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犀星と犀川超えて響きあう [2026年03月27日(Fri)]

fumihouse-2026-03-27T15_58_25-1-thumbnail2.jpg室生犀星はこう詠んだ(小景異情その二)。

 ふるさとは遠きにありて思ふもの
 そして悲しくうたふもの
 よしや
 うらぶれて異土の乞食(かたひ)となるとても
 帰るところにあるまじや
 ひとり都のゆふぐれに
 ふるさとおもひ涙ぐむ
 そのこころもて
 遠きみやこにかへらばや
 遠きみやこにかへらばや

望郷の歌のように思えるが、棄郷のうたであるという。石川・金沢で生まれ、金沢の街を流れる犀川をこよなく愛し、立志して東京に出たが、うまくいかない。放浪生活も経て、郷愁に駆られて帰郷してみたはいいけれど、温かく迎えてもらえない。その悲しさに心が折れた。遠く離れた東京に帰っていかなくては・・と、哀嘆する青年犀星。かといって東京に確固とした地盤があるのでもなかろう。哀し悲しい詩である。

犀川ってどこを流れていたんだろう。かつて金沢の街を歩いたときに、全く認識していなかった。また行きたいなあ。

(どの故郷にも白い沈丁花が咲いていることだろう。甘酸っぱい香りが辺りに立ち広がった季節も終わった)