者、新明解国語辞典の山田忠雄主幹は、≪辞書とは文明批評であり隠れたウソや不正に対し攻撃的であるべし≫と考えた。気持ちが張っているときには「攻撃」することはなんのことはない。むしろ面白い。ところが気が萎えたときには少しばかりしんどい。反対に緩やかな安らぎがほしい。新解さんは【人生経験】をこう解釈する。これもなかなか攻撃的だ。

≪表街道を順調に歩んで来た人にはとうてい分からない、実人生での波瀾に富み、辛酸をなめ尽くした経験。〔言外に、真贋の見極めのつく確かさとか、修羅場をくぐり抜けて来た人たちの一大事に対する覚悟の不動とかを含ませて言うことが多い〕≫

(萩の花が咲いた。花が示す秋は当分先のこと。苛烈な夏盛りはまだ来ていない)
青に灰写実の青樹ここにあり [2017年07月17日(Mon)]

fumihouse-2017-07-17T22_25_48-1-thumbnail2.jpg『小茂田青樹』展を島根県立美術館で鑑賞した。小茂田青樹は日本画の大家だが、昭和8年(1933年)に41歳で亡くなっただけに、長生きしていたら違う作風も楽しめただろう。旧来の枠にとらわれない日本画の制作に取り組んだ人だそうだ。前半は堅牢で写実的、後半はデザイン装飾的な作品が多いように思う。

私のお気に入りは、松江滞在時代に恵曇漁港を描いた「出雲江角港」である。今は東京国立近代美術館に所蔵されている。

おそらく早朝の港町。曇った空ではあるが、雲間から光が注いでおり冬は過ぎたようだ。草木の緑はまだ浅く、朝靄がかかっている。家々の瓦は石州産で多くは鮮やかな赤瓦。家屋は立派なものばかりで、白壁と土壁が重厚だ。屋根の向こうには湾が見える。対岸の山裾と接する海面はエメラルドグリーン(翡翠色)に輝き、見事な対比をなしている。北山の稜線は薄緑と土色のアースカラーで柔らかだ。暗い冬は終わった、希望の春だ。帆掛け船も沖に向かっている。そんな漁村の喜びが伝わってくる。左には急斜面の段々畑。何かがすでに植えられている。右手には松の巨木。画の構成は三角形が基調となって安定感に満ちている。

今や写真とコンピュータ作画全盛の時代ではあるが、人間の観察眼をもとに、身体を用いた絵画というものの魅力は衰えない。展覧会に行った人たちは、情趣が豊かで透明感のある色彩に惹かれ、繊細な描線から対象に向けられた作者の内面までも感じ取るに違いない。

(野の花の野趣もなかなかのもの。さりげない美がある)
面白きことをいくつも楽しみて [2017年07月16日(Sun)]

fumihouse-2017-07-16T22_51_33-1-thumbnail2.jpg おもしろきこともなき世をおもしろく
   すみなすものは心なりけり

維新回天の挙兵をした高杉晋作が下関・長府の功山寺で詠んだ歌とされる。中国・四国地区高等学校PTA連合会大会は1600人を超える参加者のもと下関市で開催された。冒頭の挨拶で地区会長が引用されたのが晋作の歌であった。

海峡上臈(じょうろう)絵巻を演じられた。壇ノ浦の戦いに生き残った上級女官たちが平家の幼帝安徳を偲ぶために始めた伝統芸能行列であるという。優雅で悲しい絵巻の一部を披露いただいた。また、当市出身のソプラノ歌手野々村さんの無伴奏・君が代独唱も圧巻であった(合わせて歌うお母さんが一人いて興を覚ましたが)。研究協議の内容はもちろんのこと、こうしたアトラクションにも力を注がれた大会であった。

高等学校のPTA活動の重要課題について研究する目的で行われた今回の大会。子供たちの志に灯をともすのがPTAの役割であり、親が応援団として子供たちを支えるためにこれからもこの会が盛り上がってほしいと思う。

晋作の歌、面白くないこの世を面白くするのは、心だと。「すみなす」とは「澄む」であろう。不潔で理不尽なこの世を澄んだものにしよう。また「済む」であろう。少々の批判をされようとも他人は他人と割り切って済みなす。そして「棲む」であろう。受けた生ならば信念の道をこの世を生ききって棲み続けるんだ。そんな決意をもって故郷に生まれたことを誇りに思って生きる青年たちが今後も輩出していくよう願っている。

