入れ替えて逢魔時に魑魅魍魎 [2017年07月25日(Tue)]
逢魔時(おうまがとき)は薄気味悪い。日が落ちて刻々と夜が訪れつつある夕暮れ時。昼間ではない、かといって闇夜になったわけでもない。大禍時(おうまがとき)とも。禍々しい(まがまがしい)厄災が起こる時分。蜩(ひぐらし)でも鳴いているときにはムードはさらに高まる。魑魅魍魎(ちみもうりょう)に出会いそうな予感。
逢魔時は黄昏時(たそがれどき)。「誰そ?彼」と薄明かりの向こうから来る人物は、知った彼かと思いきや、赤の他人? 無言で行き過ぎる人の横顔はオレか? 自分の中の魔物なのかとザワザワと怖い。振り向けばそこには誰もいない。誰そかれ? 映画『君の名は。』では、黄昏の逢魔時に時空の交換は起こった。三葉と瀧は運命すらも転換しあった。そして逢魔時のおかげで二人は運命を開いたが、相手の名前ばかりか、相手の存在すらも認識できなくなる。「誰そ?かれ」と思いを持ち続け、瀧と三葉とはつながることができた。逢魔時は大切な時間帯。 ところで今朝は必要があって古いカバンを持って行った。魑魅魍魎が出た。新しいカバンに入っている大切なものを置き忘れてしまったのだ。痛い思いをした。逢魔時は魔の時間が交差する。同様にカバンの交換にも魔が出来する。 逢魔時はマジックアワー。空の色は薄い橙から淡い萌葱色に、さらに薄灰色になる。変哲もなかった昼間が魔法のように色相を変えて、金色の雲が輝く。別名ゴールデンアワー。逢魔時は美しい。茹でダコになるほどの蒸し暑い逢魔時が早く穏やかになってほしいものだ。 (5月末の逢魔時に田んぼの脇に咲いていた綺麗な雑草) 7月26日 追記 マンテマという名前だと教えていただいた。幕末維新のころにヨーロッパから観賞用に持ってこられたものだとか。 |