すばらしき演技と縁起白黒よ [2015年12月26日(Sat)]
1946年の『素晴らしき哉、人生!』(原題:It's a Wonderful Life)は、まさにワンダフルな映画です。クリスマスの奇跡をおじさん二級天使がユーモラスに演出してくれます。急展開して笑って泣いて、幸せな気分で映画館から出ることができます。
主人公ジョージがすべてに絶望して死のうとするときに、二級天使は彼が存在しなかった場合の世の姿を見せます。それが余りに悲惨なのです。現実世界のジョージが世のため人のために尽くしてきたことの証明となって、彼に生きたいという希望を湧きたたせます。自分の人生はムダではなかった、もっと希望の火を灯し続けたいと思うのです。 【縁起】という言葉を思いました。縁起とは仏教の根本思想。すべての事物は因果(原因と結果)が縁(条件)によって生起するもので、固定して動かない実体などない空(くう)の存在だと説きます。だからこそ、人々の意志と行動で結果たる未来を変革できるという能動の思想です。 ジョージの一挙手一投足が周りに影響を与えます。喜びも悲しみも感情の全てが縁となって周囲を変えていきます。存在そのものが縁であり、因果関係を持つのです。彼はそのことに気がついて幸福感を取り戻しました。感謝してさらに人に尽くそうと決意するのです。 私たちも同じです。縁起によって生かされて、生かしていくのです。少々イヤなことがあったとて、私たち一人ひとりがかけがえのない存在であることがよく感じられる映画です。数年前にも見ましたが、何度見てもワンダフルな映画です。 (今日買って食べたポンカンもワンダフル。この栄養素とミネラルが私の身体を作る因果となる) |