陸上にロシアが消えて欠五輪 [2016年07月22日(Fri)]
スポーツ仲裁裁判所の裁定がきっかけで、陸上どころかロシア選手団全体がリオ五輪に出場しない可能性も出てきた。このことは、ゲリラ掃討作戦に似ている。組織的ドーピングをしたロシアの連帯責任を問うか、選手個別の事情を斟酌するか、二つの論点が言われるが、私には敵の姿が見えないゲリラ掃討に思えるのである。
ゲリラは正規軍を奇襲して遊撃戦を行う。民間人に混じって集落の一員と思わせておいて突然襲いかかる。装備は貧弱だとはいっても、神出鬼没に正規軍を恐れさす。日中戦争において、日本軍が村々で民間人を虐殺したというのも、人民軍がゲリラとなって潜んでいたからだ。疑心暗鬼になって罪のない民を殺してしまったのも無理はない。だからといって罪が減じられるわけはない。そもそも中国人民を蹂躙し、全土に戦線を広げたこと自体が誤っているのは言うまでもないからだ。 ロシアが組織的にドーピングに手を染めて、一部の選手や役員も隠蔽や偽証に協力した。ロシアはゲリラの総本部、選手や役員は隠れたゲリラである。ゲリラと民間人(ドーピングしていない選手)は外目には全く区別がつかない。十把一絡げに扱うしか方法はない。 今後も規制の網をすり抜ける手法が考え出されるのは間違いない。そこまでして金メダルを穫りたいかと問えば、そうだ!と答えるであろう。ブラジル国内でムスリム過激派のテロ攻撃が事前に摘発されたと聞く。こちらのほうもきな臭い。いいオリンピックになりますように。 (女郎花(オミナエシ)が早くも咲いている。夏の風に揺れながら、秋の気配を漂わす。イヤまだまだ早いよ) |