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ピアニスト南部旅して覚醒す [2019年03月14日(Thu)]

fumihouse-2019-03-14T21_50_56-1-thumbnail2.jpgテーマは、覚醒ですね。映画『グリーンブック』を見ました。半世紀以上も前のアメリカの実話です。黒人の天才ピアニスト・シャーリーは、イタリア系移民のトニーを運転手兼ボディーガードとして雇い、アメリカ南部へ演奏ツアーに出かけます。トニーは腕っぷしが強くて短気、教養はなくても硬軟織りまぜたトラブル解決の名人で頼りになります。

トニーは黒人へ差別意識を持っていました。おそらくイタリア系移民として蔑まれた経験もあるのでしょう。黒人より自分はマシという自負があったのではないでしょうか。まさに差別する者が陥りがちな心理構造ですね。

シャーリーは多くの博士号を持つインテリで一流のピアニストです。差別意識を持っていたトニーでしたが、シャーリーの芸術家としての才能に惚れます。差別の心から覚醒していくのです。

シャーリーはどう覚醒するのか。彼は幼いときから恵まれて豊かでした。ケンタッキーフライドチキンなど食べたこともありません。手づかみでなんて下品で恥ずべきことだったのです。トニーの手引きでチキンの美味しさを知ります。手づかみの自由を体験します。覚醒したんです。

シャーリーは性善説の考えだったようです。人間とは信ずべき存在だと思う彼は、南部を旅してもニューヨークにいるのと同じように夜の街に出て酒を飲もうとします。差別主義の連中がたくさんいて、彼を叩きのめします。危ういところでトニーに助けられるのですが、差別の現実を知ります。

奴隷時代そのままに農園で働く黒人たちがいました。高級車に白人運転手付きのシャーリーを見て、彼らは感情のない表情で珍しいものを見る目つきでいました。シャーリーは奴隷根性に凝り固まった黒人にも受けいれられないことを知ります。かといって白人からは差別される。どちらにも属していないことに覚醒したのです。でも、アメリカ社会をなんとかしたいと目を覚ましたのです。グリーンブックなどというものが無くなる時代を目指したのではないでしょうか。

(グリーン・アスパラガスは翡翠色、そしてグリーンブックの色。黒人を受け入れる宿泊施設等のガイドブックは、もちろん今はないんだろうね)