ネジ花と猫にまみれて躍動す [2015年06月24日(Wed)]
ひとの膝に身をゆだねて甘えていたと思えば、数分後にはあんたになんか抱かれたくはないとばかりに身を翻す。猫ほど変わり身が早い動物がいるでしょうか。招き猫亭コレクションの『猫まみれ』を島根県立美術館に鑑賞しました。
歩く姿のしなやかで、獲物を捕らえるのは敏捷で、奔放にじゃれる姿は愛らしい。発情期の猛り狂う勇ましさ、見つめられると引き込まれそうな大きな目、明るさに合わせて変わる瞳孔、ゆるりと眠る穏やかさ、目覚めたあとの体くねった伸びやかさ。猫は面白い。そして妖艶です。江戸期の浮世絵に描かれる猫は化け猫風で、身の毛もよだって妖しい姿です。 「決まった順路はありません。どうぞ猫のように気ままにご覧ください」と表示があって、学芸員の工夫のあとがよく見えます。キャプションの台紙はコーナーごとに違う絵模様でステキです。なかなかの企画展でした。 (島根県立美術館前の宍道湖畔に群生していたネジ花。怪しい猫のようにとらえどころなく、ピントを合わさせてくれなかった) |