
心肺蘇生法の講習会を一年半ぶりに受けたので備忘録を記す。出雲市消防本部から出雲工業高校に3名の講師に来ていただいて講習を受けた。胸骨圧迫やAED使用法は基本は同じでも多少変化する。救命率が高くなるよう日進月歩する(大げさ?)。パートナーはリトル・アン(Little Anne)。一見すると60代の上半身人形である。
以前は気絶した人が呼吸があるかどうかの確認をするために、耳を口元や鼻に当てるように近づけて観察するとされていたが、離れたまま指差しで口や喉、胸を見るだけで十分だという。胸骨圧迫も100回/分と指導を受けていたが120回となった。1秒につき2回とはかなりのペースと言える。
胸骨圧迫は疲れると深さが足りなくなる(5センチは必要)ので、大丈夫だと思っていても交代要員がいるときは替わること。野外で膝立ちすると痛い。クッションを置いて肘を伸ばし、十分胸に体重が乗ることを講師は強調された。
30回の胸骨圧迫のあとは人工呼吸。そこで私は鼻をつまむのを忘れていた。アゴを上げて気道確保はやったものの呼気を吹き込んでも胸がふくらまない。慌てるとこうなる。鼻をつまんだ手でもってアゴを上げようとしてはいけない。傷つけるからだ。人工呼吸が必要ないケースがある。出血や嘔吐物があるときだ。
AEDが到着したらパッドを貼る。粘着力は強い。焦って手もとが不如意になることから二枚がくっつくと剥がれなくなる。一枚ずつシールをとって、しっかり隙間なく肌に貼ること。濡れていたり汗をかいている時は水気を拭く。ネックレスは取らず、パッドに当たらないようずらすだけでよい。ペースメーカー装着者(胸の上部が膨らむ)、ケガがある場合は5センチ程度は離して貼ること。したがって指示図とは左右逆にしたり、前と背中で挟んでもよい。そして電力をしっかり流す。
誤解してはいけない、AEDは魔法の箱ではない、胸骨圧迫が大切だと講師。止まったり不規則に動く心臓をリセット

心肺蘇生で心臓が動きを思い出す

心臓が動かない時は外からの圧迫で血液を全身に送り出す。あくまでもAEDは蘇生のためのきっかけでしかない。
現場に複数の救助者がいるときは119番本部の司令官と話をする。励まして、目の前の人を救いたいという勇気を鼓舞してくれるだろう。蘇生法の処置をしているとき、救急車を待っている時間は長く感じるものだ。ともかく諦めずに蘇生法を継続させ、救急隊につなげてほしいと講師は結ばれた。
もうひとつ、正月を前に餅がノドにつまった場合の対処も教えていただいた。
苦しがる

意識があれば咳を出さす

出なければ横にして背中を掌で強く突き上げて背部叩打法

効果がなければ、ハイムリック法(背後から鳩尾に拳をおき両手でぐっと上げる)

交互に使い分ける

救急車も呼ぶ。
掃除機で吸うのはダメ。舌を巻き込んだり口内で出血してしまう。自動餅つき機でついた餅はノドに指を突っ込んで引っ張ると切れるが、杵と臼でついた餅は切れにくい。取り出すことができる場合もあるという。
(心肺停止した人が、早く蘇生して美しい花を鑑賞できますよう、心配なきように)