(58万本の着色爪楊枝で点描した上臈絵巻の屏風のほんの一部分)
毎日の渡る世間になにがある [2017年07月15日(Sat)]

fumihouse-2017-07-15T15_59_05-1-thumbnail2.jpg世間とは恐ろしきもの、そして救い
狭い世間、広い世間いろいろあれど
自己を取り巻く世間の実態は
明らかなようで見えにくいもの
ピンチにおちいったとき世間は手をさしのべる
誰かをわたしが助けることもある
それは救い、それは絆
紐がほつれて乱れると
それは束縛、それは陰湿なイジメ
誰が何を考えて、どんな行動をしているのやら
していないのやらがわからない
疑心暗鬼になって気が沈む
思案に暮れて心を傷つける
誰もそんなひどいこと考えちゃいない
たぶんそうだと思いつつ
一面顔出す不安あり
取り越し苦労さ安心してよ
誰かにそうと言ってほしい
いったん感情がこじれ信じられなくなったなら
闇は無限に広がって
底なし沼にはまってく
世間は広い、小さな世間を脱しても
生きる術ある大丈夫
いずれ花咲く光くる

(あでやかな黄色とエンジの百合を見て元気出せよと励まして)
お見合いし大作戦の展開中 [2017年07月14日(Fri)]

fumihouse-2017-07-14T23_16_52-1-thumbnail2.jpg水曜日のバラエティ番組で『陸海空自衛隊 花嫁お見合い大作戦!』を見た。陸上、海上、航空の各隊員が将来の花嫁を求めて、静かなバトルをくりひろげる。総勢百名を超える適齢期の男女が、あらかじめ提出した詳しいプロフィールから目星をつけて、ターゲットに対してアプローチをしていく。軍隊所属の男たちだけに、正面突破を図り、攻め込まれては後退し、思わぬ伏兵がいて体勢が崩れたりする。まさに大作戦なのだ。

糸がある。目に見えぬ糸が延びている。どこから来ているのか。伴侶を見つけたい一心で糸を伸ばす男と女。投げられた糸を引こうと手を伸ばす男と女がいる。糸を引いて糸を投げて、強い意志と躊躇しながらの行動で、糸と糸を結び合わそうとしている。本人たちの必死さを材料にして、テレビ局は適当に編集して、視聴者はドキドキしケラケラ笑って楽しむのだ。

(白い柔肌のムクゲが品よく咲いている。下関市長府の旧城下町にて)
海峡の街を歩みて夏盛り [2017年07月13日(Thu)]

fumihouse-2017-07-13T23_49_54-1-thumbnail2.jpg海峡の街に歩みて下関
 新たな出会い謝して夜中よ
キンキンと夏だ蝉だよ暑いぞよ [2017年07月12日(Wed)]

fumihouse-2017-07-12T19_08_00-1-thumbnail2.jpg蝉の初鳴き7月2日 長く鋭い金属音 ニイニイゼミがつながった 単独鳴いて寂しかろ 仲間が増えて嬉しかろ 耳をつんざく蝉時雨 延々キンキン続いてる ずっと真夏日蒸し暑い 熱帯夜に寝返りうってエアコンつけてよく眠る 暗い明け方目が覚めて 蝉の五月雨聞こえてる ヒグラシならぬ日明かしだ 日暮れていざなう幻想の カナカナゼミの夏やってきた 蝉の天下がやってくる やがてアブラゼミ さらにミンミンゼミがやってくる うっすら汗が流れてる 肌にネバネバまとわりついて 今年も夏だ大夏だ

(夾竹桃の赤いやつ とっても暑いよ暑苦しい 黄色のキョウチクトウはどうかいな?)
サンタとはサタンなりやサタを待つ [2017年07月11日(Tue)]

fumihouse-2017-07-11T20_05_29-1-thumbnail2.jpgサンタ(サンタクロース)はサタン(悪魔)である。
見果てぬ夢をタサン(多産)して、子供たちから現実タンサ(探査)のルーティンから目を背けさす。
今夜の「いいね!」はいくつある? これも評価だ、サタを待つ。
つまらぬ言葉遊びに飽きたなら、氷をいれたタンサン(炭酸)でも飲んでのんびりしましょうかね。

