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ギター弾きセロの音色を目指しつつ [2021年09月08日(Wed)]

fumihouse-2021-09-08T18_12_08-1-thumbnail2.jpg低音弦はチェロのように響かせる・・・ギタリストが目指すところであるが、そもそも楽器が違う。ギターは撥弦楽器で、チェロは擦弦であって音の出し方からして違う。それでも良い楽器、良い弾き手はサウンドホールから甘くて伸びのある芯の強い音を出す。

チェロを「セロ」と言ったら、違和感があって良い音などしないように思ってしまうのだが、昔はそう表現したのだから仕方がない。『セロひきのゴーシュ』(宮沢賢治作)はチェリストである。

リズムが悪く、音が合わず、演奏に感情がこもらない。金星音楽団の公演は近いにもかかわらず、第六交響曲は仕上がらない。指揮者には叱られてばかりだ。そのゴーシュが成長していく。演奏技術はもちろんのこと、人間的にも慈しみの心をもった青年として向上する姿が描かれる。

ゴーシュは悔しかった。
≪粗末な箱みたいなセロをかかえて壁の方へ向いて口をまげてぼろぼろ泪をこぼしましたが、気をとり直してじぶんだけたったひとりいまやったところをはじめからしずかにもいちど弾きはじめました。≫

帰宅しても必死だったゴーシュ。不思議なことにカッコウやタヌキ、ネズミなどと夜中に交流するうちに、演奏上の弱点を知らぬ間に克服していく。何よりも自分の演奏が動物たちを癒していることに気がつく。最後に大観衆を前にして喝采を浴びることとなった。

合理的な練習を根気強く続けて、情景や人を思い浮かべながら本気になって弾く。すると、聞く人に音楽が届く。そして、本気になって聴いてくれる。そんな音楽を奏でたい。