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清濁を合わせ呑んだりイブちゃんは [2017年06月10日(Sat)]

fumihouse-2017-06-10T14_38_49-1-thumbnail2.jpg映画『イブの総て』は、イブがブロードウェイの新進演劇スターとなり、栄誉ある賞を受けるまでを振り返る劇であった。実力も運も、駆け引きも脅しも、ブロードウェイには人間の喜怒哀楽の全てが存在する。イブは持つ力のすべて賭けて大博打をうつのであった。

イブは謙虚な女性で、際だつ美貌というわけではないが、若く凛として利発なたたたずまいで周囲の目を引いた。ある日、劇作家の妻カレンに目を留められた。毎日舞台に通って大女優マーゴの演劇を見ていることに気がついたカレンは、イブをマーゴの下に導く。計略は端緒についた。

大女優の付き人を満点の出来でこなして周囲はイブを賛嘆する。ただマーゴだけはイブに油断のならない不快さを感じた。40代に入って不調ということもあり、マーゴはとうとう舞台を欠かす。そこで満を持してイブが代役を勤めた。これが絶賛されてイブはスター街道を突っ走る。

ブロードウェイは未知の新星の登場を大騒ぎした。イブはわずか数ヶ月で不動の地位を築き、大賞を受賞したのだった。虫すら殺せないように見えた彼女は、魑魅魍魎(ちみもうりょう)のブロードウェイで自分も化け物として地位を確立したのだった。

映画の舞台はもっぱら部屋の中。ホテル、劇場、豪邸などで対話や会話のシーンが多い。昨夜は焼肉パーティで食い過ぎと飲み過ぎ、さらに睡眠不足だったため、つい目を閉じることもあったが、眠りこけることはなかった。イブという一介の女性が清濁併せ呑んで夢を掴む過程に、おぞましさも含めて逞しさを感じたからだと思う。1950年の古い白黒映画ではあるが、作品としての力を感じる。

(イブ以上に逞しい花、大金鶏菊。明治時代に鑑賞目的で持ってこられた北アメリカ原産種。繁殖力が強すぎることから特定外来生物として嫌われている。でも綺麗だ)