(今夜はねじ曲がったネジバナのように少し変なんだ)
唱歌には行ってみたいなよその国 [2017年07月10日(Mon)]

fumihouse-2017-07-10T18_32_11-1-thumbnail2.jpg海を眺めたい季節になった。青い空の色合いを映した青い海。澄んだ水を複雑な反射で彩るコバルトブルーやエメラルドグリーンの海。海に遊ぶことは久しくないが…。唱歌『海』(作詞:林柳波/作曲:井上武士)はこのように歌う。

 海は広いな 大きいな
   月がのぼるし 日が沈む
 海は大波 青い波
   ゆれてどこまで続くやら
 海にお舟を浮かばして
  行ってみたいな よその国

月が上るのは東の海、太平洋。日が沈むのは西の海、日本海だ。両刀使いの半島部や島では両者を楽しむこともできる。ひっきりなしに波が寄せてくる。沖へ沖へ、目を転じてみるとそこにも波波波・・どこまでもうねる。このまま地球を一周だ。小さな舟なら御免こうむるが、豪華客船に乗り大海原を眺めたい。ゆったりとした船旅の行く手にあるよその国。行ってみたいよ、よその国。

(行った先のよその国にもこんな赤詰め草が咲いているんだろうな)
良き意志で探求せよと才能を [2017年07月09日(Sun)]

fumihouse-2017-07-09T17_23_14-1-thumbnail2.jpg映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は、青年ウィル・ハンティング(マット・デイモン)の成長譚です。自身の身を切り刻むようにして彼を見守ったショーン先生(ロビン・ウィリアムズ)の物語でもあります。そしてウィルを取り巻く悪ダレたち、ウィルの才能を見いだしたランボー教授、最後は彼と結ばれたスカイラーにとっても、かけがえのない体験を積んだ物語です。

ウィル・ハンティングとは主人公の名前であると同時に、意志(will)です。探求(hunting)です。よき(good)意志をもって、過去にしばられず、予期できぬ未来に立ち向かおうとするエンディングとなりました。見た人すべてに対して、Good hunting!(幸運を祈るよ!)と訴える映画なのです。この脚本を無名時代のマット・デイモンが、友人ベン・アフレック(サリバン役)とともに書いたというからスゴい!

天才とはウィルのような人をいいます。図書館で読んだ本はそらんじ、喧嘩ばかりして保護観察を受ける身でありながら、エリート学生が解けない数学の超難問を苦もなく解いてみせる。しかし、幼い頃に負ったトラウマが彼の心を閉ざすのです。その更生を引き受けたのが、最愛の妻を亡くした失意の心理療法家・ショーン先生でした。

このお薦め映画を見たのは、亡くなったロビン・ウィリアムズの映画だからですが、今となっては『ウィル』はウィリアムズのメタファー(隠喩)ではないかと、私には思われました。苦しんで命を断ったウィリアムズ。もちろん生前の彼が演じた役なのですが、彼は自分自身に向かって、君は悪くないと繰り返したのではないでしょうか。名優の冥福を祈ります。

ショーン先生は何度も訴えかけます。ウィルが拒否して乱暴に胸ぐらをつかんでも粘り強く繰り返します。「イッツ・ノット・ユア・フォールト(君は悪くない)」と。誰もの胸を打ちます。とうとうウィルはトラウマを押し破って一歩を踏み出そうと、よき(good)勇気(will)を沸き立たせるのです。人間関係も自己の才能も、すべてを探求(hunting)していこうと決意するのです。

完璧じゃなくてもいい、受け入れること、後悔しないことだ。君(ウィル)の言うことは全部本に書いてある言葉ばかりだ、君の言葉(will)をしゃべるんだ・・・・ショーン先生のセリフがたくさん心に残っています。

ウィルが自分の意志でスカイラーを愛することを決め、21歳の誕生日に悪ダレ友達から贈られたオンボロ車で、ボストンからカリフォルニアへのハイウェイを走ります。そのエンドロールが実に感慨深いハッピーエンドでした。

(アザミの花は春の初めから息長く咲く。目立つ花ではないが、良き意志で咲き続ける)
人知れず誕生日にはひそやかに [2017年07月08日(Sat)]

fumihouse-2017-07-08T17_09_50-1-thumbnail2.jpg私には誕生日がない。生まれてないわけはないし、2月29日で4年に一度しか誕生日が来ないというわけでもない。単にFacebook上で誕生日設定をオフにしているだけなのだ。

家族からは「今日は誕生日だね」と声がかかり、遠くの息子から無精をわびつつ電話がかかってきたりする。私はFacebook友達から、おめでとう、素敵な一年を、ハッピーバースデイ…と立て続けにメッセージが届くと気恥ずかしくて困惑してしまうのである。今日は○○さんの誕生日です、とわざわざ予告をくれるFacebook社のご親切は私には無用だと思っている。とりたくもない年をまた重ねたことの無念さもあるし…。

