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煙草に火この世別れてさらば友 [2015年10月15日(Thu)]

fumihouse-2015-10-15T17_52_06-1-thumbnail2.jpg『さらば友よ』(原題:Farewell Friends)には、かっこいい二人の俳優が登場する。アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンである。午前10時の映画祭で見たのは英語だったのだが、フランス語ならば雰囲気が違ったことだろう。どちらかというとハリウッド的なウエットタッチではなく、クールなハードボイルドだから、フランス語のほうがふさわしい気がする。

アルジェリア戦争から帰還した軍医バラン(アラン・ドロン)に見知らぬ美女が声を掛けた。モーツァルトを知らないかと。実はバランとモーツァルトには曰く付きの出来事があったのだが、バランは隠し通した。儲け話のにおいを嗅いでバランにつきまとったのが兵士のプロップ(チャールズ・ブロンソン)。

なんやかんやで二人は警備厳重な大金庫に潜入を計り、陰謀に陥れられて金庫に閉じ込められ命の危険にさらされる。敵対していた二人も和解して懸命な脱出をするのだが、警察に追われることとなった。別れ際でのブロンソンの台詞が「Farewell Friends(さらば友よ)」。二人は捕まった後も互いに知らぬ存ぜぬを貫き通す。

刎頚(ふんけい)の交わりというほどの長いつきあいではないけれど、窮地を脱した者同士で「さらば友よ。再び会うことはないけれど」との姿勢を貫く。留置場の廊下ですれ違った二人。ブロンソンがくわえたタバコに、無言で火を差し出すドロン。言葉はないけれど、これも「さらば友よ」。ゾクゾクするシーンであり、このシーンを用意するための映画だったのかもしれない。

陰謀の鍵となっていたのが、ワーテルローの戦いが終わった日の1815年6月18日。皇帝ナポレオン・ボナパルトが起死回生の戦いを仕掛けたが、英国やベルギー、プロイセンとの連合軍に負けた。大フランスが凋落し、ナポレオンもセントヘレナ島に流されて失意のうちに死ぬ。フランス人にとっては屈辱の日といえる。

この日をフランス人が好き好んで暗証暗号に使うだろうかと疑問が起きた。その日を知らないフランス人はいないかのような扱いに違和感があった。あるいは、1945年8月15日が日本人にとって当然の知識であるのと同じ意味がある存在なのだろうか。

(ハードボイルドとは全く関係ないが、秋の七草のフジバカマもまだ健在だ)