継続は忘れた頃に報われる [2021年08月30日(Mon)]
【継続は力なり】
言わずと知れた格言。山陰ギターコンクールで、ある大先達がおっしゃった。「継続は忘れた頃に報われる」と。寺田寅彦の、天災は忘れた頃……をもじったユーモアである。飽かず、弛まず、挫けず続けていくことがいかに大切か、至言だと思う。でも、わかっちゃいるけど難しい。 毎日続けても日々成果は微々たるものだが、塵も積もれば山となる。しかし止めてしまえば、長らく積んでも塵は大風に吹き飛んでひとたまりもない。続けることを止めないに尽きる。そのためには、何のため、誰のため、自分にとっての意味や望みを分相応に掲げていくことになろう。いま出来る最善の努力を継続性することだ。 ある先達はこうおっしゃる。人前で演奏して聞き手に何か伝えるために、勉強して、感覚を研ぎ澄まし、一歩前に進む。出来なかったテクニックを体得して、頭で映像を描きながら良い演奏が出来たときにはたまらなく嬉しいと。上手く弾きたいという漠然とした欲が先だって伝えるもののイメージが消えていく、もしくは元々無かったりする私の演奏姿勢を反省させられた。継続は力だ。 ギタリストであれば、例えばジストニアによって特定の指が動かない、病気をしたり怪我を負った、仕事に忙殺されて時間がない、家族がコロナに感染した、音楽への興味が薄れたとか、様々な不都合があろう。多くの要因が、継続は力を妨げようとする。 佳境を迎えるパラリンピック。多くの希望のメッセージが発せられる。タリバン政権下で参加を断念したアフガニスタン2選手が国際的な救出活動の結果、東京大会に出られるというニュースがあった。その他パラリンピアンには、代表選考での苦労、1年延期後のトラブルなど困難が目白押しだ。 そもそも障害を受けた、持って生まれたことに対し、筆切につくせぬ苦労をされた方々のドラマがある。悩み多き波瀾万丈を乗り越えて、風に乗って満帆の舵を切れるよう努力を重ねてこられた。そうしたメッセージが多くの人に希望を与えていく。 この方々に共通すること。これもまた、継続は力なり。そして、継続は忘れた頃に報われる。希望したイメージのとおりではなくても、その人がより善き方向へ進んでいかれることは間違いない。 (きょうの青空のように蒼くあれ) |