使うけどとっても怖い反面教師 [2020年12月13日(Sun)]
![]() 毛沢東が言葉の出どころであるが、元は反面教員。悪い見本として、そうあってはならない戒めとされる。物事にも人にも使われる。 日本の諺「人のふり見て我がふり直せ」ほどマイルドではない。毛沢東は、絶対に真似させたくない劣悪な者や間違った者をあえて排除せず、組織内で留めて閑職に配置し、さらしものにして不格好な様子を見せて周囲への教育的効果を期待した。むしろ残酷なやり方だ。 毛沢東は、資本主義に毒されて誤った方向に向かう共産党組織を正しく導くとして、ここでは反面教師の理論を用いなかった。毛沢東は大躍進運動によって数千万と言われる餓死者を出した責任により、一旦は権力の中枢から遠ざけられていた。 少数の間違った人物が組織を牛耳っているために、党全体がおかしな状態になっている。そうした人物が増えすぎて反面教師にはなり得ない。よって排除し、自分が救世主となる・・・そのため自分は直接手を下さず、紅衛兵を中心とした若者世代全体を利用した。そして文化大革命。莫大な数の若者を手先として権力層に殴り込みをかけ、ほとんど神の座に返り咲いた。 結果として知識人や技術者が職を追われ、攻められ、狂い死にする者も多かった。毛沢東が死ぬまで暗い時代が続き、彼の陰湿な権謀術数によって中国の国力は低迷した(もちろん日本も含めた列強に虐げられた百年の負債も大きいが)・・・きょうはやけに大きくて暗い過去の話。 |