だから誕生日を消してしまった。大学のK先輩とは同じ誕生日だから、彼にメッセージがたくさん来ているのを見ると寂しいような気もするが、私の誕生日を知る人は少なくてもいいと思っている。

(巨大なアザミのようなアーティチョークが咲いている。花の根の部分は百合根に似た食感だそうだ)
プロになる専門高校魅力あり [2017年07月07日(Fri)]

fumihouse-2017-07-07T22_48_50-1-thumbnail2.jpg出雲市内の専門高校(出雲農林・出雲工業・出雲商業)が集まって合同説明会を行った(ショッピングモール・ラピタにて)。保護者と中学三年生を対象にし、プロフェッショナルを目指すなら専門高校を目指せというが、そこで何を学ぶのか、どんな力がつくのか、人生行路にいかなる色合いがつくのか。そんなことを訴える各校の姿があった。私は一保護者のふりをして聞いていただけだが…。

まずは各校が20分ずつ個別説明をする。趣向を凝らした画像やキャッチ、映像に加えてプレゼンターが渾身の力説をしていく様子は興味深かった。続いて各校ごとに車座になると、大会場にミニ拍手や笑い声、熱烈な語り口がそれぞれよく聞こえた。一人でも多くの中学生を呼び込もうという意欲が強い臨場感となっていた。

出雲市内の中学生の7割以上が普通高校に行く。明確な目標をもって大学進学を目指す者もいるが、モラトリアムとしての大学進学も多い。ひとつでも高いランクの大学を目指す。それが幸せかどうかは置いといて、ともかく大学のための普通高校でいいのか? そんな問題提起を与えることができただろうか。

ともあれ、この夏から秋に向かって1日体験入学やオープンスクールで専門高校へ来てもらって実際に体験して魅力を感じられれば、受験への選択肢が開ける。もちろん三校はライバルではあるが、こうした場での結束と競争が効果をあげていくだろう。1月の推薦入試、3月の一般入試に向かって邁進だ。来たれ!生徒たち、専門高校へ。

(夏の花、アガパンサス。薄い青紫の色合いが心地よい)
制服で世界征服はかるのさ [2017年07月06日(Thu)]

fumihouse-2017-07-06T21_00_19-1-thumbnail2.jpg『世界制服』

明日は七夕。七夕飾りに願いごとを昔は書いたものです。七夕おもしろ短冊集にあった一例です。実にいい。もちろん世界征服の誤りですが、楽しいし真実味があると思いませんか。

ある集団に属する人たちが着るように強制されたユニホームというものは、同一基準にしつらえられた画一的な服装です。奇しくも制服の制の字は「力を削ぎ、抑える」という意味があり、服も「恐れ入って従う」ことです。世界を制服しても変な気はしません。

もしほんとうに世界制服があったらどうでしょうか。誰もが同じ服を着ているのです。戦時中の国民服や中国の人民服時代を考えてもわかるように豊かではありませんね。物心両面にわたり束縛される時代には戻りたくないものです。

(赤花夕化粧はかわいらしいが、誰にも征服されない。ピンクの4つの花びらにある赤い筋が、皮膚に浮き出た毛細血管のように見える)
特別な気象の警報注警せよ [2017年07月05日(Wed)]

fumihouse-2017-07-05T07_36_47-1-thumbnail2.jpg6時前の天気予報中に画面が切り替わって島根県に大雨の特別警報。「特別」制度ができてから島根では初めての警戒態勢です。発達した帯状の積乱雲、すなわち線状降水帯が県西部から広島県の山間にかけて長足の豪雨を降らせています。深夜から明け方にかけて浜田市・金城では260ミリを超える雨が降り、浜田・金城では1時間に82ミリもの観測があったというではありませんか。

大雨の特別警報は【浜田市】【益田市】【邑南町】【津和野町】の4市町ですので、こちら県東部の出雲では大した雨量ではありません。ニュースでは「島根県に大雨の特別警報。数十年に一度の甚大な大規模災害が迫る。土砂災害や川の氾濫、浸水に最大級の警戒を!」と畳みかけていますから、何人かが心配してメールをくれました。ありがたいことです。たった100キロしか離れていなくても、この違いに驚きます。

