日本語の意識掘ったは調査かな [2014年09月30日(Tue)]
文化庁が行う「国語に関する世論調査」の結果が発表されました。毎度のお楽しみです。今回も日本人の国語に関する意識や理解度を掘り起こして、興味深い内容ですね。
【言葉への影響が大きいのは何か】という質問に、圧倒的な多数は「テレビ・ラジオ」と答えました(56%)。「学校」「家庭」「友人や知り合いの言葉」が2割前後で続きます。タレントやスポーツ選手などの「著名人」からの影響も、テレビやネットを媒介して広まるでしょうから、そうしたメディアに登場する人々の影響は多大であると言えます。「新聞,書籍等」は9%ですから寂しいかぎりです。 【人と接する際,相手や場面に合わせて態度を変える方か】では、「いつも同じような態度でいようとする方」(48%)が、「相手や場面に合わせて態度を変えようとする方」(41%)を上回っています。年齢別では、年代が下がるほど「態度を変える」が高いのに比べて(6割台)、「態度を変えない」は反対で60代以上では6割台です。若い世代ほどいわゆる「キャラをつくる」傾向があることがよくわかります。 【相手や場面に合わせて態度を変える人と,同じ態度でいる人のどちらが好ましいか】と聞くと、「態度を変えない」のを支持する割合が59%、「態度を変える」方への支持は25%しかありません。年代が上がるにつれて「変えない」ことを好ましいとしています。ただ私は思うのです。そもそも出会う相手片は自分の鏡なのです。鏡ごとに映る自分の姿は違うのですから、おのずと態度が変わるのは自然だと思います。 【1か月に読む本の冊数】には驚きました。1か月に本を1冊も「読まない」のは全体の48%。10代から50代まではだいたい4割台です。しかし60代では5割弱、70歳以上では6割まで「読まない」率が高まります。本を読むことは楽しいですが、根気もいるし、なによりも目が悪くなると辛い生活習慣なのです。今のうちに読んでおかなくては、と思いました。 【読書量が減っているか,増えているか】では65%が減っていると回答しています。理由としては「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が51%。「視力などの健康上の理由」が34%。これは中高年ですね。「情報機器で時間が取られる」が26%。要するにスマホの使い過ぎと言えましょう。 【読書をすることの良いところ】はいろいろあると思うんです。「新しい知識や情報を得られ」(62%)、「感性が豊かにな」り(40%)、「豊かな言葉や表現を学べ」(39%)、「想像力や空想力を養」い(31%)、「感動を味わえ」(26%)ます。であるならば、読書の楽しみをもっと経験していきたいものですね。 【電子書籍(雑誌や漫画も含む)を利用】する人は17%でした。10代から30代までは3割を超え、かなり普及してきたと言えます。 さて、いよいよ慣用句の使い方です。 【他山の石】 ■が正解で数値は回答率 ■他人の誤った言行も自分の行いの参考となる 31% □他人の良い言行は自分の行いの手本となる 23% 【世間ずれ】 □世の中の考えから外れている 55% ■世間を渡ってずる賢くなっている 36% 【煮詰まる】 □議論が行き詰まってしまって、結論が出せない状態になること 40% ■議論や意見が十分に出尽くして、結論が出る状態になること 52% 【天地無用】 □上下を気にしないでよい 29% ■上下を逆にしてはいけない 56% 【やぶさかでない】 ■喜んでする 34% □仕方なくする 44% 【まんじりともせず】 □じっと動かないで 52% ■眠らないで 29% これだけ正答率が低いと、もう正しい答えは存在しないと言っていいでしょう。注意して使わなければなりません。日本語はむずかしい。でも面白いですねぇ。 (今日の花は、もう1ヶ月も前に咲いていた葛(クズ)。繁茂してそこら一帯を覆いつくす葉っぱ(スペード型をしている)に隠れて目立ちませんが、こうして見るとあでやかです) |