
トップギタリスト村治佳織をはじめ多くの奏者を幼少期からの英才教育で育んできた、村治昇氏がこう述べている。
≪なぜ、芸術、スポーツを問わず多くのコンサートや大会があるのでしょう。それは一言で言うならば「一番になりたい」という気持ちが人間の持つ本質の中にあり、その気持ちがあるからこそ、さまざまな分野が現在あるような形にまで発展してきた大きな原動力の一つになっているからなのでしょう≫ (『先生!どんなふうに育てているの?/子どもの夢の叶え方』2006年)
順位のつかない競技はない。肉体をぶつけ、球やシャトルで相手を射て、隣のレーンのライバルに激しい闘志をぶちまかす。闘争の行く末は「一番になりたい」である。一番になれないならば、せめて順位を上げて自分の実力を示したい。スポーツだけでなく、音楽、学問、技術、経済、政治もすべてが、人間の本能によって成長を遂げている。
自分で楽しむだけだから、という人もいる。でも「上手だね」「そんなあなたが好き!」なんて誉められれば俄然元気が出る。それもまた「発展の原動力」と言えるのではないだろうか。適度な競争は絶対に必要なことである。
(花は競争しないのだろうか。すると思うなぁ。誰が一番綺麗かって)