この梅雨は島根では空降り状態が続いていました。今回はそうはいかないようです。特別警報のほうは空振りに終わるよう祈っています。土砂崩れがあったとしても、人家はもちろん道も田畑もない谷間に崩れますように。

(水滴が心地よく溜まっている荒神谷遺跡公園の古代蓮の葉っぱ)
梅雨暑に赤いグラジオラスが咲く [2017年07月04日(Tue)]

fumihouse-2017-07-04T18_49_22-1-thumbnail2.jpgチューリップ、アサガオ、ひまわり、さくら・・・そのくらいしか花の名前を知らないころ、小学校一年生だったと思う。理科の授業で植えた花、薄緑のくきがニョキッと空にのびて赤い花が左右にだんだん開く花をきれいだと思った。それがグラジオラスだった。幼稚なお子ちゃまにとっては遠いところにあったゴージャスな名前(当時そんな単語は知らない)の花。なめらかで真っ赤な色々にあこがれた。だから記憶に残った。まっすぐ下から上までズラリ片側だけに花咲かす。だから花の重みで傾いている。
サヨナラだ花に戦さのたとえもあるぞ [2017年07月03日(Mon)]

fumihouse-2017-07-03T23_50_12-1-thumbnail2.jpg映画『花戦さ』で脚本家(毎週大河ドラマ「おんな城主直虎」で楽しませてくれる森下佳子氏)は信長(中井貴一)にこう言わせる。「人の上に立つ者は茶と花、人の心を知れ」と。なかなかそうはいかないもので、天下人にのし上がった秀吉は疑心暗鬼になって狂気を演ずる。かつて、人たらしと言われ人心を収攬した秀吉であったのに、太閤に上りつめると人懐っこさは消え、鶴松が死んだ不運もあって他人を信じられない。人も風月もそれぞれに良さがあることを認められず、自己の価値観にそぐわないものは切り捨てる。もはや人の上に立つ者の器ではない。命を賭して諫めたのが千利休(佐藤浩市)であった。思いが通じず腹を切ることになった利休の弔い合戦をしたのが、華道家元となった池坊専好であった。豪胆な生け花でもって戦さを仕掛けたのだ。

狂言のスター・野村萬斎を池坊専好に配し、狭量な天下人・豊臣秀吉を歌舞伎の大看板・市川猿之助が演じた。伝統芸能の面白みも十分見せてくれて、人工美の生け花と心理戦を楽しんだ。

賽の河原のようにして京・鴨川のほとりに石を積み、花を一輪生ける。ころがった遺骸一体一体に供養の経をよむ。戦乱の世に花を生けることは無意味ではないと感じられた。まずは祈る。そして行動することが世の平穏を創り、人々が生きる希望をわきたたせるのだと思って劇場をあとにした。

(一見すると生け花にはなりそうもないが、専好さんなら合歓木(ネムノキ)をどう生かすだろうか)
初鳴いてセミがザワザワ夏か来た [2017年07月02日(Sun)]

fumihouse-2017-07-02T21_17_15-1-thumbnail2.jpg蝉の初鳴き
真夏日が続いた
蒸し暑い夜に寝返りをうつ
今日はニイニイゼミが鳴いた
地上にいる虫の声を蹴散らして
蝉の天下がやってくる
ヤアヤアヤアとやってくる
ジリジリ焼いて暑かろう
カンカン照らして眩しかろう
春の残照消え失せて
夏だ暑いぞブラックホール
ヒタヒタ汗が流れてる
肌にベタベタまとわりついて
クーラーそろそろ付けようか

(荒神谷遺跡公園に咲く古代蓮。別名大賀ハス。大賀博士によって現代に蘇った。ブーゲンビリアに似た鮮やかなピンク)
蛙くん朝につぶれて生臭さよ [2017年07月01日(Sat)]

fumihouse-2017-07-01T18_48_55-1-thumbnail2.jpg夜降った雨が止んだ朝
死臭が満ちる
腐臭ではないが生の小魚のような生臭さ
爽やかな匂いも混じっている
草木や花々が雨を浴びて緑をよみがえらす時の匂い
待望の雨が降ると蛙や蝸牛が動きだす
路に出て雨を喜び雨をかぐ
のこのこ動いてアスファルト
たちまちクルマにつぶされて
蛙、蝸牛のぺしゃんこだ
緑に混じって生臭さ死臭のできあがり

(涼しげなガクアジサイが雨に濡れた荒神谷遺跡公園にて)